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安売り厳禁

2009-04-27 Theme: お知らせなど

学生のころ・・・

そう私にも学生のころというのがあったのです、確かに。それはともかく。


展覧会用に描いた120号の絵画作品を「売ってもらえないか」と頼まれた私は、

それはとても気に入っていたし、力の入った作品ではあったけれども、

いかんせんサイズがF120。

1940mm×1303mmですもの、そうそう家に置く場所もありません。

同程度のものが何枚も既にありましたし、

「それでは是非」と、応じることにいたしました。


そこで困ったのが「売価」です。

いったい、幾らだと言えば良いのでしょう。

自分の作品に自分で値段を付ける。これがなかなかできることではありません。

自分の作品なんかに価値はない、とも思えるし、

いいや、値段など付けられないほどであると言ってしまいそうにもなります。


自分で言うのも何ですけれども、

習熟と挑戦、経験と野心とが織り込まれた、

「きちんとした表現作品」であったから迷ったのだと思います。


困り果てた私は、唯一の「客観的数字」にすがることにしました。

「とりあえず材料費で。そうですねフレーム、キャンバス、絵の具で3万くらいでいかがでしょう」・・・


ところが。

この値段について話すと、恩師である洋画家・佐々木良三先生から叱られました。

「駄目です今野君。桁がひとつ違います。これはただ色を着けた布とは違います。このようにきちんと表現した絵をそんな風に安売りしたら、プロの人たち、業界の人たちがみんな迷惑します」


アナタは学生だからそれで小遣い稼ぎのつもりかも知れないが、

美術の世界でメシを食っているたくさんの人たちにとって、その値づけは非常に迷惑だ。

「絵なんてものは、意外なほど安く手に入れられるものだ」と思われる前例になりかねないと。

そして一人の安易な安売りで、美術表現というもの全般への一種の憧れ、尊厳に、傷が付く。

それはよろしくありません。

「表現者として、作品についてはもっと毅然としていなさい」

そういう主旨のことを言われたわけです。


さて。

状況は前々回の日記と真逆のように見えますが、

実は同じ状況を裏表から見ているだけな気がします、よ。

いががでしょう。



追記ですが、

私は佐々木先生から、

ある作品を見てもらった際、

「あんたのこの絵は、キャンバスごと捨ててしまった方が早いね」と言われたこともあります。

で、その絵は捨てました。1ヶ月近くかけた作品だったのですが、惜しげもなくさわやかに。

駄目なものは、駄目、とはっきりしていたのでありますよ。

だからこそ、上のことについて、

ああ意味のある言葉だなと記憶しているわけです。

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2009-04-26 Theme: お知らせなど

とてもステキなお話として報道されていることが、

私にはとてもフシギに感じられますし、

まったく手放しで拍手もできない、

それどころか、なんだか怒りに近いものを感じていたりします。


ある動物園の中のCIやポスターを、

ある商業美術系短大の学生さんたちが、

授業の一環として担当することになったというニュースがそれです。


学社連携のめざましい一歩二歩、的な伝えられ方で、

それはそれは喜ばしいことなのかも知れません。


その短大では、以前も動物園の商品デザインコンペを「授業の一環」として行いました。

動物園の宣伝用ポスターや案内板をデザインさせたりもしています。


短大は、こうした活動を見てもわかるとおり、

実践的で、夢のある教育を行っているすばらしい学校に違いありません。

そう。このニュースは、美しいニュースとして報道されているのです。


動物園も公営ですから、デザインにお金は掛けられない。その事情はわかります。

しかし、だからと言ってですよ、

「学生でもプロでもできあがりは大差ない」

「だったら、学校とコラボしてしまえば、行って来いで、デザインについては無料で済む」と、

大っぴらに示してしまってるようなものではないですか?これは。


この後、「うちも」「我が社も」「おらほの部署も」学生とコラボ、

話題になるし、若い感性をタダで取り入れられたりしてラッキー!

・・・そんなことがあちこちで始まったら、どうしましょう。

この景気ですから、私はない話だとは思わないですよ。


実際、この短大では、授業の一環として、

ある県内大手菓子メーカーの、商品パッケージデザインを手がけたりもしています。

このことが報道されたとき、ああ、やっぱりこうなるよな、恐れていたとおりになってきたな、と感じたものです。



プロのデザイナーたちが、みんな覚悟を決めて、まわしに髷を結って傷だらけの肉体を晒して土俵に上がっているのが見えませんか?

学校の先生なら、その凄まじさに涙を浮かべながら「あれがプロというものですよ」と、教えてあげてほしいです。



技術の安売り、ダンピング、価格破壊どころではないでしょう。

「デザイナーの仕事なんてのは、基本お金を払うほどの物じゃない」と言ってるのに近いんじゃないかと思います。

公営の施設と、公立の教育機関がです。

その気はないのでしょうが、

そのようにとらえられる可能性はずいぶんありますよ。


今回のことは、一見、とてもささやかなことです。

でも、発想がいかにも無邪気な分、根っこは深いし、かつ影響力は大きいと感じます。


関係者の皆さん、こうしたことは、きちんとお金を掛けてやるべきです。

あきたタウン情報さま

2009-04-25 Theme: お知らせなど
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