2008-03-16 03:22:39

表現の自由≠言論の自由

テーマ:オピニオン
 (財)日本ユニセフ協会の「なくそう!子どもポルノ」キャンペーンへの対抗アクションが漫画・アニメ・ゲーム愛好者たちによって始まっているようだ。
 3月11日に、SNS「ミクシィ」内に開設された「準児童ポルノ法反対」というコミュニティは運営期間5日でメンバー数979人を数えている。

 トピックスが乱立気味なので、全体像を把握するのは少々困難だが、主に昨今の児童ポルノ法改定に伴う単純所持規制導入の危険性と、漫画・アニメ・ゲームを中心とした創作物の規制に反対する意見を多くの人々に知らせるためのビラ・ポスターの作成や署名活動の準備が行われているようだ。

 こうした動きの中から、「表現と言論の自由を守る市民の会(仮)」・「所謂「児童ポルノ禁止法」改悪に反対する会(仮)」という二つのサイトが開設されている。
 
 しかしながら、まだまだ用語の使用や、今後の方針には混乱が見られる。
 署名活動のほうでは、どこに提出する形でどのように行うのかも決まっていないようだし、ビラ・ポスターの作成も、どこで誰に配るのかという肝心な部分がまだまだ検討中の様子。また、「準児童ポルノ法に反対」という言葉も散見される。(重ねていうが「準児童ポルノ法」という法律案は存在しない) 

 さて、「表現と言論の自由」はどちらも重要なものではあるが、まったく同質かといえばそうではないという意見もある。昨年、ある月刊誌の編集長氏と表現の自由の問題について話した時に、その編集長氏に「表現の自由と言論の自由は別個のものだ」と力説されたことがある。
 
 彼の論では、表現の自由はゾーニング等によって折り合いをつける性質のものだが、言論の自由には書く対象と折り合いをつけることはあり得ないというわけだ。彼の意見が完全に正しいとは思わないが、権力者のスキャンダルを暴き、報道している人々からすれば、表現と言論の自由を同列に語ることには、異論もあるようだ。
 
 
いずれにせよ、ネットを通じて始まっているムーブメントについても、今後は注視してゆきたい。

参考リンク:
「表現と言論の自由を守る市民の会(仮)」
http://homepage2.nifty.com/toyonokunikabosu/

「所謂「児童ポルノ禁止法」改悪に反対する会(仮)」
http://www.anti-jpo.org/

(昼間たかし)
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