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「韓日併合は国際法上無効」

【新刊】李泰鎮・笹川紀勝編『韓国併合と現代』(太学社)

 昨年末に本書の日本語版が出版された際、共同編集者の笹川紀勝明治大学法学部教授に行ったインタビューは忘れることのできない印象深いものだ。「今回の研究は、あなたの国・日本の国益とは合わないのではないか」という質問に対し、笹川教授は「日本を良い国にするためには、自ら誤りを認めて改めなければならない」と答えた。

 本書は1910年の韓日強制併合の不当性を力説した韓国と日本の学者による共同研究の成果で、歴史学と国際法学の専門家が参加した。李泰鎮(イ・テジン)教授や故・白忠鉉(ペク・チュンヒョン)教授らが2001年から進めてきた作業の結実で、日本の統監府幹部が純宗皇帝の署名を偽造して処理した数十点の公文書をソウル大奎章閣図書館で発見したことがきっかけとなった。李泰鎮教授は研究の結果を日本の月刊誌『世界』に紹介し、ここから韓国、日本と米国の学者との間で活発な意見交換が始まった。

 執筆者らは、韓日併合は両国の自由な意志によるものではなく、強制により選択の自由を抹殺してなされたため、国際法上無効の条約だと主張する。李泰鎮教授は「1904年以降、韓日間の諸条約は武力による威嚇が常に介入し手続きを完全に無視したため、法的に成立したものと見なすことはできない」と指摘した。本書は、たとえ100年前の出来事だとしても、歴史の真実を知ることは新たな国際関係の構築に必須だとしている。

兪碩在(ユ・ソクジェ)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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