2009年4月25日8時1分
共産党員の増加を取り上げた記事「ルポにっぽん 解雇…そこには共産党」(1月11日朝刊1、2面、筆者・高橋純子記者)をめぐり、記事に取り上げられた奈良県川上村の元森林組合長(85)から人権救済の申し立てがあり、朝日新聞社の「報道と人権委員会」(PRC)は24日、記述の一部は「事実として認めることができなかった」などとする見解を出した。人権委は、朝日新聞社に見解で示した判断を踏まえた対応を求めた。これを受け、朝日新聞社は本日付の2面に「おわび」を掲載した。
問題になったのは、記事の末尾で紹介された川上村の選挙情勢に関する部分。元森林組合長(以下、元組合長)は、「記事に書かれているようなことは言っていない。共産党を支持しているかのような誤解を受けた」と、元組合長に関する記述について事実や思想信条に反すると主張していた。
一方、筆者が所属する朝日新聞政治グループは、元組合長と、元組合長を紹介した共産党村議が同席する場で、双方の了解の下に取材した結果に基づく記事だと主張していた。
人権委は、当事者からのヒアリングに加え、関係者や村民から現地で聞き取り調査した。
主な争点になったのは、元組合長が次期総選挙で、「選挙区は民主、比例は共産」という「選挙協力」を主導しているとする記述。衆院奈良4区では民主党から川上村出身者が立候補を予定している。見解はまず、この候補者を支持している元組合長が昨年9月ごろ、懇意にしている共産党村議との間で「選挙区は民主、比例は共産」などという話をした事実はあるが、この際の話は「個人的な票のやりとりのことであり、組織的な協力の話ではなかった」と認定した。
さらに、「取材の場で選挙協力について話が及んだ可能性がある」としながらも、その場で協力の具体的な内容が詰められていないこと、取材後も裏付け取材が行われていないことを指摘した。