Print this Post Article Lists Back

失敗相次ぐ韓国の海外油田開発 (中)

 しかし、義務となっている探査、ボーリングを行わなかったという理由で、昨年7月にロシア政府が探査ライセンスの延長申請を棄却し、暗礁に乗り上げた。ここでは昨年6月の第1次ボーリング作業で石油が発見されず、不安も大きい。

 石油公社は昨年12月、ロスネフチとの間で西カムチャツカ海上鉱区探査事業の再開に関する了解覚書(MOU)を締結し、事業が再開したかのように思われたが、その内幕を探ってみると、問題は容易ではない。

 本紙がロシアのエネルギー事情に詳しい消息通に直接取材をした結果、この鉱区をめぐってロシア最大のガス会社ガスプロムが介入しており、ロスネフチと鉱区の確保競争を繰り広げている。ガスプロムがこの鉱区のガスを供給するためという名分で鉱区ライセンスの延長をしないよう、政府に圧力をかけている、というわけだ。

 ガスプロムがこの鉱区を確保すれば、韓国の油田開発への参加が不透明になる上、既存の契約が保証されるとしても、これまで交渉パートナーだったロスネフチと決別し、ガスプロムを相手にしなければならない。これについてロシア政府は、具体的に言及していない。

 これに先立ち、アゼルバイジャン沖カスピ海のイナム鉱区での探査も失敗に終わった。ここは今年まで探査契約が残っていたが、2007年から進めてきた探査の結果、石油の埋蔵を示す兆候は発見されず、追加探査を放棄した。ここも、石油公社を主軸とするコンソーシアムが持ち分20%を有していた。

 2007年、当時の盧武鉉政権は韓国国民向けに「カスピ海に初の海上鉱区を確保した。カスピ海の原油シルクロードを開く」と広報を行った。産業資源部は当時、この鉱区の埋蔵量を20億バレルと予想していた。

 イラクのクルド人地域にある8鉱区の油田開発も難関に直面している。昨年2月、石油公社を主軸とするコンソーシアムが、クルド人地域に21億ドル(約1996億円)のSOCを建設する代価として八つの鉱区の開発権を確保した。探査が成功すれば、韓国は20億バレルの原油を確保するという計画だった。

チョン・ビョンソン記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

このページのトップに戻る