暴力団組織が“仕掛け人”。西友元町店の返金騒動


 
ススキノにたむろする若者たちに小遣い銭を渡し、身分証明書を持たせた上、数百人を西友前に動員した仕掛け人とは・・・。
9月27日に契約社員の申告によって明るみになった北海道西友元町店の輸入肉の偽装表示事件。発覚した当日から同店では、偽装期間中に対象商品を買った覚えのある消費者に対して返金に応じる構えをみせたが、それが10月1日まで続く、過剰な返金騒動の引き金となってしまった。
偽装期間から推定される偽装肉の販売額が約1,400万円。それに対して若者たちが中心となった“消費者”の自己申告に基づいて29日までに返金した金額が約5,000万円。同店の偽装事件に付け込んだ不正な搾取が行われていたのは間違いないところだ。
新聞紙上やテレビのニュース番組などでは、こうした返金騒ぎに群がる若者たちの非道徳的な姿勢に対して、“北海道の恥”だとか、“道民のモラルの低下”と題し、批判記事を続々と掲載。
中には、栄養士のコメントを引っ張り出し、「若者たちが言う量を食べ続けたら栄養が偏り、異常を来たします」、「明日からは正しい食生活を心がけてほしい」といったチンプンカンプンな記事を掲載している新聞社もあったのだが…。
いずれにせよ、ほとんど報道されていない事実として、こうした返金騒動の裏側には、複数の暴力団組織の動きが大きくかかわっていたことが、BNNの独自取材で明らかになっている。
ススキノを根城にする少年グループの1人は、こう話している。
「土曜日(28日)に突然、僕の携帯に、以前から親しくしていた暴力団員から電話がかかってきた。詳しい理由は教えてくれなかったが、とりあえず身分証明書(運転免許証)を持って、仲間を集め明日の朝8時に西友元町店の前に集合しろと言われた。
わけもわからず次の日、その場所に行くと、元締めのようなオジサンがいて、小遣いをくれた。そして、西友に行って暴れて来いと言われた。自分は新聞は読まないし、テレビもあまり見ない。その時になって始めて、この偽装事件の内容を知ったんです」
返金が行われた27日から、臨時休業となった30日までの4日間で、こうした指示のもと、少なくとものべ200人以上が西友元町店の前に集められたとのこと。渡された小遣いの金額は、少ない人で5,000円、リーダー格の人間になると6万円の“アルバイト賃”だったという。
こうした一連の裏事情に関して、北海道警察本部暴力団対策課では「西友側から被害届は出されていないが、一部相談は受けている。はっきりとしたコメントは差し控えるが、この事件の背後関係は調査したいと考えている」と話している。
Vシネマなどに登場する、哀川翔や竹内力扮するヤクザは、“カタギ衆”には迷惑をかけない正義の味方。しかし、現実はこの不況の影響もあってか、カタギ衆の弱味に真っ先に飛びつく“ハイエナ”ぶりを発揮しているようだ。
同店の前に集められた若者たちは、ほとんどがこうした事情に疎く、アルバイト感覚でのもの。モラルの低下が最も顕著なのは、実は北海道のヤクザ組織なのかもしれない。







関連サイト

臨時休業でも、てんやわんや 「肉偽装」の西友元町店
http://www.bnn-s.com/bnn/bnnTopics?news_cd=220011025070

「何か起こらないかな?」西友元町店にテレビクルーが待機
http://www.bnn-s.com/bnn/bnnTopics?news_cd=220011025079

関連記事「道警の暴力団担当警部が指南する“ヤクザ撃退マニュアル” 」
http://www.bnn-s.com/bnn/bnnTopics?news_cd=220011024283






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