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ふじみ野ブロードバンド事情 − Bフレッツの導入

 

我が家のブロードバンド環境の変遷を通して「ふじみ野ブロードバンド事情」をご紹介する本レポートですが、今回は、ブロードバンドの本命、Bフレッツの導入顛末です。FTTHの導入を考えておられる方の参考になれば幸いです。

ADSLに不満は無いけれど

改めて言うまでもないのですが、ブロードバンドの進歩には、凄まじいものがあります。「ふじみ野」における最初の常時接続は、東上ケーブルTVによるインターネット接続サービスでした。当時は、実験という位置付けだったこともあって、128Kbpsの上位回線を100人のモニタでシェアしていました。今想えばお世辞にもブロードバンドと呼べるものではありませんが、当地で初めて常時接続が可能となった画期的な一歩でした。その後、NTT東日本のフレッツADSL(1.5M)がサービスを開始し(「ADSL導入顛末」)、Yahoo!BBをはじめとする競合他社が参入すると、あっという間に帯域は8M、10M、12Mと広帯域化し、料金は、当初の半分以下にまで低価格化しました(「ADSL 8Mbps化」)。ADSLは、NTT局舎からの伝送路距離によりサービス品質が大きく左右されるという問題があるものの、その割安感から驚異的なペースで普及し、最も一般的なブロードバンド接続となりました。我が家でも、ACCAの8(10)Mbpsサービスを契約していたのですが、リンク速度で4Mbps弱、ブロードバンドスピードテストで、3Mbps程度が安定して出ており、情報端末としての使用に何の不都合もありませんでした。

一方で、'02年には、ブロードバンドの本命といわれるFTTH(Bフレッツ)が、「ふじみ野」でサービスを開始しました。最大で100Mbpsと高性能な分、ADSLと比較すると価格的に高く、当初はNTTの期待するほどのユーザを獲得するには至りませんでした。逆に、ADSL高速化の勢いは留まる所を知らず、最近では、20Mbpsを超えるサービスも開始されようとしており、将来的には50Mbpsという話も聞こえてきます。このようなADSLの攻勢の中で、FTTHの価格も次第に低下し、一般家庭向けのメニューであるBフレッツ ニューファミリやBフレッツ マンションでは、ADSLとの価格差がかなり小さくなってきました。(「FTTHの割引キャンペーンで思うこと」)さらに、NTTは、プロバイダと組んで各種割引の特典を設けたり、共同住宅への導入サポートを行ったりと、Bフレッツの販売拡大を強力に推進しました。その結果、Bフレッツユーザは着実に増加しており、2003年7月末時点でFTTHサービスの加入者数が50万人を突破するまでになりました(総務省調べ)。

このような状況で、我が家のマンションにおいても、回線終端装置等を共用スペースに設置するための工事が管理組合総会で認可され、Bフレッツ マンションの導入環境が整いました。8MのADSLサービスに不満はなかったのですが、今後のブロードバンド・サービスの進展を考慮すると、光ファイバ回線の安定性、高速性、信頼性は、大きな魅力でした。また、Bフレッツ マンションの利用料金も、個人的には納得できるレベルまで低下していました。たまたま、NTTの工事費とプロバイダの基本利用料(3ヶ月間分)が無料となるキャンペーンが実施されており、初期費用の心配もありませんでした。これらの状況を総合的に判断し、Bフレッツへの乗り換えを決意したわけです。

随分速くなった乗り換え手続き

今回の場合、プロバイダ(@nifty)は変更せずに、アクセス回線のみをACCAのADSLからNTT東日本のBフレッツへ 変更することにしました。我が家では、ACCAの回線を通して、NTTコミュニケーションのIP電話サービスを利用していましたが、Bフレッツに変更しても、同じIP電話サービスを利用することにしました。キャンペーン特典を受けるために、Bフレッツの申し込み自体は、@niftyを通して行うのですが、工事の予約や、VOIPルータのレンタル手配などは、NTTと直接、コンタクトすることになります。プロバイダに対する変更手続きは、(1)IP電話解約、(2)ADSLサービス解除、(3)Bフレッツ利用登録、(4)IP電話再申請のようになります。IP電話サービスは、アクセス回線に付随するサービスということで、ADSLサービスを解除する前に、一旦解約する必要があるそうです。そのため、アクセス回線を変更すると、必然的に電話番号が変更となってしまいます。我が家の場合、IP電話は発信専用でしたので、番号変更は構わなかったのですが、ちょっと面倒だと思いました。

以前、フレッツADSLからACCAのADSLに変更した際は、手続きに1ヶ月程度の時間がかかり、大変不便な思いをしたのですが、今回は、実質1日のロスもなく、ADSLからBフレッツに乗り換えることができました。すなわち、Bフレッツの開通工事日にあわせて、ADSLサービスを解除するよう申請し、実際にADSLサービスが解除された直後に(ダイアルアップ接続を使って)、プロバイダへのBフレッツ利用登録を行いました。ADSLからBフレッツに変更する際は、ADSL間で乗り換える際に必要となるNTT局舎内のモデム撤去が不要なので、乗り換え期間の大幅な短縮が可能になったと思われます。

お約束のスピードテスト

Bフレッツ マンションでは、マンション各棟ごとに回線終端装置を設置し、光ファイバを引き込みます。1本の光ファイバは最大16ユーザでシェアします。我が家の場合、マンションのMDF室に設置してある回線終端装置から各住戸までは、既設の電話線を使って、VDSLで通信する方式です(図1)。VDSLによる通信では下り50Mbps、上り10Mbpsの制約を受けますし、VOIPルータを使用しますと、30Mbpsというルータとしての帯域制限がさらに加わることになります。通常の使用では、30Mbpsの帯域で何の問題もないのですが、今回は、Bフレッツの評価ということで、ルータを経由せずにVDSLモデムに直結した場合と、ルータを経由した場合の2通りでスピードを測定しました。また、NTT東日本の地域IP網内サイト(フレッツスクウェア)とIX直結のデータセンタ内サイト(speed.rbbtoday.com)の2箇所に対して、通信速度を評価しています。結果は、表1のようになりました。評価には、Pentium III 600MHzのノートPCとCeleron 2.4GHzのデスクトップPC(ともにOSは、Windows 2000 SP4)を用いましたが、両者に有意差はありませんでした。平日(といっても夏休みの会社が多かったかもしれませんが)昼間に何度か時間帯を変えて測定を行い、その中での最大値と最小値を表示してあります。

Bフレッツ マンション(VDSL方式)の仕組み
図1.Bフレッツ マンション(VDSL方式)の仕組み

表1.Bフレッツ マンション(VDSL)の実効速度
地域IP網内(下り) IX直結DC内(下り) IX直結DC内(上り)
VDSL直結 35M〜42M 21M〜27M 2M−5M
VOIPルータ経由 未測定 21M〜26M 2M−3M

現時点では、開通しているユーザ数が少ないということもあって、地域IP網へのVDSL直結アクセスでは、VDSLの制約近くまでスピードの出る結果となりました。IX直結データセンタ内サイトへのアクセスでは、ルータを経由すると、経由しない場合に比べて、わずかにスピードが遅くなったのですが、これは、ルータによる制約が見えているのかもしれません。私は、NTT東日本から、VOIP機能つきルータをレンタルしているのですが、ルータ性能が気になる方は、高速ルータを別途用意したほうが良いかもしれません。(「現行ルータの実効通信速度を完全検証」

やっぱり必要?IP電話

当初は、どの程度使うかなと思っていた「IP電話サービス」ですが、実際に使っているうちに、改めて、その便利さが認識され、いまや我が家の必須アイテムになりつつあります。(IP電話の試験導入IP電話の料金体系)とくに、地域によらず日本国内なら3分8円という安心感があるので、遠距離でも気楽に電話をかけることができるようになったのが嬉しい点。IP電話を導入する前に比べると、通話時間も相当長くなったように思います。また、VOIP装置の電源さえ入れておけば、誰でもIP電話を使えるという簡単さが家族には受けています。PCの苦手な人でも使えるブロードバンド機器という点で、IP電話は大いに普及する可能性があると思います。最近では、ADSLや、Bフレッツの標準サービス(追加費用なしで利用可能なサービス)として位置付けているプロバイダも多いので、ブロードバンド常時接続環境があるのなら、是非、導入したいサービスだと思います。

@niftyの場合、ACCA ADSLからBフレッツに乗り換えても、IP電話はNTTコミュニケーションのVOIP網を使うのでサービス品質・使い勝手に何も違いはありません。しいて言えば、VOIPルータを交換することによって、耳障りだったTONEダイアル音が改善されたということぐらいでしょうか。

いよいよ今年10月には、固定電話からの着信が可能になる見込みで、その際の通話料金がどのように設定されるか気になるところです。(加入電話から「050」番号への発信を可能に 東西NTTが発信側の料金設定で認可申請)VOIP網業者間の相互接続の問題や、携帯電話・PHSとの通話、モバイルIP電話など、楽しみが満載のIP電話。今後もいろいろな利用シーンが増えるのではないかと思います。

気になるお値段、料金比較

Bフレッツ マンションの場合、8ユーザ以上15ユーザ以下のプラン1と、16ユーザ以上を見込めるプラン2の2つのプランがあります。我が家の場合、 (複数棟からなる)団地全体としての契約ですので、プラン2ということになりました。図2に、代表的なADSL、Bフレッツ ニューファミリ、Bフレッツ マンション(プラン2)で、IP電話サービスを利用した場合の月額料金を比較しています。料金は、モデム、ルータ、終端装置など必要な機器をすべてレンタルしたものとして計算しました。Bフレッツ マンションは、1本の光ファイバを最大16ユーザでシェアするのですが、Bフレッツ ニューファミリでは、各住戸内まで光ファイバを引き込んでおり、それが利用料にも反映されています。Bフレッツの場合、利用するプロバイダによって、価格が多少変動します。また、Bフレッツ マンションには、屋内LANを使用するタイプ、VDSLで接続するタイプ、PNAで接続するタイプなどあり、それらで下り公称帯域に違いがあります。

料金比較(IP電話サービス、機器レンタル料を含む)
図2.料金比較(IP電話サービス、機器レンタル料を含む)

図をご覧になってお分かりのように、Bフレッツ マンションは、ADSLの価格帯とほぼ同一の水準まで低下していながら、数10Mbps以上の帯域を実現しています。公称値近くまでの実効速度が出るのであれば、きわめて割安なサービスといえるでしょう。

今後の行方?BBサービス

我が家の場合、Bフレッツへの乗り換えによって、回線の安定性、高速性、信頼性は格段に向上しました。ノイズによる影響などで帯域が制限されることも無く、地域IP網までのアクセス回線としては、申し分のない帯域が確保されています。電話回線としてみた場合にも、NTT局舎とマンションとの間は、銅線と光ファイバで冗長化されていることになり、信頼性が向上しています。これらが、僅かな追加投資で手に入るわけですから、個人的には満足です。

まだ、あまり一般的ではありませんが、6Mbpsのハイビジョン 5.1チャネル ストリーミング放送も実験的に始まっています。これらのブロードバンド・サービスを受けるためには、FTTHの安定性、高速性が必要になるものと思われます。また、NTTでは、RENAという"光"新世代でのネットワークを構想しており、IPテレビ電話や、高精彩映像コンテンツ配信、バーチャル・リアリティの実現などを計画しているようです。(「RENAはNTTを救えるか」「バーチャル・リアリティは"光の時代"の切り札になるか?」)いずれにせよ、今後のブロードバンドの発展は、いかに魅力的なサービスを提供できるかにかかっているということになるでしょう。今後の展開に期待したいと思います。