| 伸盛り | リズム | ワーナ | お勧め | ブロード | 掲示板 | データ | リンク | マップ | |||||
|
|
|||||||||||||
はじめに
1.5M→8Mの甘い罠今年4月、待望のADSLがやって来た時、ふじみ野のブロードバンド時代は始まったといってよいでしょう。さっそく我が家でもフレッツを導入し、これで当面アクセス回線は大丈夫と感慨にふけったのを今でも覚えています。ところが、半年もすると事態は急変。あれよあれよという間に、料金は半額以下、リンク速度は数倍にも向上しました。ISP事業者個別の事情もあって、サービス・料金の格差も無視できない程度に拡大し、11月、@niftyで8Mサービスの開始と一部接続業者の値下げが実施されるのに至り、我が家でも、ADSLコスト低減計画を実行する事にしました。 ADSL接続事業者については、どこにしようか、いろいろ考えたのですが、結局、ある調査での利用者アンケート結果の評判が比較的良かったACCAを使ってみる事にしました。また、私の利用環境では、1.5Mサービスでも速度としては十分だったのですが、8Mにしても月額300円しか違わないので、将来へのマージンも考えて8Mサービスを試してみることにしました。つまり、NTT東日本のフレッツ1.5Mから、ACCAの8Mへの変更ということになります。インターネット・サービス・プロバイダ(ISP)については、前回同様、メール、ホームページ、その他のサービス内容を変更したくなかったので、@niftyをそのまま継続して利用する事にしました。 @niftyを通して、10月中にACCA 8Mの予約申し込みをしたところ、本申し込みの案内が来たのは、11月下旬でした。NTT大井局内でのACCA設備拡張工事が、11月末に予定されていたので、それに合わせて案内が来たのだろうと思います。一時、NTT局舎内スペースの陣取り合戦が問題になりましたが、その影響が有ったのかもしれません。実際、ACCAでは12月以降の拡張工事予定がなかなか決まらず、多くの地域で8Mサービス申し込み保留の状態が続いていたのですが、最近ようやく次の工事予定も発表になり、事態は改善に向かっているようです。 ADSL接続業者とISPを変更せずに、サービスだけを1.5Mから8Mに変更する場合だと、切り替え作業を半日のうちに済ませてくれるところも有るようですが、業者変更を伴う場合は、今使っているADSL回線を解約して回線適合試験からやりなおす必要が有るので、かなりの期間、ADSLを使えない状態ができてしまいます。@niftyとACCAの組み合わせの場合、最短で、@niftyへの申し込み処理が2営業日、NTTでの適合調査が5営業日、NTT局内工事までがさらに7営業日となっています。土・日・祝日はお休みですから、ADSLを使えない期間が3週間以上!私の場合、工事依頼が殺到したためか、最短期間より1週間ほど余計にかかって、結局、丸1ヶ月間、低速モデム回線を使う羽目になりました。このあたり、顧客重視の観点から、たとえ業者が異なっても、切り替えによる空白期間を出来る限り無くす様、連携をお願いしたい所です。 ところで、フレッツ1.5M、Yahoo!BBなど、サービス開始時の人気殺到でサポート体制が追いつかずに混乱を生じる事は多いのですが(Yahooの場合)、8Mサービス申し込みでは、どの程度改善されているのか興味が有りました。実際に手続きを経験して、ひとつ大きな進歩だと思ったのは、手続きの進捗状況をインターネットでチェックできる点。何か間違いが起きていないか、これである程度はチェックできそうです。改善の余地が有ると思ったのは、問い合わせのレスポンス。基本的にメールで問い合わせるしかなく、混んでいる時は返事の返ってくるのが2週間先とかになってしまいます。これでは、気の短い人は、怒ってしまうでしょうね。 8M(Annex C)の実力■優れもののモデム現状、ACCA 8Mの場合、ADSLモデムはレンタルするしかありません。もっとも、レンタル料は月500円で、購入価格は2−3年分のレンタル料に相当しますから、現在のようにインターネット接続環境が急速に進歩する状況では、借りるのが正解だと思います。我が家に送られてきたのは、富士通製のルータタイプのモデムですが、これが予想以上の優れものでした。 NATなど通常のブロードバンド・ルータの機能が備わっているほか、ADSL回線側の状態もモニタ表示できるようになっています。回線状態としては、上り下りの伝送レート(リンク速度)と減衰量、伝送距離、下り方向のキャリアチャートなどの情報が含まれています。我が家の場合ですが、伝送距離が2.8kmとなっており、上りの伝送レートが0.9M,下りが3.3M、上りの減衰量が19dB、下りが37dBで安定しています。このうち、伝送距離については、減衰量から逆算した値なのか、回線調査の結果が書き込まれているのか、定かではありませんが、もし、この値が正確だとすると、我が家からNTT大井までの直線距離が1.4KM程なので、実に2倍もの距離を迂回してきている事なります。また、キャリアチャート(下図)とは、223個ある搬送波(キャリア)ごとに伝送帯域が表示されている物。高周波になるほど帯域が狭まるのは減衰の影響、600−700kHzで落ち込んでいるのはISDN干渉などノイズの影響と思われます。なお、300KHzあたりの落ち込みは、もともと使用していないためでノイズとは無関係です。 ■フィールドテストとの関係eAccessでは、8M ADSLのリンク速度と伝送距離との関係を、実験環境と運用環境の双方について測定し、その結果を公表しています。下図に、eAccessの測定結果と、我が家のデータとを重ねてプロットしてみました。実際の測定データは、グラフ中の「実験値(ノイズ有)」と「実験値(ノイズ無)」の間に広く分布するのですが、ここでは見易さのために中央値(概算)のみを表示してあります。我が家のデータの場合、概ね平均レベルといったところでしょうか。多少、良い目に見えるのは、ACCAとeAccessの使っているモデムの違いが影響しているのかも知れません。同じ伝送距離でも、電話線の太さや、ISDNからの影響の度合いなどで、かなり速度の幅が出てしまうのですが、伝送距離とリンク速度との相関が強い事は間違いないようです。 ■体感速度では、PCとNTT収容局との間の速度改善が、どの程度インターネットアクセスに反映されているのでしょうか。例によって、ブロードバンドスピードテストを使ってWindows2000で測定してみた所、2.5M程度という結果になりました。スピードテストでは、各種統計情報が収集されているのですが、我が家の場合、全国的に見ても、速度は平均レベル(累積相対度数で50%程度)、伝送距離との関係では少し良い目になっているようです。 2.5Mの帯域を体感するには、どうしたら良いのかよくわからなかったので、とりあえず、3台のPCそれぞれでインプレスTVのストリーミングを同時に流してみました。再生自体は、駒落ちも無くスムーズになされたのですが、私の処理能力の限界は超えてしまったようです:-)。 ■8Mでのリンク速度を予想できるか?ADSLの回線品質は、伝送距離、電話線の太さなどに依存するものの、これら回線基本情報は、通常の場合、一般利用者にはわからないため、リンク速度がどの程度になるかを開通前に予測するのは困難でした。では、1.5Mでのリンク速度が分かっている場合に、8Mのリンク速度を予測する事は可能でしょうか。結論から言うと、リンク速度だけでは、かなり難しいと思います。1.5Mサービスでのキャリアチャートがあれば、それをフルレートまで外挿することによって、ある程度の予想をする事は出来るでしょう。実際、アナログモデムでの減衰量を測定して、8M ADSLでのリンク速度を予測しようとする試みも行われています。しかし、リンク速度だけでは、減衰とノイズの影響の分離ができないのです。むしろ、なんとか伝送距離を調べて、統計的に予想する方が、高精度な結果になるでしょう。 ■8M導入は正解か?我が家の場合、8M ADSL導入の主目的が、コスト削減だったので、当初の目的は達成された事になります。また、昔使っていたルータが、たまたま壊れてしまったので、ルータタイプのモデムをレンタルできたのも好都合でした。目的達成という意味で、8M導入は正解でした。これだけでは、情報量が少なすぎるとお怒りの方がおられるかもしれないので、すこしだけ追加情報をお届けしましょう。 まず、ADSLリンクの安定度ですが、予想以上に安定していると思います。毎日、リンク速度はほぼ一定していますし、途中で切れるという経験も今の所ありません。WEB閲覧では、1.5Mよりちょっと速いかなといった程度でしょうか。ちなみに、我が家の場合、1.5Mサービスでのリンク速度は、1.1M程度でした。個別の事情は、あるとは思いますが、現状で2Mを越える帯域は、大きなファイルの頻繁なダウンロードとか、多人数での回線シェアとかでないと、活用できないのではないかと思います。我が家の場合、1.5Mでも良かったのですが、料金も大差ないので、とりあえず8Mにしてマージンを確保したという位置づけです。 常時接続 選択ガイドご存知のように、ADSLには、8M(G.dmt) Annex A、8M Annex C、1.5M(G.lite) Annex Cの3種類の規格が存在します。このうち、8M Annex Aを採用しているのは、Yahoo!BBのみ。Annex Aは、ISDN干渉の影響を受けやすいので、伝送距離の短く回線の状態が良い所でないと、リンク速度がでないといわれています。あくまでも一つの目安ですが、コスト/リンク速度をもとに選択するのなら、伝送距離の短い場合は8M Annex A(Yahoo)、2−3km(直線距離で〜1.5km)程度の場合は8M Annex C、−4km程度の場合は1.5M Annex Cといった感じでしょうか。もっとも、プロバイダの提供するサービス(メール、ホームページ、アナログ接続など)の格差も考慮して選択する必要があります。 また、加入者回線が光収容の場合、ADSLは使えません。ふじみ野では、東口シティベールや、西口パークサイドなどのマンションが該当するかと思うのですが、光収容からアナログ収容に変更する事も可能な場合が有るので、どうしてもADSLを試してみたい方はNTTに問い合わせると良いかもしれません。 ADSL以外の常時接続なのですが、東上CATVのインターネット接続サービス(TVNET)という選択肢も有るかと思います。CATVでは、伝送距離による減衰の影響がADSLより遥かに小さいので、NTT局から遠くてADSLを断念された方でも、サービスを受ける事が出来るでしょう。また、ふじみ野のマンションには、東上CATVの敷設工事済みの所もあるので、初期費用を抑えられる可能性もあります。現状、コスト的には少し割高感があるのですが、本来の多チャンネルTVという付加価値など総合的に判断する必要が有るかと思います。 ブロードバンドではないのですが、WEB閲覧による情報収集のみというのなら、フレッツISDNという選択肢も有るかと思います。フレッツISDNなら、ふじみ野全域で利用可能になっており、フレッツADSLよりも安価です。さらには、最近ではDDIポケットのAirH"など無線による常時接続なんかもあります。BフレッツなどのFTTHが来るまでじっくり待つというのも一つの手でしょう。マンション専門にブロードバンド導入サービスを提供する会社も出てきましたし、今後も新しいサービスが生まれる事と思います。進歩の早い分野ですので、常に最新の情報を収集していることが大切になると思います。 終わりに今回は、我が家でのADSL事業者変更の顛末を中心に、ふじみ野での常時接続 選択ガイドについても言及してみましたが、参考になったでしょうか。ADSLについては、最も関心の高いと思われるリンク速度を中心に話を進めましたが、結局、リンク速度予測には、正確な伝送距離を知る事が一番重要だと思います。我が家の場合、予想以上に、伝送距離が長かったのには少々驚きました。NTTとの直線距離の2倍程度まで伝送距離が延びると考えておいた方が無難かもしれません。また、接続サービスの選択については、料金、速度以外にも、グローバルIPの有無、サポート体制、回線品質の安定性、事業者の経営基盤などさまざまな指標があるでしょうが、基本は、インターネットにつないで何がしたいのかだと思います。よくスピードテストばかりやっている人がいますけど、なんかもったいないという気がします。 |