中国企業の商標、海外でたびたび侵害
中国企業は海外市場において商標を侵害される被害者になりつつある。国家工商行政管理総局がまとめた統計によると、現在、海外企業が中国で申請した商標登録は13万件に達する一方、中国が海外で申請した商標登録はわずか8607件に過ぎない。こうした不均衡は中国企業の海外における商標保護意識の低さを物語るものだ。英紙「フィナンシャル・タイムズ」の22日付報道によると、これまで商標権の侵害行為は中国市場への進出を願う海外企業に対するものが多かったが、現在では香港特別行政区、米国、欧州、アフリカの各市場で事業を展開する中国大陸部企業がターゲットになっている。ある国内の専門家によると、中国の有名ブランドの権利が侵害され、企業にとって大きな負担となっており、中国企業はブランド保護意識を強めるべきだという。「環球時報」が伝えた。
▽中国の有名60商標、カナダで侵害
カナダのCTVテレビジョンネットワークが伝えたところによると、カナダ知的財産庁のオンライン商標データベースに登録された中国の有名商標は約60件あり、2人の中国人が最近、個人名で登録したものとなっている。それには「中投」(中国投資有限責任公司)「五鉱」(中国五鉱集団公司)「王老吉」(王老吉公司)などというものや「中国銀行」というものまであった。中国の商標がカナダや北米で登録されるのは目新しいことではない。1980年代には有名な「天壇」ブランドの茶葉や「五星」ブランドのビールが登録され、「五星」に至っては北米で星が増やされて「九星」ブランドとして登録されたこともあった。また2003年には天津食品の「桂発祥十八街」ブランドがカナダのある中国人が経営する企業により登録され、騒動を引き起こしたこともあった。
カナダメディアの分析によると、中国は海外の商標に対する保護意識が弱く、多くの企業はコスト負担を恐れて、海外での商標登録に人力や資金をつぎ込むのを嫌う。これまではすべての手続きを他人や請負業者に任せきりにし、だまされることもしばしばあった。だがある分析によれば、商標登録は申請から承認まで相当長い公示期間があり、この間に元来商標を有している側が迅速に対応し、登録機関に十分な資料を提出して、申請者が悪意をもって商標登録を行おうとしていることを証明しなければ、商標の所有権を奪還することはできない。今回登録された約60の商標は現在いずれも公示期間内にあり、中国企業は迅速に対応して所有権を取り戻さなければならない。