豚インフルエンザ問題で、カナダ保健当局は26日、同国内で初めて6人の豚インフルエンザウイルス感染を確認したと発表した。感染確認はメキシコ、米国に次いで3カ国目。一方、メキシコでは死者が103人(感染疑い含む)に達した。米政府は同日、感染拡大を受け公衆衛生に関する緊急事態を宣言した。【ニューヨーク小倉孝保、メキシコ市・庭田学、ワシントン小松健一、パリ福原直樹】
カナダで同ウイルスが検出されたのは、東部のノバスコシア州で4人、西部のブリティッシュコロンビア州で2人。ノバスコシア州の4人はいずれも高校生で、うち2人は最近、メキシコ旅行から帰ったばかり。
メキシコのコルドバ保健相は26日、豚インフルエンザに感染したとみられる患者数は1614人にのぼると明らかにした。うち感染が確定したのは少なくとも22人(いずれも死亡)。
カルデロン大統領によると、25日時点で感染した疑いのある患者1384人のうち、67%の929人は治癒したという。
米疾病対策センター(CDC)は26日、米国内での感染者が20人になったと発表した。緊急事態宣言を受け、連邦政府は州政府と連携し、検査態勢の強化や医薬品調達に必要な財政出動を行う。
またスペイン政府は26日深夜時点で、8人に感染の疑いが出ていると報告した。入院・隔離を続けている。AFP通信が報じた。
仏政府は26日、感染の疑いがあった人のほとんどに感染がなかったと報告。ただし、1週間前にメキシコからパリに帰国した女性(52)は現在も病院で検査中という。
また英スコットランド行政府は26日、メキシコから帰国し、軽いインフルエンザのような症状の出た2人が入院したと発表した。
毎日新聞 2009年4月27日 東京夕刊