09.3.21 奈良県生駒市にて倒れた男性、6病院搬送不能死亡(1)
<09.3.28 朝日新聞奈良版より>
「6病院搬送不能死亡」 奈良県内2次救急当番病院も
奈良県生駒市で21日、勤め先で突然意識を失って倒れた新聞販売所従業員の男性(62)が、県内の6病院・医療施設に受け入れを断られ、通報から約1時間後に大阪府内の病院に搬送後、死亡していたことがわかった。
生駒消防本部などによると、21日午後1時40分ごろ、新聞販売所から「男性従業員が急に倒れた。意識がない」と119番通報があった。約5分後に救急隊が現場についたとき男性は呼吸も脈もあったが、救急車に乗せてから心肺停止状態になった。隊員は電話で救急専門医の指導を受けながら蘇生措置を続けると同時に搬送先を探したが、「ベッドが満床」「処置がむずかしい」などの理由で同市や隣の奈良市などの6施設に断られた。
男性は午後2時40分ごろ、大阪府大東市の病院に運び込まれたが、約30分後に死亡が確認された。死因は不明という。受け入れを断った病院には、当日の2次救急の当番病院や救命救急センターを持つ病院もあったという。
奈良県内では06年8月、入院中に意識不明になった妊婦が奈良、大阪の19病院に受け入れを断られて8日後に死亡。07年8月にも、かかりつけ医のいない妊婦が下腹部の痛みを訴えたが、11病院に断られて死産している。
生駒市は、196床の総合病院が05年3月に廃院になったのを受け、救急医療に重点を置く新病院の建設計画を進めているが、地元医師会からは「計画は既存の医療機関の崩壊を招く」「現在の態勢を強化すれば対応できる」といった意見が出ている
コメント