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【主張】内閣支持上昇 「補正」含め責務を果たせ
政府は新たな追加経済対策を財政的に裏付ける平成21年度補正予算案を国会に提出した。
一般会計総額で約14兆円と大規模で、財源不足を補うため11兆円近くの国債の追加発行が必要となる。日本経済の底割れ回避を目的として決定した内容であり、早期に成立させねばならない。
補正予算案には緊急雇用対策や中小企業の資金繰りに資する施策も含まれる。民主党は意図的に対立を演出して成立を遅らせる方策をとるべきではない。
産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)の合同世論調査では、8割の人が補正予算案の成立が必要だと答えた。その半面、景気回復への効果は4割しか期待されていない。追加経済対策の効果発揮に努めていかねばならない。
会期末の6月3日まで実質1カ月程度しかない。補正やその他の法案審議を精力的に進め、各党は重要政策への見解を明示する必要がある。
補正予算案を決定した27日の臨時閣議では、21年度の実質GDP(国内総生産)成長率見通しが、過去最悪のマイナス3・3%に下方修正された。
与謝野馨財務相は財政演説で、日本の現状を「経済危機ともいえる状況」と位置付け、約3兆5000億円の赤字国債の追加発行に理解を求めた。
同時に、追加経済対策の内容については、経済を下支えし、将来の成長力を高める施策を厳選したと説明した。中期的には財政再建を果たしていく必要性も強調した。先進国で最悪の財政状況を考えれば、当然だ。
西松建設の違法献金事件という民主党の「敵失」もあり、麻生内閣の支持率は3月末から7ポイント余り上昇して28・2%まで回復した。「首相にふさわしい」かどうかの比較では、首相が小沢一郎代表を13ポイント強引き離した。ただ、首相の指導力を評価しない意見は8割近くに上ったままだ。
6割の人が賛成する海賊対処法案の早期成立だけでなく、集団的自衛権行使に向けた憲法解釈変更を、首相が自ら決断すべきことを示している。
民主党は名古屋市長選で推薦候補の河村たかし氏が大勝したとはいえ、事件に関する小沢代表の説明に納得できない人が8割を超えている。民主党にダメージを与えていることを直視すべきだ。