4月の星空
ホーホー村教育研究所編 

西暦2009年は、明治142年、大正98年、昭和84年、平成21年にあたり,平年です


4 月15日 21時00分ころの網走の星空(Stella Theater Proと Photoshop を使って描画) 

今月の見物

4月27日(月)には、月齢2.4の細い月のすぐ下に水星が見える。


4 月27日 日没直後の西の空 網走では18時30分ごろの星空(Stella Theater Proと Photoshop を使って描画) 




惑星一般的解説は、「○○年度の天文現象」の惑星の項をご覧ください。

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今月の惑星の見え方

水星・金星・火星・木星・土星の5惑星は、とても明るく、都会の空でもおよその方向がわかると、見つけることができます。天体望遠鏡で見ると,口径6p程度の小天体望遠鏡でも,月の凸凹や少しつぶれた形の木星とその本体の縞模様(2本くらい)。そのまわりを回る4つのガリレオ衛星。土星の輪。金星の満ち欠けなどを見ることができます。火星は,小さなオレンジ色の玉に見え,「少し模様があるかな?」という程度です。

 いっぽう,天王星・海王星は、双眼鏡やフィルドスコープや小天体望遠鏡がないと見っけることが困難です。一般の人たたちは、天体望遠鏡で月を視野に入れるのでさえ、なかなにか大変ですから、肉眼で見えない天体を天体望遠鏡に入れるというのは、ほとんど不可能の事です。そんな事のできる方は、このページが想定している読者よりレベルの高い人で、その方たちは自分で調べることができるはずです。ですから、それらの惑星については、今見やすい時期なのかどうかを書くにとどめておきまのす。もし、このページの読者で天王星・海王星を是非みたいという方がおられましたら、各地の観測会などで見せてもらってください。冥王星にいたっては、口径40cmもの大きな天体望遠鏡をもってしても、条件が良くなければ見つけることができません。

               冥王星を見て来ました

水星
 4月下旬〜5月上旬には夕方の西の空に見やすくなります。4月27日(月)には、月齢2.4の細い月のすぐ下に見え、水星をみるチャンスです。日没直後から、良くヒントを合わせた双眼鏡などで探すと良いでしょう。網走では19時ごろが見やすい。

金星
これまで夕方に「宵の明星」として見えていましたが、4月から「明けの明星」として明け方の東に見えるようになりました。す。5月2日には、最大光度となりとても明るくなります。日の昇る前から金星を見つけておいて、ずっと追いかけると太陽が昇っても、白くポツンとした金星を青空の中に見つけることができます天体望遠鏡で見ると、左の写真のように三日月形に見えます。


火星 しばらくは、明け方の東南東の低空に見えます。天体望遠で見ても遠いので、小さく丸く見えるだけです。






 

                                 


木星
明け方の東の空で少し見やすくなりました。夕方見やすくなるのは、やぎ座にあるので、8月ころになります。






 
しし座にあり、今が土星観測の好機です。土星は,その直径が、地球の9倍もある巨大な天体で、小さな天体望遠鏡でも輪がなんとかわかります。野鳥観測用のフィルドスコープでは、なんとかθのように見えます。輪の傾きは、地球との位置関係で変化しますが、間もなく輪を真横から見る位置関係になるため,とても細い輪が見えます

・天王星明け方の東の低空に見えますが、あまり見やすいとはいえません。
・海王星:明け方の南東の低空に見えますが、あまり見やすいとはいえません。
冥王星:いて座にあるので、夜半すぎに見やすい位置になります。
冥王星を見て来ました

  個々の惑星についてもっと知りたい方は,「日本惑星協会」のホーム・ページ 「太陽系のすべて」をご覧ください。

惑星などの、もっと詳しい情報を知りたい方は、次の星座の項で紹介している★プラネタリュームソフトを使うと,その日,未来,過去の惑星の星座上での惑星・月の位置も知ることができます。また,本としては,『藤井旭の天文年鑑』(誠文堂新光社)がお勧めです。

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星座

 ★プラネタリュームソフト
今日の星空や惑星の動きを詳しく調べるには,次のホーム・ページで,プラネタリュームソフトをダウンロードできます
★Stella Theater Liteは,フリーソフトウェアで無料。一般の方は,こちらで十分でしょう。
★Stella Theater Proは,少し高級ですが,シェアウェアです。9.5等星までの恒星,軌道要素を入力すると,彗星の位置も表示してくれます。

http://www.toxsoft.com/softlib.html

★「Cielo Stellato 88星座完全ガイド」へリンク

「Cielo Stellato 88星座完全ガイド」では、全天の88個すべての星座を、イラストと星図入りで解説し、星座にまつわる神話も紹介しています。

http://www.toxsoft.com/stella/index.html

 

 星座の初心者が星座を見つけようとする時に「星座早見版」は、あまり役に立ちません。「星座早見板」は、その星座がどちらの方向に見えるかを知る道具で、星座の形が歪んで、主な星だけしか書かれていなので、それを使って星座を見つけることは、なかなか難しいことになります。星座を自分で見つけるには藤井旭ヴィジアル『星座図鑑』(1999 河出書房新社)と、同じ藤井旭さんの『星座と宇宙の楽しみ方』(2000河出書房新社)がおすすめです。少し古くさい感じですが、『星座』(小学館の学習百科事典)もとてもわかりやすいと思います。これら本には、季節の星座の探し方もていねいに書いてあります。星座の探し方では、少し不満ですが、きれいな本としては、藤井旭 『星座天体観察図鑑』(成美堂出版1998)がお勧めです。

少し画像が大きくなってしまいましたが(250〜500KB)夏,秋,冬,春のガイド図を作ってみましたので,よかったらご覧ください。

のガイド図

のガイド図

のガイド図

のガイド図

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流星の解説

太陽
:現在のリアルタイムでの太陽像を次ぎのホーム・ページで見ることが出来ます。
Solar and Heliospheric Observatory (英文)

SOHOこの天文台は、宇宙を飛んでいる太陽探査探査機で、太陽・太陽圏観測宇宙天文台 Solar and Heliospheric Observatory その頭文字でSOHO(ソーホー)と呼ばれています。SOHOは、1995年12月にNASAと欧州宇宙機関(ESA)が共同で、米国フロリダ州ケープ・カナヴェルから「アトラスIIAS」ロケットで打ち上げら、地球から150万q太陽寄りの軌道を地球と同じ1年太陽の周りを回っています。地球より太陽に近いなら、公転周期(太陽の周りを回る周期)が早くなって当然ですが、この場所では、太陽の引力を逆の方向から弱める形で、地球の引力が引っ張り、1年で太陽の周りを回る軌道になるそうです。詳しくは、「横浜子ども科学館」の次のホーム・ページをご覧ください。詳しく解説があります。

 

太陽についての解説記事 日食の観察の仕方     これから日本で見られる日食・月食表

月 

上弦4月2日(木),満月4月9日(木)、下弦4月17日(金)、新月4月25日(土)

人工衛星

現在,3000以上も人工衛星が地球の周りを回っています。肉眼見や すい人工衛星もけっこうあり,1時間も空を見ているとたいてい2〜3個の人工衛星を見ることができます。国際宇宙スティーション(ISS)は,大変明るく見えます際宇宙スティーション(ISS)やスペースシャトルの予報は、宇宙開発事業団のホーム・ページで知ることができます。

 自分の住んでいる地方の予報がない時は、緯度・経度を打ち込んでやると、計算してくれますが、そんなことをしなくても一番近いところの予報を見ると普通は、それで充分です。100km離れたところでの予報でも、高度で最大15度程度のずれにしかなりません。時刻も、これらの人口衛星は、15秒間で100km以上も動くため、違いは10秒程度です。

 右の写真は、2000年10月の若田光一さんらが乗った、スペースシャトル(デスカバリー)と、国際宇宙スティーション(ISS)がドッキングして飛んでいる様子です。高度が高く見える時は、1等星よりずっと明るく見えました。

人工衛星は、星のような点が星の間をスッート音もなく動いて行くように見えます。見えている時間は、数分間というところです。

人工衛星は、中には、自分で光を放っているものもありますが,ほとんどのものは太陽の光を反射して光っていので、地上が暗くなって、人工衛星には太陽の光が当たっているという条件の時見えます。それは、日没後1−2時間か、日の出前1−2時間というところです。真夜中は、人工衛星も地球の影の中に入ってしまうので、見えません。

 

 

人工衛星については、三島和久さんのホーム・ページが、お勧めです。特に一般の人向けのものは、「初心者向け予報」が良いでしょう。

http://www.jinkou-eisei.jp/

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日脚が伸びました

流星の解説

初心者は、どんな天体望遠鏡を買ったら良いの

 

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天文ニュース

ここでは、天文マニヤでなくとも、天文に興味を持たれている方なら、「面白い」と思ってもらえそうなニュースに限って、載せて行きたいと思っています。  

  
冥王星が格上げ

 
 一般の人たちも含めて天文界の大きな話題というと,太陽系の惑星からはずされることになったことでしょう。これについては,「格下げ」された」との見方が大勢を占める意見だと思います。アメリカの一般の人や天文学者の人たちが冥王星が太陽系の惑星でなくなる事に反対したのも,そういう見方の現れでしょう。
 冥王星は,アメリカ人によって発見された唯一の惑星だったのに,冥王星が惑星でなくなるとアメリカ人が発見さた惑星が,無くなってしまうのです。
 実は,私も「冥王星は,格下げされた」と,思っていました。ところが,天文雑誌「天文ガイド」で「天文学コンサイス」という解説記事を毎月書いてる東大理学部の半田利弘さんが,“冥王星は,格下げされたのではなくて,「昇格」したのだ”という意味の意見を書いていました(2006.11月号)。それを読んで私も「なるほど」,と思いました。
 それは,“冥王星が第9番目の惑星として末席に甘んじるよりも,最初に発見されたエッジワース・カイパーベルト天体(EKBO)であるという位置づけの方が遙かに地位が高いもの”との見方です。
 エッジワース・カイパーベルトとは,1950年ころに,エッジワースとカイパーによって短期彗星の起源場所として提案された海王星以遠のドーナツ状の領域で,そこには短期彗星の元となる微小天体がたくさん回っていると考えられたものです。
 それは,仮説上の存在でしたが,1980年代から1990年代にかけて、いくつかのチームが、エッジワース・カイパーベルトを確認しようと捜索を行いました。
 その結果,1992年にハワイ大学のジェーン・ルーとデイビッド・ジューイットが,最初のエッジワース・カイパーベルト天体1992 QB1(半径約100km)を発見しました。その後、翌1993年には5個、その後は毎年10個以上というようにたくさんのEKBOが発見されています。さらに2005年には,冥王星よりも大きな天体エリス (136199 Eris)も発見されました。
 2006年時点で、1000を超えるEKBOが発見されています。
 冥王星は,エッジワース・カイパーベルトの中にあり,惑星というよりもそれらEKBOの仲間であるといった方が良いことがはっきりしました。
(この文は,フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』の「エッジワース・カイパーベルト」の項を参考にして書きました)

 そのような,ことで,冥王星は惑星からはずれることになったのです。これは,単に定義の問題ではなくて,太陽系の外に微小天体のリングがあることが確かめられた成果と言って良いのです。

 とりあえず,冥王星が惑星では無くなった簡単な説明は,下記のようなものだと思っていますがどうでしょうか。

どうして冥王星が惑星でなくなったか
冥王星は,1930年に発見されました。発見当時,冥王星は地球より大きな天体ではないかとも考えらました。あまりにも遠くて,30年ほど前まで,きちんとその大きさを測定できなかったのです。近年になって,観測技術が進み,<冥王星は地球の月よりも小さい天体であること>がはっきりしました。さらに観測技術が進歩し,1992年になって冥王星より遠くに小さな天体1992 QB1(半径約100km)が発見されました。その後,冥王星付近や,さらに遠くに小さな天体が次々と見つかり,2005年には,冥王星より少し大きな天体天体エリス (136199 Eris)が発見されました。現在は海王星より遠くにあるそのような天体が1000個以上発見されています。
 冥王星は,惑星の仲間というよりは,海王星より遠くにある1000個以上の天体の仲間であることがはっきりしてきました。冥王星は,それらの中で一番最初に発見された天体で,それら1000個以上ある小さな天体の代表ともいえる天体です。(2007.1.4 加筆・改変)
もっと詳しい冥王星についての解説(2007.8.4 加筆・改変)
授業書《宇宙への道》冥王星削除対応版試案について
 2006.11.4



                   宇宙の年齢は137億歳?! 
(国立天文台・天文ニュース (621))

 新聞などのメディアをにぎわせたように、NASA(アメリカ航空宇宙局)が中心となって進めているWMAP衛星プロジェクトチームは、宇宙年齢が137億歳と非常に精度よく決めることができたと発表しました。

 この結果は、NASAが打ち上げたマイクロ波観測衛星、WMAP(Wilkinson Microwave Anisotropy Probe)の取得した一年分のデータを解析した結果から導かれました。WMAPは初期宇宙からの光である宇宙マイクロ波背景放射を全天にわたって、詳細に観測する衛星です。2001年6月30日に打ち上げられ、地球から約160万キロメートル離れた、L2と呼ばれるラグランジュ点にいて、観測を行っています。

 観測結果を理論計算をもとに解釈すると、宇宙は「普通」の物質が4パーセント、23パーセントが正体不明のダークマター、残り73パーセントがダークエナジーによって構成されていることがわかりました。また、宇宙で最初の星は、宇宙誕生からわずか2億年後に輝き始めただろうということもわかりました。宇
宙誕生後2億年というのは、多くの科学者が考えていたよりもずっと早い時期です。さらに、宇宙は平らで、永遠に膨張し続けるであろうという結果も導かれました。

 WMAP衛星は、プリンストン大学のウィルキンソン(David Wilkinson)博士に敬意を表して名づけられました。同博士は、2002年9月に亡くなった世界的に有名な宇宙論の科学者です。

解説 
http://www.nao.ac.jp/nao_news/data/NASA030211/background.html


参照:NASAプレスリリース; A Baby Picture of the Universe Tell its Age
     
http://www.nasa.gov/HP_FLB_Feature_MAP_030211.html
   NEW IMAGE OF INFANT UNIVERSE REVEALS ERA OF FIRST STARS,
    AGE OF COSMOS, AND MORE
     
http://www.gsfc.nasa.gov/topstory/2003/0206mapresults.html
   Wilkinson Microwave Anisotropy Probe
     
http://map.gsfc.nasa.gov/

       2003年2月27日                        国立天文台・広報普及室

画像は,NASA より

 

最先端の観測衛星であなたも観測しませんか!

国立天文台・天文ニュース (572) 2002年8月2 日によると,栃木県宇都宮市の鈴木雅之(すずきまさゆき)さんが新彗星を発見たそうです。私に はこの発見がとても画期的だと思います。それは,自分で観測したのではなくて,ESA(European Space Agency; ヨーロッパ宇宙機関)とNASA(National Aeronauticsr and Space Administration; アメリカ航空宇宙局)の共同により1995年に打ち上げられたSOHO(Solar and Heliospheric Observatory; 太陽観測衛星)によって,撮影公開されている画像からこの彗星を見つけたというのです。インターネットを使うと,プロの使っているさて先端の機材で,私たちも観測できる時代になったということです。試しにhttp://www.yahoo.com/で Solar and Heliospheric Observatoryを検索すると,すぐヒットして,その画像がリアルタイムで見ることができ,コロナの様子や,ちょうど今太陽の近くにあるカニ座のプレセペ星団がはっきりとわかります。英文ですが,ちょっと見てみませんか? 
 なお。この彗星は,あまり明るくないので,一般の方が観測するのはちょっと難しい。(2002.8.8 記)

天文ニュース・バックナンバー
 

リンク集
ハッブル宇宙望遠鏡の写真
ハッブル宇宙望遠鏡の写真をダウンロードできます
http://hubblesite.org/gallery/album/

国立天文台4次元デジタル宇宙 (4D2U) プロジェクト
なかなかのすぐれもので,自分のパソコンでも動かすことができます。

  
http://4d2u.nao.ac.jp/
 
 (上記の "Zindaiji" もこちらからダウンロードできます)




天体の最新ニュースを網羅的に紹介しているサイトを見つけました。My Home Gallery というサイトで、管理者は、松永 慎二 Shinji Matsunagaさんで、ニュース・ソースサイトにリンクしていますので、詳しくは、そのサイトから調べることもできます。また、いろいろなリンク先も充実しています。

最近の天文学の情報を見るのに、ぼくは、よく「国立天文台」の「天文ニュース」を見ます。必ずしも易しくはないですが、短く要点がよくまとめられていると思います。


2008年の天文現象

2008年の天文現象の概説ですこちらをクリック

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地球を宇宙から見る Google Earth

全世界の衛星写真を自在に操作できる
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2006/06/13/12304.html


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