2009.04.23 Web posted at:  21:08  JST Updated - CNN
サイエンス

過激化する動物実験反対運動、UCLA研究者が対抗デモ

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動物実験をめぐって対立する研究者グループと動物愛護団体

ロサンゼルス(CNN) アースデイの22日、動物実験を行っているカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)の研究者と、動物愛護団体がそれぞれロサンゼルスの街をデモ行進、「科学のために立ち上がれ」「UCLA、今日は何匹動物を殺した」というスローガンが交錯した。

UCLAグループを率いる研究者のデビッド・ジェンチさんは先月、自宅に停めてあった車に放火され、動物愛護活動家の団体が犯行声明を出した。「これは脅迫目的のテロ行為だ」とジェンチさんは憤る。

UCLA研究者の自宅や車が襲われた事件は2006年以来、7件に上る。米連邦捜査局(FBI)のテロ対策班が捜査を続けているが、まだ容疑者の逮捕には至っていない。「けが人が出るのは時間の問題だ」とFBI幹部は危惧(ぐ)する。

これに対し、愛護団体「ラストチャンス・フォー・アニマルズ」の創設者クリス・デローズさんは「(動物愛護活動家による襲撃で)人が死んだりけがをしたことは1度もない」と強調。悪いのは研究者だと主張し、研究者宅などの襲撃を容認はしないが非難もしないと話した。

「活動家があのような行動に出るのは、誰も耳を傾けてくれないからだ。この国では大学や病院で年間1億匹以上の動物が殺されているのに」とデローズさん。

一方ジェンチさんは、実験動物を使った研究のおかげで医学が発達し、人間のためになっていると指摘。UCLAによれば、乳がんやパーキンソン病の治療、人口心臓技術などが進歩したのも実験動物のおかげだという。

ジェンチさんは薬物中毒患者の治療研究に携わり、覚せい剤を注射したサルの脳を調べている。実験動物の扱いを定めた規則は忠実に守っているといい、脅迫行為を受けても屈することはないと語気を強めた。

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