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道立紋別病院問題、高橋知事が理解示す〜「移管の方向性で協議早急に」
(4月25日付け)
 宮川良一紋別市長ら西紋5市町村の首長は23日、道庁3階の知事会議室を訪ね、高橋はるみ知事に「北海道立紋別病院の移管に係る協議について」と題した協議書を手渡した。同病院の運営を西紋5市町村による「広域連合」(仮称)で引き受けたいとするもので、医師確保と老朽化が進む病院施設の建て替え、さらには運営が軌道に乗ると予想される建て替え後10年までの運営赤字補填などを求める内容。高橋知事は「地域医療を道も協力して守るという、新しい形の提案」と評価し「移管という方向性の中で議論を早急に進めてまいりたい」などと述べた。初めての知事との協議を終えた宮川市長は「前向きに受け取っていただいたと感じている」と印象を語った。実現すれば道内初の広域連合立の病院となる。
 今回の知事との協議は、西紋5市町村がこれまで重ねてきた内部協議の結果を、初めて道に示すという大きな節目の意味を持つ。
 提案書を高橋知事に手渡した宮川市長は、平成16年には23人いた常勤医師が10人まで減少し夜間・休日の2次救急体制が維持できなくなっている現状や、これまで進めてきた西紋5市町村での協議の概要などについて「2次救急体制の確保・再開は地域住民の生命を守る観点から、いま一番の懸案」「道立紋別病院を西紋5市町村に移管していただき、医師の処遇を改善し体制の整備を図り、新たな病院として公設公営で運営していくことが地域住民の健康を守るためには必要との結論に達した」などと説明。最後に「提案内容については今後の協議で決まっていくと認識していますが、地域としては一刻を争う重大な問題。早急な協議決定をよろしくお願いします」と要請した。
 これに対して高橋知事は「医師不足の中で道立病院自身も大変苦労し、地域の方々にご迷惑をおかけしており、私どもも何とかしたいという思いを強く持っていた」と前置きし、提案について「地域の医療を地域の皆様と、そして我々道も、もちろん協力する形で、しっかりと守っていくという、全道的にも新しい提案」と評価。「移管という方向性の中で議論を早急に進めてまいりたい」などと理解を示した。いっぽう具体的な協議項目については「過去の移管の前例もある。地域の他の医療機関との役割分担も踏まえ、できるだけ早く検討、協議を進めたい」と今後の協議にゆだねる考えを示した。
(高橋はるみ知事に提案の概要を説明する宮川良一紋別市長(写真手前)=写真=)

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