中国発のソースコード大戦、諸外国に不安
中国政府は中国国内で生産されるIT製品や中国に輸入される外国企業のデジタル家電などに対し、製品の中核情報が含まれる「ソースコード」を強制開示させる制度を5月から実施することを決めた。24日付読売新聞が報じた。
ソースコードとはソフトウエアの内容をプログラミング言語で書いた一種の設計図で、主要国は相互認証制度を設けている。例えば、米マイクロソフト(MS)がウィンドウズのソースコードの安全性に関する認証を米国内で獲得すれば、他国で再び認証を受ける必要はない。相互認証制度は情報流出を防ぐ役割を果たしている。中国政府が今回導入の意向を示した強制開示制度は世界的にも例がない。
万一ソースコードが公開されれば、クレジットカードなどに広く使われるICカード、デジタル複写機、現金自動預払機(ATM)など主要情報技術(IT)製品の知的財産権が侵害される上、市場の取引秩序全般にマイナスの影響を与える可能性が高い。
中国政府は昨年5月、ソフトウエアの欠陥を利用したウイルスの侵入を防止するという名目で強制開示制度を今年5月から導入すると発表したが、日米欧の政府や企業が一斉に反発したため、今年3月に導入を延期する方針を示していた。
これについて、同紙は「制度実施の延期は適用開始までの猶予期間を設けることを指していた」との見方を示した。同紙は「非現実的な制度のため、中国政府は導入することができないのではないかという予想が見事に外れた」と指摘し、中国が強硬姿勢を取る背景には、世界同時不況で先進国市場が一斉に低迷する一方、中国市場の魅力が徐々に高まっているという現在の状況があるとの分析を加えた。
同紙はさらに、中国政府は外国企業が世界貿易機関(WTO)を通じた紛争解決の手続きを踏めばよいのではないかとの立場だが、それには1年以上かかるため、中国製品に対する報復につながる可能性が高いと分析した。
サムスン電子など韓国企業も中国政府のソースコード強制開示方針に戸惑いを見せている。現時点では中国政府がどの程度までソースコードの開示を求めてくるのかは不透明だが、5月に具体案が示された段階で対応に乗り出す構えだ。
同社関係者は「全てのIT製品についてソースコードの公開を求めることは、企業秘密を全て明らかにしろというのに等しい。そんなとんでもない措置が取られることはないと思う」と述べた。
■ソースコードとは
コンピューターやデジタル家電のソフトウエアを開発するためにプログラマーが制作した設計著作物。完成したソースコードをコンピューターが理解できる言語に変換すれば、実行可能なソフトウエアになる。ソースコードには該当製品の構造や作動原理に関する全ての情報が含まれており、公開されれば企業の開発機密が全て漏れることになる。
東京=辛貞録(シン・ジョンロク)特派員
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