2009年4月25日15時5分
大阪市西淀川区の市立佃西小学校4年、松本聖香(せいか)さん(9)とみられる遺体が山中に遺棄されていた事件で、聖香さんと同居していた小林康浩容疑者(38)=死体遺棄容疑で逮捕=の6歳の息子が大阪府警の捜査員に対し「(聖香さんが)長い間マンションのベランダに出されていた」と話していることが府警への取材でわかった。
府警によると、小林容疑者は逮捕時の取り調べに対し、「ベランダに(聖香さんを)放り出し、朝になって様子をみると動かなくなっていた」と死亡時の状況について供述し、「しつけのつもりだった」と話したことが明らかになっている。こうした点から、府警は長時間にわたって閉め出す虐待が常態化していた疑いがあるとみて、死亡との因果関係を調べている。
聖香さんは母親の美奈容疑者(34)、内縁の夫の小林容疑者とその息子との4人暮らしだった。
捜査関係者によると、男児は「(事件前に聖香さんが)ベランダに出され、中から鍵をかけられたことがあった」と話し、「そのまま外でご飯を食べてることもあった」などと語っているという。こうした行為は、小林容疑者が主導していた疑いがある。
近くに住む女性によると、聖香さんの自宅マンションのベランダの手すりには、1カ月ほど前からすだれがかけられ、外からはベランダの様子が見えにくくなっていた。この住民は「夏でもないのに変だな」と思ったという。聖香さんは3月11日から学校の欠席が続いていた。
ベランダ付近からは小林容疑者とみられる男の怒鳴り声や聖香さんとみられる女児の泣き声がよく聞こえ、住民の間で「虐待ではないか」とうわさになっていた。
また、司法解剖では死因が「不詳」とされており、府警は聖香さんへの直接的な暴力だけでなく、室外への放置が衰弱などにつながった可能性についても調べる。