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68人死亡 世界的大流行懸念「深刻な状況」とWHO

 メキシコ、米両国で豚インフルエンザに感染したとみられる患者が1000人を超えたことを受け、世界保健機関(WHO)のマーガレット・チャン事務局長は25日「感染は急速に拡大している。深刻な状況だ」との現状認識を明らかにした。WHOは同日、世界の専門家約15人でつくる初の緊急委員会をジュネーブのWHO本部で開催し、新型インフルエンザ発生に対する警戒水準の引き上げなどを協議した。

 チャン事務局長は緊急委開催に先立ち、報道陣に対して世界的な大流行の可能性はあるが、実際にそうなるかどうかは不明だと指摘、「最終的な情勢分析にはなお数日が必要」とも語った。世界の他の地域で豚インフルエンザ感染が拡大する兆候はないという。

 米国では人から人への感染と断定されたほか、感染が米、メキシコ両国の国境を越えた可能性も指摘されている。

 WHOは鳥インフルエンザなどの変異で発生するとみられている新型インフルエンザの大流行に備え、六段階の警戒水準を設定。これを現行の「3」から「4」へ初めて引き上げるかどうかが緊急委での協議の焦点となったもようだ。

 「4」への引き上げは新型インフルエンザ発生を認定する意味を持ち、引き上げなら日本政府は首相をトップとする対策本部を直ちに設置して、発生地への渡航自粛勧告を検討する。

 「3」は人から人への感染が「ないか限定的」、「4」は感染が「地域社会レベルで持続的に見られる」状態。拙速な引き上げは社会不安をあおりかねず、WHOは状況を慎重に分析している。

 メキシコ市では病院に予防接種を求める市民が殺到。薬局ではマスクが売り切れた。現地の日本企業は情報収集を急いでおり、トヨタ自動車は米国などの工場にマスクを発送する準備を始めた。

 緊急委は現行制度が発効した2007年6月以来、初の開催。

 メキシコで豚インフルエンザに感染したり、その疑いのある患者は1004人で、うち68人が死亡。25―45歳の壮年層の感染が多い。米国では八人の感染が確認された。 (共同)

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