群馬大付属病院で03年12月、脳手術を受けた渋川市の男性(68)が寝たきりになったのは手術中のミスが原因として、男性の家族が同大を相手取り、慰謝料など約3045万円の損害賠償を求めた訴訟で、前橋地裁(松丸伸一郎裁判長)は24日、原告の請求を棄却した。
判決によると、男性は03年7月、飲酒中に倒れ、脳の血管内に脳動脈瘤(りゅう)が見つかり、同年12月、同病院で脳手術を受けた。手術中に動脈瘤が破裂し出血。その後、脳梗塞(こうそく)となり、左足まひや認知症などの後遺症が残って寝たきり状態になった。
争点となっていた執刀医の過失について、原告側は「医師が注意義務を怠り、術中に動脈瘤を破裂させた」などと主張したが、松丸裁判長は「執刀医の手術は乱暴なものではなく、不適切とは認められない」などと退けた。【鳥井真平】
毎日新聞 2009年4月25日 地方版