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IP電話モニタへの参加
IP電話とはIP電話の基本的な仕組みは、音声を従来の公衆交換電話網(PSTN:public switched telephone networks)ではなく、インターネット(IP網)で伝送するということです。音声をIP網で伝送するために、VoIP(Voice Over IP)という技術を使いますが、音声がIP網をどのように通るかで、IP網のみで伝送するIP発IP着VoIP通話、IP網と公衆交換電話網網を経由するIP発PSTN着VoIP通話などの種類があります(図1)。 インターネットで伝送することによって、通話コストを大幅に下げることが可能となり、特に、提携プロバイダ内の会員同士(IP発IP着)では、通話料が無料となります。遠距離のIP発PSTN着VoIP通話の場合では、PSTNのみの場合と比較して通話料の大幅な削減が可能となります。また、最近のIP電話の特徴でもあるのですが、使用にあたってはVoIP機能付ADSLモデムに従来の電話機を接続するだけでよく、通常使用時にPCは不要で、使い勝手が大幅に向上しています。050から始まるIP専用電話番号の付与も始まり、外部からの着信も可能となりました。現時点ではIP発の着信のみなのですが、PSTN発の着信も、NTT側プログラムの修正が完了しだい開始される予定です。 一方、IP電話の課題として一般的に言われているのは、公衆交換電話網に比較して輻輳に弱い、音声品質劣化の可能性、セキュリティの問題などIP網一般の課題のほか、緊急通報時の信頼性、PHS・携帯電話との接続といったシステム・ビジネス上の問題などがあります。 なお、IP電話は、音声のインターネットによる伝送ですから、アクセスはADSLに限りませんが、当面は、ブロードバンド・アクセスとして最も普及しているADSLが先行する模様です。IP電話の関連情報で、比較的良くまとまっていると思うものを参考文献にあげたので、より詳しくはそちらをご覧ください。 導入顛末@niftyのIP電話モニタとは、約2ヶ月の間、メールアンケートに答えることでIP発のVoIP電話通話料が無料になるというものです。本サービスでの料金体系など詳細は未定なのですが、モニタに参加しても本サービスを契約する必要は無く、特に不都合も見受けられないので、応募することにしました。 ホームページからモニタ申し込みをしてから1週間ぐらいで、モデムキットが送られてきました。私の場合、ACCAの8M(10M)コースなので、富士通製のVoIP機能付ADSLモデムです。今までレンタルしていたモデム(これも富士通製)はキットの指示どおり、着払いの宅急便で送り返します。仮に本サービスの契約をしなくても、新しいADSLモデムはADSL契約を解除しなければ、そのまま使うことができるようです。
富士通のモデムでは、IP発VoIP通話とPSTN発VoIP通話が自動的に切り替えられるようになっています。通常は、できるだけIP発を使うように設定されているのですが、緊急通報など一部の番号と、PHS/携帯電話などにはPSTN発で発信します。また、何らかの理由でIP網に障害が発生した場合も、PSTN発となります。モデムの電源が切れていた場合もPSTN発です。IP発かPSTN発かは、呼び出し音により判別することが出来ます。呼び出し音の前に、「ププ」と2回鳴るとPSTN発PSTN着電話、「プ」と一回鳴るとIP発PSTN着電話、無音の場合はIP発IP着の電話です。 導入してからそれ程使っていないのですが、今のところ特に問題は発生していません。音質・ディレイに関しては、まだモニタ数が少ないということもあるのか、PHSもしくは固定電話並といって良いほどで、予想以上に良好でした。しいて言えば、ダイアルトーン(発信音)が少し耳障りなのですが、これはモデムが中継しているためかもしれません。我が家では、FAXやナンバーディスプレイも使っているのですが、いずれも動作に支障ありませんでした。ACRはOFFにしておかないとPSTN発になってしまうようです。
また、IP電話とは直接関係はないのですが、ADSLモデムを交換したことにより、従来のモデムに比べて10〜20%程度リンク速度が増加したようです。ファームウェアの改善があったのかもしれません。参考までに図3にモデムのキャリアチャートを載せておきます。蛇足ですが、我が家ではISDNの影響よりは、ラジオノイズによる影響を強く受けているように読めます。 まだ、使い始めて日が浅いということもあって、十分に評価ができていないのですが、IP電話をADSLと同時に使う場合の影響や、IP網が混んでいる際の品質などについて今後、調査していきたいと考えています。 今後の展開まずは、市場参入の容易なADSLオプションという形態が先行するでしょうが、料金メリットが明らかになり、品質・信頼性などの課題がクリアされるにつれ、PCとは独立に電話のみの使用形態として浸透する可能性もあります。ここでポイントになるのは、会員間の通話が無料となるISP/キャリア間の提携です。1月現在、(a)ソフトバンクグループ、(b)NTTコミュニケーションに@nifty、Sonet、Biglobe、HiHoなどのグループ、(c)KDDI・日本テレコム・TTNETにeAccessを使うISP各社のグループなど、複数のグループが存在するようですが、これらがさらに大きなグループを形成することにより、IP電話のメリットは高まることでしょう。 また、将来的には、携帯電話やPHSとの間で発着信が行えるようになり、さらには、携帯電話自体をIP化してしまうIP携帯電話が実用化されて、固定電話並の通話料金低減が可能となれば、そのメリットは計り知れません。IP電話は、時代の流れですから、品質とコストのバランスを確保しながら、将来的には、殆どがIP化に向かうのではないかと思います。関係者の方には、是非ご努力いただき、ブロードバンド通信事業のさらなる発展を期待したいものです。 実は、我が家では、あまり固定電話を使うことがありません。そのため、IP電話の話は聞いていたのですが、あまり関心が無かったというのが正直なところです。IP電話は、現在の公衆交換電話にプラスして、新たな格安電話を基本料(ほぼ)無料で持てるということだと思います。実際試して改めて確認できたのですが、ADSL導入済みなら、新たな負担無しで通話料を削減できる(可能性がある)というのだから、絶対お勧めと言えるでしょう。 参考文献・ITPro 記者の眼「IP電話2003年の展望(前編)」 2003年1月16日 |