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年収80万円、職場転々…官製ワーキングプアの訴え切実(1/2ページ)

2009年4月26日21時14分

写真:カードを掲げ、反貧困をアピールする参加者たち=26日午後、東京都千代田区、川村直子撮影カードを掲げ、反貧困をアピールする参加者たち=26日午後、東京都千代田区、川村直子撮影

 不況下で安定ぶりが強調される公務員だが、自治体の財政難を背景に、民間と同じく短期契約を更新しながら低賃金で不安定に働く非正規職員が急増している。26日、「なくそう! 官製ワーキングプア」を掲げ、待遇改善を求める集会が都内で開かれた。「名ばかり公務員」の実情に、切実な訴えが相次いだ。

 集会には全国から430人が参加。図書館司書や消費生活相談員、保育士ら、公共サービスを現場で支える非正規公務員が次々と、低賃金や短期契約による雇い止めの不安を訴えた。

 首都圏の小学校で臨時教員として働く50代の女性は、年齢制限などで常勤職が見つからず、時給1210円で1日5時間勤務。年収80万円だという。

 女性は夏休みなどは学童保育で働くが、それでも生活は成り立たない。週末にスーパーでアルバイトをしたが、疲労で授業に集中できなくなった。周囲に相談して出した結論は、生活保護だった。いまは月5万円前後を受給する。「甘えている」という批判に悩みもしたが、「生活が安定したことで、子どもたちにしっかり向き合えるようになった」と前向きに話した。

 20年間非常勤として勤める50代の都の消費生活相談員は、昨年度から1年の有期契約を4回までの更新に限られることになり、今後も働けるか不安だという。消費者庁は設置される方向だが、「これでは十分な経験を積めず、専門知識も身につかない」と嘆いた。

 都の事務補助などの仕事をする臨時職員(50)は、契約期間の2カ月ごとに職場を移り、6カ月働くと1カ月休む。8時間労働で日給7190円。通勤手当も有給休暇もない。労組関係者は「自治体の社会保険適用逃れではないか」と指摘した。

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