【酒場のたわごと】本館

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【明けゆく空】<不倫・番外>

明日、adocyanさんとミニミニオフ会。
さて、それまでに幾つ書けるか。つーて、寝ますけどね。普通に。


初詣ネタ短編一つ目。
たわごと別館掲載の「不倫」から→http://mana4610.blog95.fc2.com/blog-entry-25.html

【明けゆく空】<不倫・番外>


「う〜、寒びー。こんなに早く来る必要あんのかよ?」
「いい場所とられちまうじゃん」
そう云って、浩二は笑うが、たかが近所の橋の上。しかも、来てるのは中坊のガキばっかだ。
初日の出を見に行こうと提案したのは、浩二だ。
ねーちゃんの彼氏は、俺も一緒に、年末年始を過ごそうと提案してくれたが、俺だって馬に蹴られるのはごめんだ。こんなデカイこぶつきのねーちゃんと、一緒になってくれると云う、貴重な男を、俺の所為で逃すわけには行かない。
そんなときの、浩二の申し出は、断る口実には絶好で、俺はうなずくしかなかった。

だが。
「こんな朝早いとは聞いてねーぞ」
「だから、明けて来たら、人一杯だって!」
いくら何でも五時半に迎えに来るとは聞いてなかった。急いで用意したから、ダッフルコートの下は、長袖のTシャツ一枚だ。マフラーは辛うじて巻いているものの、寒さが身に染みる。
東の空はまだ真っ暗で、初日の出までなんか後何時間あるんだー?ってカンジ。
「いーじゃねーか。こんな風にお前と出掛けんのなんか、後、何度あるか判んねーんだぜ」
「まぁな」
今だって、大学受験真っ最中の浩二に、余裕なんかある訳ねー。就職がとっくに決まった俺より、切羽詰ってる筈だ。多分、今日だって、俺がねーちゃんの恋人に、遠慮してんの知ってて、誘ってくれたんだろう。
こいつのさりげない優しさは、時々俺の心を見透かしているような気がする。

ポケットに突っ込んだ缶コーヒーを取り出して、一口飲む。今でこそ暖かいが、これだって、すぐに冷めちまうだろう。カイロでも、持ってくるんだったな。

しばらくすると、ざわざわと人の気配がし始めた。さっきまでの中坊の馬鹿騒ぎの声しかしなかった橋の上に、ばばあ連中の声が混じる。近所の連中が集まり始めたんだろう。
空がうっすらと青みを増した。
はっきりと判る速度で広がって行くそれに、隣にいたカップルが声を上げる。
「きれー。ねぇ、きーちゃん。初日の出ってさー、いつもよりトクベツ明るい気、しない?」
「え〜、そんなこと無いだろー?」
「そーかなぁ。きっと皆で見てるからだと思うんだよねー」
へへっと、照れくさそうに笑った、オンナノコの頭を、男が包み込むように抱き寄せた。

俺はふっと明るくなる空を眺めながら、今頃どうしているのかと考える。
大人な俺の恋人は、所帯持ちでは無いが、親が死んでからずっと妹や弟と助け合ってきたのだそうだ。そんなあの人が、年末をどう過ごすかなんて決まっている。
嫁に行った妹は実家に帰って来ているだろうし、家族水入らずで、今頃は初詣にでも出掛けているだろう。
すっかり冷めたコーヒーを飲みながら、俺はじっと明けていく空を眺めていた。

「ツトム、ほら、昇ってきたぞ」
俺の肩を叩いて、浩二が声を上げる。
埋立地のビルの間から、まぶしい光が差し込んでいた。
写メの音があちこちで上がる。浩二も写メを構えて、それを写していた。
「もう、いいだろ。寒みーからさ。行こうぜ」
「OK」
振り返ると、橋の歩道は、いつの間にか人だかりで一杯になっていた。
「すげぇ。いつの間に集まってたんだ?」
「だから、云っただろ! 場所取りあの時間で正解!」
「だな」
俺たちは笑って、その歩道を降り始めた。
「おい、浩二。どーする? あったけーモン食べてーからさ、うどん屋でも行くか?」
さすがに身体は冷え切っている。
「んー。うどん屋より、駅前のファミレスにしねー?」
どうやら、浩二はがっつり食いたいらしい。俺もそれに異存は無かった。
二人して、駅前に向かう。
途中、浩二の足が止まった。
「遅せーよ」
「悪い」
ぶすっと云った浩二に、真正面に立った男が、頭を下げる。
背はそんなに高くないが、がっちりとした大人の男。
「耕一さん?」
始発は走っているし、今日は初詣対応で駅の始発は異様に早い。車の無い耕一さんでも、ここには充分に来れる。だが、どうして?
「お前と初詣に行こうと思ってな」
「でも、家族水入らずじゃ……」
「義理は果たした。ちゃんと、二年参りには行って来たぞ。弟も早く恋人のところへ行けってさ」
耕一さんの広い胸が俺を抱き寄せた。
冷えた身体が、暖かい体温に包まれる。
「お前はいつも、俺の家族に遠慮してるだろう? それを察してやれない俺も鈍いんだろうが。浩二くんが電話をくれた」
「浩二が? どうして?」
「最初、会ったときに免許証見せてもらっただろう? 俺、数字は覚えるの得意なんだ」
俺が云ってるのは、そういうことじゃなくて――――。
「いいから、行って来い」
浩二が俺の背中を押した。俺の肩を抱いたまま、耕一さんが歩き出す。
「せっかく逢えたんだ。無粋な詮索はするな」
「う、うん」
イマイチ、俺の悪い頭では、要領を得ないが。とりあえず、耕一さんは俺といてくれる、ってことだ。
ポケットで携帯が震えた。
取り出すと、メールが一通。
『お前の幸せ祈ったからな。俺の大学合格祈って来い――――浩二』
さっきの初日の出の画像に、あけおめ!と書いてある。
俺は出そうになる涙を堪えて、耕一さんの腕に顔を伏せた。
「感激するのはいいが、俺より浩二がいいとは云い出すなよ」
「馬鹿」
うん、俺、幸せだよ。浩二。


<おわり>



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【祝福の夜明け】<憧憬番外>

今年もあますところ、あと、数時間。
大掃除も済ませた、オードブルも作った。お年賀の発送も終わった!
で、年越し祭りだ!

しつこくもう一話。「憧憬の王城」で。


一年の終わりは、この山の寒さがぬるくなる頃にやってくる。
朝晩はまだ冴えた空気に、震えるものの、そろそろ木々が芽吹く気配を見せていた。

「ドラテア。迎え年の儀式って、子供たちも一緒にやるのか?」
俺は、震えながら、隣にいるドラテアに訊ねる。
一族の連中はともかく(奴らは毛皮で暖かそうだ)、俺と同じ身体の筈のドラテアは、薄いドレス一枚だ。よく、寒くないと思う。
「一年の始まりは、命の始まりでもある。森が目覚め、若木が伸びる。子供たちの成長を祈るのは当然だと思うが?」
「成程」
確かに、その通りだ。星術師と呼ばれる術師たちは、星を読むだけでは無く、祝福を与える儀式も執り行う。
その中には、一族の子供たちもいれば、普通の人の子供もいる。
「夜明けと同時に、出発になる。セイ、俺たちは先に行くぞ」
アデイールに促され、俺たちは、暗い中を星宮に向かって歩き始めた。
『星宮』というのは、以前に星術師の塔があった場所だ。
山頂に位置し、今では、こういった儀式のときにしか使われていないらしい。
今日の俺の役割は、ドラテアに代わって、子供たちに祝福を与えることだ。
『セスリム』としての、役割にも段々と慣れてはきたが、やはりこういうのは、気恥ずかしい。
「アデイール。本当に俺でいいのかな?」
「もちろん。子供たちは皆、セイのようになりたいと願っている」
まっすぐな視線で俺を見つめるアデイールの瞳に、嘘は無い。だが、それは買いかぶりすぎだ。アデイールはいつも、俺を完璧な大人だと思い込んでいる。
「セイ。また、迷っている?」
「お前が思うほど、俺は強くもなければ、優しくも無いぞ」
苦い想いを噛み砕いた。言葉にすると一層、その気持ちは強くなる。
「セイ」
アデイールが、包み込むように抱きしめてきた。暖かな胸は、すっかり大人の雰囲気を漂わせている。
「アデイール」
呼びかけると、そっと口付けが降りてきた。
激しくなるそれに応えながら、俺ははっと気付いて身を離す。
アデイールと二人だけで歩いているような気分でいたが、当然、後ろからは付かず離れずの距離で、近衛の兵が歩いてくるのだ。
そのまま、押し倒されそうな雰囲気に、俺はキッとアデイールを睨み付けた。
「これ以上は駄目だ!」
「解った。城に帰ってからにしよう」
恥ずかしい台詞を堂々と云い放つアデイールに、俺は返事もせずに、前へと歩を進める。こんなときに何か反論するのは、墓穴を掘るのに他ならない。
気持ちを切り替えて、山頂を目指す事にした。


歩いていると、段々と温まってくる。月明かりの中、二人とも、無言で歩き続けた。
目の前がぱっと開けたような感覚があった。
低木がぽつぽつと生えるトレクジェクサの山は、視界が遮られることなど無いはず。
俺は、目を凝らして、目の前の風景を見た。
月明かりに浮かび上がる、白い塔。その上に、大きな月が掛かっている。まるで、塔の上から手を伸ばせば届きそうだ。
その前庭には、一面を覆い尽くすように、白い花が咲き乱れている。
それが、視界を明るくした原因だと、俺は思い至った。
アデイールが群生している花を手に取り、一輪、摘む。
「我がセスリムは、貴方だけだ。セイ」
差し出された花は、真っ白な一片の大きな花弁の花だ。
セスリムの花。
儀式のように差し出されたそれを、俺はそっと胸に抱いた。
迷うことの無い瞳。俺は、何度もそれに自信を貰う。
愛の言葉より、確かなものがそこにあった。

「子供たちに、一輪ずつ手渡して欲しい」
「解った」
気恥ずかしさは、まだ残るが、迷いは無い。
月は中空に掛かったまま、太陽の光に白んでいく。
子供たちが上ってくる頃には、すっかり朝焼けも失せているだろう。
皆が成長していくとき、俺やアデイールはもういないかもしれない。
それでも――――


「セイさま!」
一番乗りの子供が駆けてくる。
まぶしい笑顔に祝福を。


<おわり>



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【温泉旅行】<5>

目次はこちら


「外された?」
「ああ。独立戸籍って奴。今は、引越しなんかで簡単に出来るらしいけど、同じ都内で引越しするのに、本籍を移す奴なんかいないって、区役所の人が驚いてたよ」
九州や北海道の人間が、東京へ移り住むときに、本人だけが本籍を移すのはあるらしいし、それは役所も勧める傾向にあるようだ。
結婚や離婚、出産などで、本籍が必要な場合に、また田舎へとりに行くのは面倒であると共に、手間が掛かる。
だが、同じ二十三区内。しかも、引越しするのは未成年だけとあっては、区役所の職員が首を捻るのもうなずける。
幾度も念を押す役所の職員を、俺はさっさと急かして手続きを終えたものだ。
英次が、そっと俺の肩を抱き寄せる。
俺は、暖かい腕に、抱きしめられるままに身を寄せた。


「おはよう。ヒロ」
にっこりと微笑んだ香澄おばさんに、俺は落ち着かなく視線を彷徨わせた。
後からやってきた佐伯は、大あくびをして、寝不足であることを示す。
俺は居たたまれない気分だった。
「おはようございます」
朝食は、部屋へと運び込まれている。
俺は覚悟を決めて、佐伯と揃って席についた。多分、聞こえている部屋もあったはずだ。
焼き魚、味ノリ、生たまご、おしんこに、味噌汁と云う、典型的な旅館の朝食をもくもくと食べていると、悠里がちらちらと此方を盗み見るのに気付く。
しまった。悠里にも聞こえてたか。いくら、恋人がいるとは云え、高校生には刺激が強すぎると、おばさんに怒られてしまうかもしれない。
ハイネックのセーターで良かったよ。
「ヒロ、今日は何処に行こうかしら?」
「登山鉄道と、ロープウェイ。それに、芦ノ湖の遊覧船なんてどうですか?」
「ああ。いいわね」
おばさんの了解を得て、皆が出掛ける支度に掛かる。俺と佐伯は既に着替えていたので、そのままその場で茶をすすった。大体、ポケットの中に財布とタバコさえ入っていれば、何時だって出かけられる。
お茶菓子を摘んでいると、香澄おばさんがじっとこっちをみていた。
「うん。いい顔になったわね」
「え?」
俺が思わず聞き返すと、にっこりと笑う。
「夕べ嫌な顔してたわよ。うちの息子も役にたったみたいで良かったわ」
さすがに顔に出ていたか。まぁ、叔父貴との確執は、自分の中のトラウマと直結しているだけに、動揺しやすいのは判っているんだが。
「あ、悠里……」
もしかして、悠里が俺を気にしていたのは、声が聞こえた所為では無くて。
「あの子もそういうの、鋭いから。でも、元気になって良かったわ」
「当たり前。恋人にあんな顔させとく訳ないだろう」
いけしゃあしゃあと云う佐伯に、俺は半ば呆れ、だが、少しだけ感動した。
うん。俺の恋人がお前で良かったよ。
「さ、邪魔者は退散」
「か、香澄おばさん…」
くすくす笑って立ち上がると、香澄おばさんは隣の部屋へと姿を消した。
それを待ちかねたかのように、佐伯が俺の腰を引き寄せ、深く口付けてくる。
隣室には、親兄弟がいると云うのに、まったく困った男だ。
少しだけ、それに応えてから、俺はぱんと音がするくらいに、佐伯の額を叩く。
恥ずかしいんだよ。
「何時、戻ってくるかわからないんだぜ?」
「うん。悪い。でも、可愛いからさ、つい、な」
この男は、いつも俺なんかを可愛いと云ってはばからない。可愛いというのは、悠里とか、男なら圭くんとか真幸とか、ああいう奴らのことを云うんじゃないのか?
相変わらず、腐った頭だ。
がらりと襖が開いて、俺は突き飛ばすような勢いで、佐伯から離れる。
そこには呆れた顔をした佐伯兄弟が並んでいた。
「あのな、久世くん。そんなに恥ずかしがらなくてもいいだろう? 俺たちはとっくに君と英次のことは知ってるんだぞ」
「はぁ。それは解ってるんですが、反射的に、つい」
俺はもごもごと口の中で言い訳を並べる。
「あのな、久世くん。いや、俺もオフクロみたいに、ヒロって呼んでもいいか?」
「別に構いませんが…」
真面目な顔で云う総一さんに、俺は思わず身構えた。
「ヒロは、英次と付き合っているのを恥ずかしいと思ってる?」
「いえ、別に」
「じゃ、ゲイだと知られるのが恥ずかしい?」
「それも別に」
確かに、目の前でどうこうは勘弁して欲しいが、それはゲイだとかストレートだとかの問題では無く、当たり前の羞恥心と云う奴だ。
「じゃあ、何でなんだろうな。俺にはヒロは極端に何かを怖がっている風に見える」
「ああ。俺、ゲイだって分かって家追い出されたんで、多分、その所為かな? あんな風に人が変るのを目の当たりにすると、やっぱ怖いんすよね」
正直なところだ。結局、味方になってくれたのは妹だけだった。
「そうか」
総一さんはうなずいて、それ以上突っ込んでこようとはしなかった。
俺、いろんな人に心配かけてるな。
思わず、下を向いた俺の手を、横から大きな手が包み込む。はっとして隣を見ると、俺の恋人はテーブルの下で俺の手を握ったまま、素知らぬ振りで新聞に目を落としていた。
その手をしっかりと握り返し、自分に云い聞かせる。
英次は俺の隣にいてくれるのだ、と。


その日も一日遊びまわり、疲れた身体を引きずって、旅館に戻ったのは、既に夕刻だった。
悠里ははしゃぎまわり、総一さんがそれを追い掛ける。それを、うらやましげに涎たらして見ている佐伯を、俺は横合いからどつき倒した。
当たり前だ。アレをやりたいなぞと云ったら、俺はその辺に穴掘って埋まるぞ。

「あの、ヒロ兄。まさかと思うけど、一緒に風呂行くつもり?」
長兄・次兄にならって、五実は俺をヒロと呼ぶ事にしたらしい。ヒロ兄か、悪くない響きだ。
「あん? 一日観光終わって、旅館に帰って来たんだぞ。風呂行くに決まって…」
居心地悪そうに、浴衣に着替えた俺の胸元から視線を逸らす五実に、俺ははっとして前を掻きあわせる。しまった! 忘れてた!
「と、云うわけで、俺とヒロは、部屋風呂」
佐伯は云うなり、俺をずるずると引きずって個室へと戻ってきたが、俺の腹は収まらなかった。
「だから、云っただろう! 跡付けるなって!」
「お前、思いっきりナチュラルに着替えてるから、俺はホントに見せつける気かと」
「んなワケねーだろ!」
馬鹿野郎! 誰がそんな恥ずかしいマネするか!
「せっかく温泉来てんのに!」
「ここだって温泉だろ? いーじゃねーか。二人っきりで、さ」
ウインクするのが、気障ったらしいくらいに似合っている。
俺ははぁ〜とため息を吐いて、肩を落とした。
どーせ、こいつには敵わない。いや、口にすることは多分無いが、俺、やっぱりコイツに惚れてるんだよ。
仕方が無いというポーズは照れ隠しの縁起だ。とっくにバレてるんだろうな。
「とりあえず、風呂だ、風呂!」
もう、これ以上は墓穴を掘るのは確実。
俺はさっさと風呂へと向かった。


大浴場のそばにある売店を見ながら時間を潰す。
一緒に入ろうなんぞと戯けたことを云う佐伯を追い出し、先に風呂を使った俺は、とっとと佐伯を部屋に置き去りにしてきた。
女性陣を待って、時間を潰している総一さんと五実と合流する。
今日はフランス料理だと云うので、五実と俺は普通にセーターとジーンズだ。いや、あの袖を気にしながら飯を食うのは、結構気骨が折れる。特に、ナイフとフォークだと尚更だ。
総一さんだけは浴衣だが、それもきちんと着付けられていて、よく温泉旅館で見る、適当に着崩れた感じはまったくない。帯の結び方が違うんだよ。
「なー、ヒロ兄。会社の土産って何にした?」
「俺のとこは女が多いから、ケーキにした。機嫌よく仕事してもらうためなら、安いもんだ」
「温泉饅頭でいいかなぁ? オッサン多いし」
五実の会社は総合警備会社だ。
「外から帰ってくる連中が多いだろう。一個ずつ包装されているのにしとけ」
「そっか、サンキュ」
五実がレジへ向かう。香澄おばさんや、佐伯はまだだろうかと、視線をめぐらせた俺は、一人の男と視線がばっちりと合ってしまった。
見間違いならばいいがと思っていた、その当の相手と、俺は無言で向かい合ってしまう。
先に目線を逸らしたのは相手の方だった。



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既刊のご案内

現在のイベント参加予定は下記となっております。


12月30日 コミックマーケット75
 2月 1日 コミックシティ福岡19
 3月 8日 J・GARDEN26
 5月 3日 コミックシティ

既刊本は以下の通りです。

「ひとよこい」¥300−
  いろいろな一夜の情景を描いた短編集。
「憧憬の王城」¥600−
  異世界オヤジトリップファンタジー
「メガネの向こう」¥200−
  メガネ二人の幼馴染は、社会人になって
「BARエルミタージュ」¥300−
  ゲイバー・エルミでの人間模様
「制服」¥500− 残部少
  腐母の会発行の、制服ネタアンソロジー。
  執筆は 水仙烏龍・梟目金色・マキノスミカ・桃山あずき・珠侑・緒芙紅
  藤重・ぴかこ・千異(敬称略)など、腐母の会初期メンバー。とアタシです。
「緑の半月」¥200−
  非BL。SFアクションハードボイルド。

いずれの作品もブログ再録です。
他の本は残部も少なくなっておりますし、オフセット再販の予定です。

なお、上記イベントには、腐母の会の委託も受けております。

通販についてのお問い合わせは、
ヤフーブログをお持ちの方は、「通販希望」とメッセージをくださるか、
ゲストブックにメールアドレスをお願いします(この際、必ず、内緒でお書き込みください)
折り返し、返信させていただきます。
また、別館のメールフォームをお使いくださっても結構です。

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あずさん、ありがと〜〜〜〜〜〜!

敬愛する マダムあず が、何と!

佐伯と久世を描いてくれました!

あの時、一緒におねだりしてくれた皆、ありがとう!
そして、もちろんあずさんにもありがとうです!
連載「温泉旅行」<1>に、画像があります。
ここのところ、腐母の会のみんなに、すごくいい目見せてもらって、何か怖いくらいです。

ココ数ヶ月で、ヤフーブログのTOPが変更になりました。
あれ、いいですね。誰が何を更新したかすぐに判って、さっと行ける。
今日も、お茶の時間に携帯でブログチェックしていて、あずさんの新着記事に「温泉」の文字が。
「温泉旅館なら冬でも浴衣だよね〜」のタイトルを見て、もしやと飛んでみると、素敵なイラストが。
すみません、主婦が忙しいこんな時期に、おねだりのあげくに強奪しました。
午後の仕事中、にやけないようにするのが大変でした。

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開設日: 2005/10/29(土)


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