過労死危険状態の看護師、全国に2万人
日本看護協会は4月24日の記者会見で、「時間外勤務・夜勤・交代制勤務等緊急実態調査」の結果を公表し、全国で約2万人の看護職が交代制勤務において時間外勤務時間が月60時間以上に及ぶ過労死危険レベルの状態にあると推計していることを明らかにした。
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同調査は、国立循環器病センター(大阪府吹田市)に勤務していた看護師村上優子さん(当時25歳)がクモ膜下出血で死亡したのは「公務災害」だとした昨年10月30日の大阪高裁判決などを受けて、看護職の時間外勤務や夜勤、交代制勤務の実態を把握し、対策を促進することが目的。昨年11月から今年1月にかけて、会員名簿から無作為抽出した病院勤務の看護職1万人を対象に実施し、3010人から回答を得た。
それによると、交代制勤務をしているのは1728人で、このうち月60時間を超える時間外勤務をしている看護職員は74人。日看協では、これが全回答者の2.46%に当たることから、日本の病院勤務看護職員総数約82万人のうち、約2万人が過労死危険レベルの勤務をしていると推計した。
また、「日勤」「準夜勤」「深夜勤」の3交代勤務で働く看護職員のうち、昨年10月の1か月間に、「日勤から深夜勤」、「準夜勤から日勤」などで出勤間隔が6時間以下になったことが「ある」とした人は、57.9%に上った。
村上さんがクモ膜下出血で死亡したのは「公務災害」だとして、両親ら遺族が国家公務員災害補償法に基づく遺族補償の支払いを国に求めた行政訴訟の大阪高裁判決は、「村上さんの業務は、量的な過重性に併せ、質的な面から見ても過重で、クモ膜下出血の発症には公務起因性が認められる」などとして、公務災害と判断した一審の大阪地裁判決を支持した。国は11月13日に上告を断念し、判決が確定している。
更新:2009/04/24 20:47 キャリアブレイン
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