「珍しいケース。あまり聞いたことがない」
そう首をひねるのは、元検事の弁護士、大澤孝征さん(63)。通常、公然わいせつ事件では、犯行現場が自宅、などという特殊ケースを除くと家宅捜索は行われないという。
日大名誉教授(刑法)の板倉宏さん(75)も「普通、家宅捜索には入りません。今回のケースは、案外(処分が)厳しいことになるのかもしれないですね」と話す。
捜査当局があえて家宅捜索に踏み切った背景について、大澤さんは「容疑者の常習性や変わった趣味、趣向がないかを調べたのではないか。例えば、自分の全裸を撮影した映像がないかなどですね」と分析。
実際、変わった手口のわいせつ事件が起きた場合、容疑者の自宅を捜索するとマニア向けのアダルトビデオやエロ本が見つかる例もある。
また大澤さんは「覚せい剤などは摂取すると体が熱くなったりする場合があり、洋服を脱ぐこともある。単に原因が酒だけなのか、他にないのか。薬物の影響の可能性もみたのでは」と、薬物を捜した可能性も指摘する。
ただ、この日の草なぎ容疑者宅の家宅捜索は約30分で終了。押収品はなかった。赤坂署は逮捕後に尿検査も実施したが、薬物反応は出なかった。同署は家宅捜索について「動機や事件の背景を探るため」と説明した。
大澤さんは「有名人で社会的影響もある人なので、念のために(家宅捜索を)やったのかもしれません」とも。一方、板倉さんは草なぎ容疑者の今後について「近く釈放されるでしょう。起訴されるとしても略式で、30万円以下の罰金。懲役になることはまずない」とみている。