男性重体訴訟 医療法人に賠償命令「治療受ける権利侵害」

 シンナー中毒で入院した秋田県男鹿市の潜水作業員の男性(35)が意識不明になったのは、医師らが適切な治療を怠ったためだとして、潟上市に住む男性の母親が同市で病院を運営する医療法人に約1億2400万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、秋田地裁は24日、法人側に110万円の支払いを命じた。

 鈴木陽一裁判長は「医師らは心停止や脳障害を予見し得たが、その時点で適切に治療しても確実に回避できたという証明はされていない」と指摘。その上で、血液浄化療法をしなかったことについて「医療水準にかなった治療を受ける権利を侵害され、多大な精神的苦痛を受けた」と認め、男性が自らシンナーを摂取したことなども考慮し損害額を算出した。

 判決によると、男性は2002年4月20日、シンナー中毒で法人運営の病院に入院し、22日に心停止して脳に障害が生じ、現在も意識が回復していない。
2009年04月25日土曜日

秋田

社会



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