自民党内で次期衆院選の政権公約(マニフェスト)に世襲の新人候補の立候補制限を盛り込むべきだとの声が出ていることについて、21日の閣議後の記者会見で世襲議員の閣僚から異論が相次いだ。
鳩山邦夫総務相は「私たちまではいいが、後はだめっていうのは絶対いかん。愚の骨頂。親あるいは祖父が国会議員だったら、出ないというんだったら格好良いんじゃないか。まず隗(かい)より始めよだ」と述べ、仮に世襲を制限するのであれば、現職にも適用すべきだとの考えを示した。
森英介法相は「大正13(1924)年から私の一族で議席をいただいている。世襲だからただちにいけないとはまったく不合理な話」と批判。金子一義国土交通相は「あまり意味のある議論じゃない」と不快感を示し、塩谷立文部科学相も「基本的に制限は憲法違反」と反発した。
同日は若手議員らでつくる「自民党を刷新する第三世代の会」が党本部で世襲制限に関する勉強会を開催。講師役の菅義偉選対副委員長が世襲制限と議員定数削減の実現を主張すると、参加者からは「公正な競争を保つべきだ」などの賛成論が大勢を占めた。
立候補制限に多くの世襲閣僚が否定的な中、小渕優子少子化担当相は「他の可能性のある方の出馬を摘んでいるとか、ずいぶんげたを履かせてもらえている部分も正直ある。議論を見守り、賛否を真摯(しんし)に受け止めていきたい」と語った。
毎日新聞 2009年4月21日 20時07分