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Seagate HDDに混入のウイルス、ネットゲームを標的に

ウイルス混入が起きた中国の受託製造業者の工場では、Seagateの調査が完了する前なのにHDDの出荷を再開している。
2007年11月14日 13時18分 更新

 Seagateの「Maxtor Basics Personal Storage 3200」が、「World of Warcraft」などのオンラインゲームのパスワードを盗むウイルスが混入された状態で出荷された。混入したHDDの台数は公表されていない。

 Kaspersky Labsがこのウイルスを「Virus.Win32.AutoRun.ah」と特定し、Seagateに通報した。このウイルスは似たウイルスを削除し、ウイルス検知ソフトを無効化する。

 このウイルスは盗んだパスワードを中国のサーバに送信する。中国の受託製造業者の工場でMaxtorのHDDにロードされた。

 Seagateは、Kasperskyがウイルスを発見する前に、「少数の」感染したHDDが販売された可能性があると認めた。2007年8月以降に販売されたHDDにウイルス混入の恐れがあるという。

 同社は、手元にあるHDDについては、販売する前にクリーンアップしていると付け加えた。

 同社はこの件の調査を続けているとし、感染を知ってすぐ、当該工場からの出荷を「迅速に」停止したと声明文で述べている。だが、現在この工場から出荷中のHDDはクリーンな状態にあるとも述べており、矛盾があるように思える。

 調査が完了する前に問題の受託製造業者から製品を出荷している理由についてSeagateに聞いたが、本稿掲載時までに回答はなかった。

 SeagateはMaxtor Basics 3200のウイルスをスキャン・駆除するためのソフトを60日間無料ダウンロード提供している。このウイルスを駆除できるほかのウイルス対策ソフトの一覧も自社サイトで公開している。

 このウイルスは、World of Warcraftを除いては、主に中国のゲームを標的にしている。標的となっているのはWSGame、91.com、QQ、Woool、rxjh.17game.com、TianLongBaBu、AskTao、Perfect World(完美世界)、World of Warcraftと伝えられている。

関連キーワード

ウイルス | ハードディスク | 中国 | Kaspersky


原文へのリンク

[Lisa Vaas,eWEEK]

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