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NYで8人感染確認 メキシコ死者81人に 豚インフル

2009年4月27日2時56分

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図拡大世界保健機関(WHO)の警戒フェーズと国内の対応

 【ジュネーブ=国末憲人、ワシントン=勝田敏彦】メキシコと米国での豚インフルエンザ感染を受け、世界保健機関(WHO)は25日開いた緊急委員会で、「国際的に懸念される緊急事態」だと認定し、各国に警戒を呼びかけた。ただし、感染警告レベルを引き上げる決定は先送りした。一方、米ニューヨーク市で新たな感染者が確認され、ニュージーランドなどでも新たに感染を疑わせる例が出てきた。事態は地理的に飛び火する様相を呈しつつある。

 WHOの発表によると、緊急委員会は、現状は疑問点がなお多いとしながらも、感染症阻止のための国際法上の枠組み「国際保健規則」に基づく「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」だとの点で一致。WHOのチャン事務局長はそれを受けて今回の状況を緊急事態と認定するとともに「インフルエンザ様疾患や重い肺炎が、通常みられないような形で発生していないか、すべての国は監視を強化して欲しい」と要請した。

 だが緊急委員会は、現在の警告レベルを引き上げる議論については「さらに情報が必要だ」と、決定を保留した。警告レベルは6段階分類で、現在は、下から3番目の「人から人への感染がないか、極めて限定的」なフェーズ3。これを「人から人への感染が明らか」というフェーズ4に引き上げるかが問題だった。

 社会経済的な打撃を懸念したメキシコ、米の両国が、現段階での引き上げには抵抗した模様だ。これまでメキシコだけで死亡例が報告されていることが最大の疑問点となっており、WHOは専門家を派遣して調査を進めた上で、28日に再び会合を開く。

 一方、メキシコのコルドバ保健相は25日午後の記者会見で、メキシコでの感染が疑われる死者は前日から13人増え、81人に達したと発表した。地元メディアが報じた。インフルエンザの症状を訴える患者は1324人に上っている。

 また、ニューヨーク市東部クイーンズ地区の私立高校で生徒約100人がインフルエンザに似た症状を訴え、そのうち8人が、検査でA型インフルエンザの陽性反応が出て、検体を米疾病対策センター(CDC)で調べたところ、豚インフルエンザに感染していることが確認された。これを受け、私立高校は27日、休校する。CDCによると、米国内の感染確認はカンザス、オハイオなども含めて5州合計で21人となった。

 ニューヨーク・タイムズ紙によると、私立高校生徒の一部は最近、メキシコに旅行していたとの情報がある。

 ただし、米国での感染または疑いがある例はいずれも比較的、症状は軽い。豚と接触した形跡はなく「人から人」感染が起きた可能性が高い。

 また、ニュージーランドからの報道によると、同国のライオール保健相は26日、メキシコ旅行から帰国した高校生10人がやはりA型インフルエンザの陽性反応を示し、豚インフルに感染した疑いがあるとの見方を示した。ほとんどの患者が回復途上で、深刻な症状ではないとしている。

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