【酒場のたわごと】本館

一言メッセージ :真名あきらの創作メンズラブ小説のブログです。モバイルで小説を読みたい方は、酒場のたわごと別館へどうぞ

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△WEBに置けるアラシの対処について▽

ここのところ、ブログの炎上で逮捕だの起訴だの、果てはメールやコメントで脅迫などと云うニュースを聞くのも、さして珍しいことでは無くなってきました。

まぁ、世の中不況になって、社会への不満と暇を、両方もてあましている連中が増えているのか、とも思いますがね。

とりあえず、ネット初心者の多い、ヤフーブログ。

まず、普段ネットで使用しているヤフーIDと、ブログで使用しているヤフーIDって同じですか?
同じだと云う方、すぐにもう一つIDを取りましょう。普段使用しているもの(オークションや、ショッピングなどで使用するもの。つまり生活で使うもの)と、外に向けて使用するもの(ブログや、メール)は分けて使用した方が安全です。

コメントの設定はどうなってますか?
なるべくなら「ログインしている人のみ許可」にしてください。
少なくともコメントを書き込むためには、捨てIDだろうとIDを取る手間がいります。
もし、不快な投稿があった場合は、ヤフーに即通報してください。
ヤフーによって嫌がらせやスパムだと判断されれば、そのIDは停止になります。
で、もう一度IDを取る手間が掛かるわけです。

泥棒に入る人が嫌うのは、何よりも時間と手間が掛かることだそうです。
時間が掛かれば、見つかる危険性が高いからです。

あとは、顔写真の公開。
自分自身の顔は公開していなくても、友人・知人。後は子供の写真は公開しているという人がいます。
これは止めた方がいいです。
アラシの餌になりやすいのは、何よりも個人情報です。
ある日知らない人から「貴方のお子さんは何々小学校に通っているでしょう?」なんてコメントが来たら、怖いですよね?
若い女の子なら、顔写真でアイコラなんか作られて公開されたら?
まぁ、アタシみたいな、ばばあになればそういう心配も皆無というか、作って公開しても見る人の眼の毒?(笑

URLを晒されたら? などと云う心配をなさる方がいます。
だがしかし、良く考えてください。それ、実生活に支障はありますか?

サイトの掲示板がひどい書き込みで一杯に→掲示板を閉じてください。
ブログのコメント欄が〜以下同文→コメント欄閉じちゃってください。
         ヤフーブログ以外の方は、いきなり閉じるより管理人認証を入れてください。
拍手欄など、誰でも書き込みを出来る場所は、アラシだと感じたら、まずルートを閉じる。
見なければ不快に感じることもありませんし、お友達とはメールなどで連絡が取れるでしょう?

とにかく、一人で悩まないで、周囲に相談してください。
周りに迷惑を掛けることを恐れるあまりに、孤立したり、うろたえる様をみてアラシは楽しんでいるのです。

あと、脅迫めいたコメントがあったら。
コメントは消さずに(証拠になります)、記事を非公開にしてください。
そして、迷わず、警察へ通報です。

もうひとつ。わざわざ、「ココでURLを晒されてるよ」とか「ひどいこと云われてるよ」なんてコメントがあっても、決して覗きに行かないでくださいね。
わざわざ、不快な思いを自分からしに行く必要はありませんよ。
親切めかした書き込みのフリして、誘導です。乗ってあげる義理はありません。

とにかく、落ち着いて。深呼吸して、罵倒して。気が済んだら、ネタにしてしまいましょう。
それが健全なネット生活の知恵です。

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【遥かなる星の軌道】<5>

目次はこちら


目覚めて、誠司の安らいだ顔が目に入る。
あれから、ベッドへ入って、何度も求め合った。誠司は、その間どんなことも逃すまいとするように、サディユースの反応を見極め、いろいろと仕掛けてくる。
それにサディユースは、みっともないほど素直に反応を返した。
全てをさらけ出すのは、自分の中で、どうしてもためらいがあった。それこそが誠司の不安定な要素になっていたことに、今更ながら気付く。
矜持など、あの精神の前にはどうでもいいのだと、もっと早く誠司に示すべきだったのだ。
「セージ」
髪をいとおしげに梳いて、サディは立ち上がる。
シャワーを浴びに行こうとした身体に、背後から誠司の腕が絡みついた。
『イディドルゥ。サディ』
『イディ・ドルゥ。セージ』
答えると、誠司は伸び上がって、サディに口付ける。
それに応えて、サディはベッドを降りた。

身体を洗い流していると、玄関を開く音がする。
聞こえるのは数人の話し声。今日は土曜だが、工期が迫っている現場には、基本的に日曜しか休みは無い。当然、サディも誠司も出勤だ。
「サディ」
風呂場を開けた誠司が顔を出す。
「オヤジたちが来てる。服、ここに置くぞ」
「ああ」
洗い立ての作業服とTシャツが置かれ、それを身につけた。正直、気が重い。
ドアを開けて、居間へと顔を出すと、不審そうにこちらを見る三組の瞳と目が合った。
「お久しぶりです」
頭を下げると、はっと我に返ったのは、女にしては長身の誠司の母親だ。
「サディさん。久しぶりね。今日は誠司のうちに泊まってたの?」
並んだ三人は、誠司の家族だ。母親と義理の父親。そして、片方だけ血の繋がった弟。
にっこりと微笑を投げた、母・ゆかりを別にして、中年太りのいかにもな現場のオヤジと云った風情の父親は、軽く頭を下げただけだったし、弟に至っては、父親そっくりの面差しの小さな瞳で、じっとサディを睨み付けている。
「そうだよ。今、現場が一緒なんだ。で、今日も仕事なんだけど?」
「どうして? 今日はお仕事無い日でしょ?」
小学校で友達にでも聞いたのだろう。まだ、八歳の武司に、仕事には、それぞれの特徴があることなど理解できる筈も無い。
「ごめんな。武司。俺がお勤めしてるところは土曜もお仕事なんだよ。明日じゃ駄目か?」
「うん! 明日は野球の試合があるんだ! 見に来てね!」
「ああ。それは行くよ」
わーい。と立ち上がった武司の小太りな身体が、ぴょんと誠司に飛びつく。
その暖かな風景を壊すのは、自分かもしれない。そう考えて、サディユースはぞっとした。
「母さんも父さんも、そこ退いてくれない? サディがメシ食えないんだけど?」
云われて、サディユースは、やっとそこに用意されている朝食の存在に気付く。
チーズトーストと珈琲。後はゆで卵。焼きソーセージ。いずれもボリュームがある。
朝から妙に張り切ったメニューに、サディが首を捻った。
「夕べはかなり運動したからな。腹減っただろ?」
テーブルの前から退いた家族の前で、誠司は平然とそんなことを云い出し、思わず噴出しかける。
子供の武司にはともかく、絶対に誠司の父母には意味が判った筈だ。凝視する視線を感じながらもサディは顔を上げられず、黙々と朝食を放り込むしかなかった。
朝食を終えたところで、「そろそろ、出るから」と誠司が云い出す。
問いただしそうな雰囲気の二人も、渋々と腰を上げた。
「あ、誠司。母さんが洗って…」
「いいよ。子供じゃあるまいし!」
強い口調で云い放つ誠司に、さすがに皆川がむっとした声を上げる。
「そんな、云い方はねーだろう。母さんはお前の為に…」
「俺の為? 違うでしょう?」
皆川を見る誠司の瞳は、冷たく凍てついた色をしていた。
「ここはオヤジの部屋だ。オヤジと関係の無い人を、俺の留守中に上げる訳にはいかない」
強い拒否の口調に、皆川は鼻じろんだが、これ以上云っても、誠司はより一層頑固になるだけだ。誠司の母も、引き下がる夫に習って、腕まくりし掛けた服を正す。
「誠司兄ちゃん…」
父と兄の剣幕に、泣きそうな顔になった武司が誠司の袖を掴んだ。
「ちゃんと明日は行くから、な。武司」
「ホント?」
頭を撫でられて、武司がやっとほっとした顔をする。
「ああ。約束だ」
約束。と云う言葉に、サディユースははっと思い至った。
確か、この世界に来たのは、桜の花が散るあの公園だ。
そこで自分は誠司に何を云った?
『誠司のそばを離れる気は無い』
そうあの子に約束したのでは無かったか?

「誠司。現場まで送ってやろう」
「いいよ、サディと一緒に行くから」
疎ましそうに自分を見る、皆川の視線に気付いてはいたが、サディはもう譲れなかった。
「サディ、行こう」
誰より大事な想いがそこにある。それに気付くのがあまりにも遅かった自分に呆れてしまう。振り返る誠司の笑顔が、何よりも護りたいものだ。


「サディ。話があるんだが。いいか?」
翌朝、誠司の留守中にやってきた皆川を見た瞬間、サディユースはあまりの予想通りの行動に、内心笑ってしまった。
「何ですか? 俺、留守番なので」
「手間は掛けない。玄関先でいい」
誠司は、朝、迎えに来たゆかりと共に、武司の応援に向かった。誠司は顔の造りは誠吾と似てはいるが、やはり、ゆかりと並んでも親子だと雰囲気で判る。皆川がやってきたのは、二人を見送っていくらも経たないころだ。
「はっきり云うぞ。誠司と別れてくれねーか」
やはり、そう来たかとサディは唇を噛み締める。
「勝手なのは承知の上だ。どう見ても夢中なのはウチの息子だしな。だが、あいつはまだ大学生だ。将来のこともある。金は用意してきた。あの現場にいる限り、あいつはアンタと別れるなんか承知する筈が無い。親方には俺から話をつける。だから…」
「すみません」
自分の拙い日本語で、何処まで伝わるだろう。サディは戸惑いながらも、はっきりと云った。
「俺は、セージから離れません。セージと約束したから」
「何だと? 俺がここまで頼んでもか?」
皆川の腕がわなわなと震えている。おそらくは断られるとは考えていなかったに違いない。
「はい。セージを支えたいんです」
「支える? お前なんか誠司の人生の邪魔にしかならん! アイツはいい会社で、いい仕事をして、エリートになって、ちゃんといいところの嫁さんを貰う。それがアイツのためだ!」
世間的には確かにそうだろう。それはこの世界で数年しか過ごしていない自分でさえ判る。だが、誠司が求めているのはそうではないのだ。
それが、誠司の家族には判らない。サディはそのことが悲しかった。
目を伏せたサディの態度を、承知した印だと考えたらしい皆川は、ポケットから厚い封筒を取り出した。
「さぁ」
サディの手に、封筒を握らせようとする、皆川を押し留め、サディははっきりと首を横に振る。
「俺は、セージの望みをかなえたい」
「そうか。判った」
あっさりと封筒を引っ込めた皆川に、判ってくれたのかとサディは顔を上げた。だが、皆川の顔は憤怒で真っ赤になっている。
殴られるかと思った。
現場でヘマをした職人が殴られるのは、よくあることだ。皆川もそういうタイプだった。
「邪魔したな」
ばたんと勢いよく扉が締まったときには、サディ自身にも、何が起こったのかよく判らない。どうやら、諦めて帰ってくれたらしいと、胸をなで下ろしたが、それが早計であったことは、その夜に知れることとなった。

「サド、いるか?」
夕方、誠司とくつろいでいると、今度は訪ねて来たのは親方だった。
「どうしたんですか? 渚さん」
息せき切って現れた親方に、どうしたのかと誠司も問う。
「聞きたいことがあるんだが、いいか?」
サディと誠司は目を見交わし、とりあえず、親方を通す。
余程走ってきたのだろう。出された茶をぐいっと飲み干して、親方が顔を上げた。
「サド、おめぇ、皆川ちゃんとデキてるって、ホントなのか?」
サディユースは呆然となる。誰が、親方にそんなことを。と考えて、思いつく相手は一人しかいなかった。
「本当ですよ。それがどうか?」
だが、誠司は平然としたものだ。皆川が訪ねて来たことは、当然誠司には云っていない。そんなことを云えば、この激しやすい男がどうするかなど判っているからだ。
「ホントなのか。まさか、サドが皆川ちゃんを力づくでやっちゃったとか云うんじゃ…」
親方の声は、目の前の誠司の立派な体格と、堂々とした態度を見て、段々と小さくなっていく。
「本気なんだな?」
「本気じゃなきゃ、こんなデカイ男を抱かないでしょう?」
誠司の切り返しに、親方はじっと誠司を見た。誠司は目をそらすことが無い。
「判った。なら、いい」
さっと親方が立ち上がった。納得すればそれでいいというまっすぐな気性の男である。
「待ってください。渚さん。誰がそんなことを渚さんに吹き込んだんですか?」
だが、誠司は納得しなかった。
当たり前だ。親方にとって、考えても見なかったはずの関係を、何故に今日、いきなり問いただしに来るのか?
答えは一つしかなかった。


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【武士の背中】<2>SS

若旦那×用心棒。第二弾。
用心棒が店にいつくようになる経緯を書いて見ました。




そうなんだよね。結局、自分を追い詰めないと書けない人なので、追い詰めるにはUPしてしまうしかない。

UPしちゃえば続きを書かない訳にはいかない。
そうすると、少なくても、読者はいるんだからいい加減なものを書くわけにはいかない。

最近、みんなに「えらいねぇ」って云われることが多いんですが、地味にこつこつやるのは、自分がどうしようもなく自堕落だから。そんな自分を知ってるからです。
弁当だって、散歩だってサボりたいよ?
でも、サボるとコンビニ食ばっかりになっちゃうし。あれ、結局飽きて、食べなくなるんだよね。
で、食べるのが不規則になるでしょ? 身体が溜め込む体質になって、結局太る。
散歩はね。体力を保つ為。週休3日の生活って、やっぱり身体がそうなっちゃう。
で、いざ仕事が入ってきたときに、体力持たないってことになる。
そうならない為の努力は、やっぱ必要でしょう!

いや、切実だよ。最近書くのに体力がなくなってきたもん。

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【花は桜樹】

魔窟小屋のお題。第二弾。
某和風戦隊で、いってみました。
イラストはふじPさんです。
というか、ふじPさんにおねだりされたので書いてみた。
プレゼントになるかな〜〜〜?



よく、誤解されているこの「花は桜木、人は武士」という言葉ですが。
「散り際」をあらわした言葉ではありません。
花も人もそれが一番上等なものだ。という言葉です。
人として、こうあれかしという意味ですね。


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【遥かなる星の軌道】<4>

目次はこちら


*今回15禁。御承知の上お進みください。


「サディ?」
よく通る声に顔を上げると、事務所の入り口に誠司が立っている。
「お帰り。皆川ちゃん」
「皆川くん、お帰りなさい」
「只今戻りました。監督、これ、切り文字の直しです」
呉に報告をしながらも、誠司はちらちらと視線をサディに送っていた。明らかに、何故、ここにいるんだと云わんばかりだ。
「ありがとう。もう帰っていいよ。佐渡ちゃん、待ってるしね」
「あ…」
そこで、初めて誠司の瞳がまっすぐにサディを捕らえる。そして、ゆっくりと微笑んだ。
『サディユース。イディ・ドルゥ』
誠司の唇から流れ出たトレクジェクサの言葉に、サディは目を見張る。もう、忘れているのだと思っていたし、自分も忘れようと務めてきた。
会うと、必ず交わす挨拶だ。『イディ・ドルゥ』今日の良い日を。
『じゃあ、いいんだよな? もう、帰っても』
『ああ。セージは、もういいのか?』
尚も、トレクジェクサ語で話す誠司に、戸惑いながらも釣られてしまう。
『うん。俺もこれで終わり』
振り返った誠司は、「じゃ、これで失礼します」と日本語の挨拶を交わして、呉と大宅に頭を下げた。
その顔に意地の悪い表情が浮かんでいたのを見て取り、サディは妙に落ち着かなかった。
『誠司。ああいう態度は良くないぞ』
トレクジェクサの言葉が通じるのならば、遠慮する必要も無い。今までは、なるべく日本語で会話をするように務めてきたし、そうするとどうしても細かいニュアンスは通じない。
トレクジェクサを離れて、既に六年以上の月日が流れている。
その間、なるべく日本に馴染もうとしたし、トレクジェクサのことは自分の中に収めておこうとしたのだ。
「説教は聞かないぜ!」
いきなり日本語に戻った誠司は、そう云い捨てて歩き出す。
あまりに激しい調子にあっけにとられたサディは、黙ってその後を追うしか出来なかった。


最寄り駅で降りる頃には、さっきの不機嫌はなんだったのかと云う程、誠司は機嫌を直していた。
一緒に商店街で買い物を済ませ、アパートへと帰る。
食事の用意を済ませると、向かい合わせのローテーブルに落ち着いた。
和食は、誠吾が来た頃から、少しづつ城の食卓にも、もどきが上がるようになっていたので、慣れてはいる。しかも、誠司の作るそれは、どちらかといえば、和食そのものと云うより、その「もどき」に近い。おそらくは、サディの舌に合わせているのだろう。
そういう細やかな気遣いを示す反面、今日の様に意地の悪い顔を見せることも多く、サディは、誠司のアンバランスさを持て余していた。
サディが誠司に惹かれたのは、そのアンバランスな危うさ故だ。
誠吾は身体も小さく力も無かったが、その精神は強靭なものだった。時折、弱さを見せることもあったが、それを乗り越えた後は、誰よりも力強く立っている。
だが、誠司は違う。
誠司は初めて出会った子供の頃には、背丈も誠吾と変わらぬ程あったし、異世界に来てひと月も経っていなかったというのに、言葉も使いこなし、年少の使用人たちからも頼られていた。
それが、単なる強がりだと気付くのはすぐだった。気が強い風を装い、誰よりも大人であろうとした少年。
いつも寂しげな微笑を浮かべていた。何処か諦めたように。
父親との別離さえ平然と受け入れた、誠司の心の内は、誰にも解らない。
「セージ。監督に聞いた」
「何を?」
「その、ドイツに誘われていると」
誠司の顔色がさっと変わった。サディはしまったと思ったが、もう遅い。
「ああ。誘われてるぜ。それで、行って来いって? いつまでも俺みたいなデカイ男がくっ付いていたんじゃ恋人も出来ないってか?」
「いや、そうじゃない…」
「じゃあ、何だ? 邪魔なんだろ?」
誠司は激昂するままに立ち上がった。
「いいぜ、出て行けよ! さっさと…」
それ以上の言葉を云わせたくなくて、誠司の唇を、唇で塞いだ。
抱きしめる躯は、もちろん、肉体労働をしている自分には敵わないものの、身長はいつの間にか自分と変らないくらいになっている。
「セージ」
唇を離して、誠司の瞳を見つめた。寂しさを湛えた瞳。
「ずっと、そばにいる」
目を丸くした誠司が見上げてくる。拙い自分の日本語は通じただろうか? あまりに反応の無い誠司に、サディがいぶかしがっていると、いきなり抱き締められた。
荒々しく口付けられ、口腔に舌が差し入れられる。
いきなりの展開で、どうしていいのか迷っていると、誠司はそのままサディユースに覆いかぶさってきた。
驚きはしたものの、引き離そうとは思わない。そうすれば、誠司はきっと自分のそばから離れてしまうだろう。
「約束、守ってくれるんだ」
唇を離した誠司が呟く。幸せそうに微笑むその姿を見たのは、一体何時だったのか。
「約束?」
「ううん。覚えて無くてもいいよ。俺が覚えてるから」
「セージ?」
「それより、今は…」
誠司の指がジッパーを開き、いつもと同じにサディの雄を煽り立てた。
それを今日は素直に受け入れる。その間も口付けは痛いほど絡まって、舌を吸い上げられた。
今までは、誠司が何を思って、この行為を行うのか解らなかった。だが、今なら解る。誠司は自分を求めていたのだと。
「あ、は…ッ、」
一方的にされるのが嫌で、サディは、誠司のそれにも手を伸ばしたが、その腕は寸でのところで、誠司に押さえられた。
「今日は、俺にさせろよ。初めてで下手かもしれないけど」
「セージ?」
誠司の手が半端に開いた上着のボタンに掛かった。ひとつひとつ取り去られ、いつも着ていたTシャツの裾を捲り上げられると、その下にあるのは、逞しい身体だけでは無い。
胸元や腕に生えた体毛があった。
自分たちが何処から来たのか、何処に行くべきなのか、誰も解らない。
異世界でも異質であったそれは、ここではもっと異質なものだ。
それに誠司が舌を這わせる。生え際を辿るそれに、サディの背筋が震えた。
そのまま、胸の突起にたどりついた誠司の唇が、それを食む。
今まで、誠司とするときには、誠司は決して自分の肌を見ようとはしなかったし、誠司自身の肌を見せることも無かった。
「セ、セー、ジ。もう、」
「うん。いいよ」
誠司の手の内で弾ける自分を感じて、サディユースはほうっと息を吐く。
ごろりと横になると、誠司が甘えるように胸に頭をのせて来る。頭を引き寄せると、再び唇を塞がれた。
誠司の腕が、サディユースの背中を抱き寄せる。
今日は気の済むようにしてやろうと思っているサディは、誠司が何をしても抗うことすらない。
「サディ、ホントにいいの?」
「何、?」
作業服の前をはだけられ、Tシャツはまくれ上がり、くつろげられたズボンは、半端に脱げ掛けて、足に絡まっている。
サディ自身は意識してはいないそんな格好が、誠司を煽った。
「やっぱり、解ってないんだな」
寂しげに、誠司が視線を落とす。
サディユースは、大きなため息を吐いた。
「俺を――――」
日本語で続きを云おうとして、言葉が解らないことに気付く。何と云えばいいのだろう。
『お前の番いにしたいんだろうが』
トレクジャクサの言葉で云い放つ。だが、今度は誠司が首を傾げていた。
『番い?』
『そう、番い。つまり、王とセイさまのような関係のことだ』
サディの言葉に、誠司が飛びついた。そのまま、畳へと押し倒す。
「サディユース」
ゆっくりとサディの腕が誠司の背にまわった。
「セージ」
乱暴に自分を穿つ男の動きを止めようとはしない。セージが自分をそういう目で見ていたことには驚きだが、誠司とならば、どうでも良かった。



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開設日: 2005/10/29(土)


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