営業中のパチンコ店に3トントラックが突っ込み炎上した。建造物損壊容疑で逮捕された男は新座署の調べに、「店とのトラブルがあった。頭にきた」と供述しているという。難を逃れた客たちは、「本当に怖かった」と青ざめた顔で振り返った。
現場は新座市野火止8のパチンコ店「パーラー254」。鉄筋2階建て1180平方メートルのうち1階の約755平方メートルが焼け、店内には客約130人と従業員11人がいたが、けが人はなかった。
新座署によると、男は同市野火止4、古紙回収業、玉上隆治容疑者(53)。調べに、トラックで突っ込み火をつけたことを認めているといい、現住建造物等放火容疑でも追及する。「店には何度か行ったことがある」と供述しており、店とのトラブルの有無も詳しく調べる方針。
玉上容疑者は出入り口から、トラックでカウンター付近まで突っ込むと、可燃性の液体が入った容器を数個、車外に投げつけた。火はトラックにも燃え移り、車外に出たところを従業員らに取り押さえられたという。
店舗2階にいた男性客は、「急に『逃げてください!』という店内放送があり、急いで1階に下りると、トラックが燃えていた。男が従業員ら数人に取り押さえられ、何かわめいていた」。2階にいた60代の女性客は「放送が聞こえ、急いで席を立つと1階が火に包まれていた。非常階段から夢中で逃げたが、本当に怖かった」と、おびえた様子だった。
この日は休みだったが、知らせを聞いて駆けつけた従業員の女性(22)は「地元のお客さんが多く、とてもアットホームな店。信じられない」と泣きながら話した。【町田結子、平川昌範】
毎日新聞 2009年4月25日 地方版