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【社会】

搬送拒否で消防に賠償命令 1億3800万円、奈良地裁

2009年4月27日 15時50分

 救急搬送を拒否され治療が遅れたとして、意識不明が続く奈良県大淀町の男性(44)と両親が、同県橿原市の中和広域消防組合に計約2億5200万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、奈良地裁(坂倉充信裁判長、異動のため一谷好文裁判長代読)は27日、搬送義務違反を認め計約1億3800万円の支払いを命じた。

 男性側弁護士によると、救急隊員の搬送義務違反が争われた例は少なく、消防の賠償責任が認められたのは珍しい。

 判決によると、男性は2006年11月15日未明、橿原警察署の敷地内で保護された。顔や服に血が付いており、家族は現場に到着した救急隊員に病院搬送を頼んだが、酔っていると判断され拒否された。男性は同日朝に意識不明となり、現在も回復していない。

 裁判では、救急隊員が脈拍や血圧を測り男性の状態を把握する義務や、搬送先を探す義務を果たしたかなどが争われた。

(共同)
 

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