息子の就職した会社は、部品の塗装などをする本社と修理をする支社に分かれています。
数ヶ月の研修のあと、息子は修理を担当している支社に配属されました。
仕事に慣れるまではと、駅まで送り迎えをしていましたが
配属されて少し経ったころ、息子の様子が暗く元気がありません。
どうしたのか聞くと、同期の人と比べて仕事が出来ないでことで肩身の狭い思いを
しているとのことでした。不運にも、私の心配は現実となってしまいました。
息子に「会社を辞めるの?」と聞くと「今の修理もろくに出来ないままじゃ、どこに行っても
同じだしだから辞めない」と答えました。息子なりに自分で答えを出しています。
何時も、本人のやる気に任せてきましたが見捨てた訳ではありません。
それからは毎日、送り迎え車の中で息子の愚痴を聞いてあげる事にしました。
ただ聞くだけです。この局面をどう乗り切るかは息子しだいです。
仕事が出来ない息子はその後洗車に回されますが「修理が出来ないんだから仕方がないよ。
仕事があるだけまだマシだから」と洗車の仕事を嫌がる事はありませんでした。
入社して一年目の終わりごろに移動があり、同じ敷地内にある今の部署へ移る事になりました。
ここで定年退職した後、契約社員として働いている人のアシスタントをすることになります。
職人気質の気難しい人ですが、気難しい人間は私の父で慣れているので苦にならなかったようです。
仕事を教えて貰えるチャンスを得た息子は必死になって覚えていきます。
真面目で丁寧な仕事が認められたのか、最近では一台の車を一人で修理するまでになりました。
バイトの経験の無い息子は、仕事をしてお給料をもらうようになって初めて
その大変さを理解したようです。
仕事をしながら、家事全般や子育てをしていた私の苦労をやっと分かってくれました。
当たり前のように出して貰っていた学費やお小遣いが、大きな金額だったことも分かったようです。
息子に人生はまだ始まったばかりで、これからもいろいろな事が起きると思いますが
そんな時に自分の力で乗り越えていくだけの力を、身に付けて欲しいと思っています。
今の私の目標は「息子に家から独立をして貰いたい!」です。
経済的には独立をしていますが、親と一緒に暮らしていると甘えがあります。
心身ともに、親離れをして貰いたい!のですが、給料明細をみるとまだ無理かな・・・(汗
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