ベンチャー企業社長の挑戦、そして苦闘

日本唯一の緑化事業ベンチャー企業:サン・アクト株式会社。
サン・アクトの社長私自らが語る成功への挑戦と苦闘の日々。
そして、妻と5人の子供達との家族と共に、私を応援されている様々な方へのメッセージを伝えたく、
日々、できる限り思いを書き続けていきたいと考えています。
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木村秋則氏最新書籍:奇跡のリンゴ―「絶対不可能」を覆した農家木村秋則の記録

奇跡のリンゴ―「絶対不可能」を覆した農家木村秋則の記録
奇跡のリンゴ―「絶対不可能」を覆した農家木村秋則の記録
石川 拓治(上記の太字リンク先はアマゾンのこの書籍の紹介先です)

 本日、2008年7月25日発行の「木村秋則氏」の新しい書籍を、著者である「石川拓治」様より発行所である「株式会社幻冬舎」様経由で頂戴しました。まずは心より御礼申し上げます。
 この書籍は「NHK プロフェッショナル 仕事の流儀」制作班の皆様の監修によるもので、「2006年12月7日に木村氏が出演された放送」では伝え切れなかった内容が、この書籍で紹介されています。

 少し、書籍紹介から視点が変わりますが、私も2006年12月7日の放送当日だけでなく、翌朝の出来事が今でも忘れられません。

 私の知り合いや関係者の多くの皆様に、「是非とも木村氏の番組を見てください」と事前にお伝えしていました。そして、放送翌日の朝、私の携帯電話にある方から、「小島社長、番組を見た感想のメールを送信できない」との連絡が。
 調べてみるとその方のメールだけでなく、まったく他のメールも受信できない状態で、サーバー運営会社に聞いてみると、我々が開設している「木村秋則氏のサイト」のアクセスが一晩で数十万人あり、そのアクセスを記録するためのログだけで、サーバーの容量を超えていたため、メールが受信できなかったことが判明。すぐに前夜からの膨大なアクセスログを削除し、その後、無事にメールを送受信することができました。いずれにせよ、それほどの反響、多くの方の共感を呼んだ番組だったということでしょう。

 さて、本日、到着した「奇跡のリンゴ―「絶対不可能」を覆した農家木村秋則の記録」を読ませていただきました。数年間、木村氏と共に過ごした日々の記憶が蘇ってきました。また、放送では伝え切れなかった数々のエピソードがこの書籍には網羅されています。

 木村氏と奥様、そして家族の方々の努力と決してあきらめないという信念が、今の木村氏のリンゴを産んだことは間違いありません。主人公は木村氏とそのご家族です。
 私が青森に住んでいた頃は、永年、郵便局員を勤め上げられ、既に退職された義理のお父様も木村氏と同居されていました。この義理のお父様に対して木村氏が「無農薬でリンゴ栽培をやりたい」と言われ、お父様の「やってみろ」という一言が、木村氏の実質的な挑戦の出発点と言えます。残念ながら、私が青森に滞在中に義理のお父様は亡くなられましたが、この木村氏の義理のお父様と木村氏のやりとりについて、この書籍でも克明に紹介されています。

 ただ、少しだけ付け加えさせていただきたいことがあります。多くの方々にご理解いただきたいことでもあります。
 先に書いたように、主人公は木村氏とそのご家族です。しかし、「やってみろ」という義理のお父様の一声から出発した挑戦の過程には、多くの人々の支えがありました。換言すれば、主人公だけでなく、多くの脇役が存在していたということです。

 まだまだ商品として売ることができない時期に、何も言わず、秋近くになればお金を送り続けられた方々。これらの皆様は、木村氏のリンゴを買うのでもなく、食べたいと思うわけでもなく、ただ木村氏の挑戦を支え、彼の成功を心から祈っていた方々です。
 また、何の収入も無い時期に、木村氏と高校時代の同級生だった「車販売会社の社長」は、無償に近い形で木村氏に軽トラックや乗用車を渡されていました。この車販売会社の社長から、毎晩、「飲みに行くぞ」という連絡が私にあり、もちろん木村氏も一緒でした。私も木村氏も、何も考えずに過ごすことができる数少ない時間の一つでした。
 そして、いつも途中で酔いつぶれた木村氏に私が水を飲ませ、奥様をお呼びし、奥様が運転する軽自動車に木村氏が乗り込むのを見届け、私もアパートに帰宅するという繰り返しは、今でも若かりし私の良き想い出の一つです。いずれにせよ、車販売会社の社長の有形無形の協力が無ければ、木村氏は途中で挫折していたかもしれません。ご家族以外での唯一の精神的な支えを担っていた方と言えるかもしれません。
 さらに、今は、時間的に余裕も無く、やっておられませんが、過去に木村氏は独自の栽培方法で「米」も栽培されていました。その田んぼを一緒に手伝われていた、あるご家族。このご家族も、木村氏を様々な側面から理解し、支え続けた方々です。
 他にも、今も昔も木村氏のリンゴジュースを製造してくれるジュース工場の社長。木村氏のリンゴジュースを製造するために、わざわざすべてのラインを洗浄し、木村氏のリンゴを受け入れ、ジュースへ加工されています。

 他にも、多数の脇役の方々が存在します。私も知らない脇役の方もおられることと思います。

 私は、今回、頂戴した新たな書籍について批評する立場にはありません。ただ、重複になりますが、主人公である木村秋則氏とご家族だけでなく、木村氏の想像を超えた挑戦の過程には多くの脇役の方が存在することを皆様に知っていただきたいと考えるのみです。
 もちろん、木村氏は多くの脇役の方々の存在を知っておられます。昔からのお客様にまず今年のリンゴをお渡ししたいという気持ちも私なりに知っています。

 過去の私の木村氏の「紹介記事」(この記事の末尾の「関連エントリ」も参照下さい)においても書きましたが、少なくとも私は木村氏のリンゴを「奇跡のリンゴ」とは名付けていません。誰かが名付け、それが独り歩きしています。「奇跡」という一種の優劣を「リンゴ」に付加させることも奇妙な話です。奇跡とは、「誰もやっていない農法をやろう」と考えた木村氏の発想と、それを支え続けた多くの人々の存在だと私は考えます。農法そのものが奇跡だとも私は思いません。
 ただ、「奇跡のリンゴ」のままなら、まだ良いのかもしれません。しかし、もうすぐ「幻のリンゴ」になりつつあると私は「ネット通販」を運営し、数年前には考えられなかった「抽選による木村氏のリンゴの販売」という異常事態を通じて体感しています。
 少なくとも木村氏のリンゴが、彼の挑戦のスタート地点から応援され続けた多数の皆様にも届かない「幻のリンゴ」とならないように祈るばかりです。

 彼の生き様、そして通常の人間では成し得ない努力を紹介することは重要なことです。私は、木村氏の農法を誰かが引き継ぐべきとは考えません。木村氏は無償に近い形で、自分の経験を日本だけでなく海外でも伝道されています。これも私は否定しません。関与する立場にもありません。
 ただ、最も多忙な秋の収穫時期に、木村氏のリンゴ畑を見に行くといったツアーに参加される方々、これらを企画される方々の考え、行動だけは私は許すことができません。
 まったくリンゴの実が無い春や夏よりも真っ赤な、いわゆる「奇跡のリンゴ」が眼前に存在している秋に見学する方が形にはなるかもしれません。しかし、その時期こそ極めて多忙であり、かつ木村氏自身が、やっと成長したリンゴに感謝し最後の世話をする時期です。
 そんな時期に、ある種の「物珍しさ」を求めて、昼間のリンゴ畑見学だけでなく、夜の木村氏の懇談など、一日中、彼を束縛することで何か得るものがあるでしょうか。彼を束縛している時間に、奥様や娘さんが寝る間も惜しんで、出荷準備や発送作業をされているということを想像できない、気遣いができない人が、いくら畑を見学し木村氏の話を聞いても何も感じ取れないと私は考えます。

 多くの方がご存知ないことですが、あえてこの場でお伝えします。
 
 今まで、木村氏のリンゴが欲しい、連絡を取りたいといった問い合わせを季節に関係なく、私の会社にて多数、頂戴しています。木村氏の地元である弘前市でさえも、個人情報の観点と考えますが、問い合わせがあった場合、私の会社を紹介されます。他にも海外を含む、多数のメディアの方々の問い合わせを私の会社が受け付けています。そして、できる限り、木村氏の負担にならないように、できないものはできないとお伝えし、私の会社や私自身ができることは、木村氏に連絡することなく対応させていただいております。
 しかし、残念ながら、昨年は、適切な収穫時期を逃される結果となりました。木村氏の本業はリンゴという生き物が相手である「農家」です。「農家」にとって致命的な結果を招いてしまったと言えます。ご存知のようにリンゴの栽培は年間を通じて行われます。真冬の剪定から、真夏の管理、そして青森特有の寒さ、豪雪などを鑑み、収穫や出荷、倉庫での保管が必要となります。しかし、多くの方々の対応に時間を費やされることで、少しでもタイミングを失えば、リンゴが本来持つ生命は絶たれます。私の会社や私自身が防波堤の役目を果たせなかったということです。

 これ以上は書きません。

 ただ、本当に「幻のリンゴ」にならないように今、可能な唯一の手段は、静かに木村氏を見守ることではないかと私は考えます。そして、木村氏の生き様、苦労を書籍などで紹介する以外に、これ以上、木村氏の畑を見学したり、木村氏の名前を利用することをやめることだと私は考えます。

 昨今の多様な依頼、講演、そして畑の見学などで、木村氏は「リンゴ農家」という本業を続けることが、ほぼ不可能な状態にあることを、何卒、ご理解いただきますよう心よりお願い申し上げます。

 サン・アクト株式会社 代表取締役 小島愛一郎

【追記:2008年8月29日】

木村氏の生き様を描いた絵本もできました。ご参考下さい。

りんごのおじさん (おはなしのほん)
りんごのおじさん (おはなしのほん)
竹下 文子,鈴木 まもる


【関連エントリ】
2006年11月17日:
木村秋則氏の「NHK プロフェッショナル 仕事の流儀」出演に思う
2006年12月6日:
自然栽培農家:木村秋則氏との出会い、そして今、思うこと
2007年12月21日:
木村秋則氏「フジ」抽選応募受付終了のお知らせと最後のお願い

※「ベンチャー企業社長ブログトップ10位へ
※「特選された起業家ブログ集トップ10位へ
2008.07.25 Friday | 木村秋則氏:リンゴ・リンゴジュース | comments(16) | trackbacks(0)

皆様のコメント

小島愛一郎様

いつも鉄人HONEYをはじめ、「YOHKO」の応援、有難うございます。

大切な人をサポートし、護ることは大変ですね。
私もYOHKOに少しずつファンができると、
直接メールでやり取りしたがる方が増え、

最初、有り難いことなのでお受けしていたら、
その人はたまの1回のつもりでも、人数が増えると返信する時間もなく、

逆に、曲のイメージがわいた瞬間にも、携帯が鳴ったり、
じっくり作り上げた曲を提供し辛くなる、本末転倒の現象が起こりました。

木村さんのファンなら、林檎を育てやすい環境でいられるよう気を配ることが、
最低限のマナーですね。

今年も美味しいリンゴが実りますように☆

「鉄人HONEY」のBBSにお越し頂き、恐縮です。
YOHKOの頑張る勇気に、「ありがとうございました」の言葉、
大切にしますね。

ありがとうございました。
えみしゃん(鉄人HONEY) | 2008/08/03 1:54 PM
コメントの返信が遅れたことについて、まずはお詫び申し上げます。

またBBSでも場違いなことを書いたこと、ご容赦下さい。

木村氏と同様のことが、「YOHKO」様にも生じているとは、想像もつきませんでした。ご指摘の通り、本末転倒に近いものがありますね。

いずれにせよ、多くの方々は自分のペースで相手に対峙されます。しかし時にはその自分のペースが相手にとって無理難題のような結果になることもあります。これは、どんな業界、仕事、生活でも生じることです。

あとは、それをうまくやりこなすかどうかですが、木村氏の防波堤はある程度、私が担っています。

もうご家族のどなたかがやられているとは存じますが、是非とも、強固な防波堤の役割を果たされてください。

別件ですが、是非とも京都に来訪することを検討下さい。あれから、私なりに動いておりますので(詳細はメールにてご連絡いたします)。

では、皆様によろしくお伝え下さい。
小島愛一郎 | 2008/08/05 1:16 AM
何度も涙しながら御本を拝読いたしました。我が家も今たいへんな局面にめんしていることもあり、自分に重ねるように読み進めました。そして、まだまだ自分は甘いな、と。大切なことに気付かせていただきました。
木村さんのリンゴを実際見、さわり味わってみたいですが、小島様の文を読み、今はご遠慮させていただくのが感謝を表すことにもなるのかな、と思いました。でも、いつかきっと、出会うことができると信じています。
| 2008/08/10 10:48 AM
お名前を書かれなかった方へ

多忙にて、コメント返信が遅れましたことを、まずはお詫び申し上げます。

>小島様の文を読み、今はご遠慮させていただくのが感謝を表すことにもなるのかな、と思いました。

ありがとうございます。
私が最も皆様に伝えたかったことです。私の書いた文章の重複になるかもしれませんが、「収穫ツアー」を待つために、木村氏は昨年は、適切な収穫時期を逃されました。極めて残念な話です。

せっかくの収穫ツアーの皆様の見学のために、収穫をしなければならないところを待ってから収穫し、結局、手遅れになったということです。こんなことは許されるべきことでしょうか。

論点は変わりますが、多様なメディアから「テレビや雑誌・取材の企画」などが当社宛に連絡が来ます。メディア担当者の話を聞くだけで、仕方が無いことかもしれませんが、単なる企画の一つに過ぎないということが話しぶりですぐに分かります。

今、木村氏は様々な人々にとって「利用しやすい人」になっています。

これを食い止める役割を果たすことが、私なりに今、できることではないかと考えています。

「奇跡のリンゴ」が誰にも手の届かない「幻のリンゴ」にならないために。
小島愛一郎 | 2008/08/27 2:25 AM
私は間違った一歩を踏み出してしまったのでしょうか? 10月に開催される 木村氏の講演ツアーに参加申込しております。
今回 小島社長のコメントを読み 悩んでいます。 正直 父が6月から入院 あまり思わしくない状況の中 色んな悩みをかかえながら 木村さんと 木村さんの育てている林檎さんに会えるのが とても楽しみです。
門野 智子 | 2008/09/05 4:22 PM
門野様、必要とお考えでしたら私宛に直接、メールをお願いいたします。

aikoji@sun-act.com

こちらとなります。

いずれにせよ、木村氏講演ツアー主催者の方に10月という本格的に多忙な時期に入る際にツアーを企画された意図・真意は何か、確認されればと存じます。

私個人としては、このエントリに書きましたように、多忙な時期に一般の方を対象としたツアーを主催される方々を許せないことだけは確かです。非常識と言えるでしょう。

少なくとも木村氏の畑は「観光農園」では無いことだけは確かです。

門野様、ツアーに参加され、木村氏に会われたら、彼に直接、お聞きになってください。なぜこのような時期にツアーを受け入れるのかと。

もちろん木村氏は笑うだけで、答えることは無いと思いますが。

そして、ツアーによって失われる様々な代償、特に彼の本職であるリンゴ畑と対峙する時間がツアーによって皆無に近くになることについて、何らかの補償を受けているのか、ツアー主催者なり、木村氏に確認されればと思います。

この論点と、門野様のお父様の件や門野様ご自身のお考えはまったく別の話と考えています。

ただ、これで最後としますが、門野様のお父様が極めて有名人で、お父様が入院されている病院にマスコミが常に出入りしている状況となった場合、家族の一員としてどう感じるか、少しだけ想像いただければと存じます。
小島愛一郎 | 2008/09/07 8:53 PM
小島愛一郎様
はじめまして、川嶋と申します。
ブログを拝見して、また一つ奥深いものを感じました。今の世の中、気軽に色々な物が手に入りすぎ、見えない大切なモノをみる能力を失いかかっているのでしょうね。私もそんな一人にならないよう、努力したいと思いました。

木村様の防波堤となっておられる小島様に教えていただきたい事があります。おバカな質問とは存じますが、大切な事と感じておりますので、質問させて下さい。

世の中の人は木村様が成功されたから、注目しているのですが、成功されなくても支え続けておられる方々がいらっしゃるわけですよね。特に家族の方々は、今日、明日、の生活もままならないうえに、とてつもなく忙しい。なのに、支えあえたのは何故でしょうか。(テレビや、書籍だけでは想像もつかない程、ご苦労されていると思うのです。)そして、周りの方々も支えを惜しまなかったのは何故でしょうか。

根本に流れているもの、それは、今の世の中にとってとても大切な事だと思うのです。そして、これを、全ての家族が手に入れる事ができれば、(本来はあって当然のものなのでしょうが。)今の世の中はもっと明るい方向へ歩いて行けると思うのです。

長々と失礼致しました。迷い、迷い、書かせて頂きました。
川嶋 美子 | 2008/10/06 11:16 AM
川嶋様、コメントが遅れまして申し訳ありません。

木村氏を支え続けた人々は多数、おられます。
しかし、支え続けた気持ちは多様だと思います。

彼の栽培を何とか成功させたいという思い、彼自身の人格にほれ込んでいる人々、そして純粋に応援したいという思い、何とか彼の苦労を無駄にしたくないという思い、私の場合、青森滞在時代は、大切な友人として、できる限りのことをしたつもりです。

いずれにせよ、私なりに思う、彼を支えた人々の根幹にあるのは、人それぞれ、彼に対して「自分は何ができるか」と考え、実際の行動で示したのではと考えています。

換言すれば、今の世の中で、ある事象に対して、自分は何ができるかを自問自答しない人が多過ぎる、ということではないでしょうか。
他人事のように思うことが多過ぎるとも言えます。

そして、昨今の木村氏のメディア等の露出で、彼を「支える」ことから、「利用する」ことに大きく変化していると私は考えています。

今、彼を「支える」という唯一の手段は、彼の本業であるリンゴ畑に対峙する時間をできる限り確保できるようにすることです。

その意味では、残念ながら、逆の方向に進んでいるのが現状です。
今の世の中の動きと同じかもしれません。

以上、完全な答えとはなっていないと思いますが、またコメントにてお返事をいただければと考えています。
小島愛一郎 | 2008/10/08 9:22 AM
小島様
お忙しいところ、ありがとうございます。
とても、考えさせられる文章でした。

>「自分は何ができるか」と考え、実際の行動で示したのではと考えています。

という事ですが、思いは様々として、行動を、継続し続けられるチカラは何でしょうか。単発の行動ならできるという方はいらっしゃると思うのです。ところが、行動の継続となると、時間が長くなるにつれ、脱落していく方が多いと思うのです。可能であれば、小島様のご意見と、当事者の家族という立場からの2つの視点で教えて頂きたいと思っております。宜しくお願い申し上げます。
川嶋 美子 | 2008/10/09 1:56 PM
川嶋様、極めて返信が遅れました。
ジョナゴールドの抽選応募受付終了まで、返信を控えておりました。

木村氏に対する思いを自らの行動で継続された方々の原動力については、多種多様であることはご理解いただけると存じます。

唯一、言えることは、木村氏を支え続けた方は、今の木村氏のメディア露出など想定もされていなかったという点です。無名の男の生き様に対して、繰り返しになりますが、自分なりにできることを見つけ、それを続けたのが現実です。

彼を支え続けた人々は、誰しも木村氏がここまで、ある意味、有名になるとは思っていませんでした。

逆に有名になって、いろいろな意味で県内の方々の嫉妬が生じている、また、木村氏の栽培がメディア露出することで国内で農薬を使いながらも懸命にリンゴを育てられている方々に対して、少なからず偏見が生じているのではないかと私は考えています。

彼を支え続けた人々は、恐らく、今、どうしたものかと躊躇されていると私は考えます。彼の栽培方法でなく、彼の生き様、彼自身を応援したいだけであり、別に、彼を支え続けた方は、誰も農薬を使った従来のリンゴ農家の方々の栽培方法を否定されていません。

少し視点がずれますが、政治の世界で、「この人は、将来、首相になる」と思う方は、献金や様々な支援を行い、将来の見返りを期待されると思います。

私だけでなく、彼を支え続けた多くの方々は、将来の見返りなど期待していませんでした。

換言すれば、彼が有名になった時点で彼に接触し、表層的に彼を支援する人々に対しては、木村氏自身も口には出しませんが、嬉しいとはまったく思っていません。彼を支え続けた人々も、極論ですが、木村氏は、何をやっているのか、どうしたのかと疑問視されている方が存在します。

だからこそ、秋の収穫時期の木村氏の畑ツアー企画や、年間を通じての各地での講演など、嬉しいのは参加者と主催者だけで、木村氏やご家族は負担に思っておられるだけなのです。ただ、それを率直に言えないところが、木村氏なのです。

以上、川嶋様のコメントの答えと少しずれていると思いますが、ご容赦下さい。

私が言いたいことは、極めて簡単です。

有名になる前に、彼を応援して欲しかった、有名になった後に、彼を利用して欲しくない。

これだけです。
小島愛一郎 | 2008/10/25 9:23 PM
お忙しい中、ご丁寧にありがとうございました。
川嶋 美子 | 2008/10/27 10:25 PM
川嶋様、こちらこそいろいろとありがとうございました。

また何かあればお知らせ下さい。
小島愛一郎 | 2008/10/29 12:37 AM
始めまして 中尾 といいます。
奇跡のリンゴをよんで
 リンゴたべてみたい

 それと この人に会って見たい

と思いました。このひとならわたしの
「土にかえりたい」という思いがわかってもらえるかも、と思ったんです。
そういう人が周りにいなくて、だれかにわかってもらいたくて辛かったんですが…。

 偉い事になっていたんですね。べつに忙しい時期でない時に、大自然を感じながら、
「自然ってやさしいんだね、いとおしいんだね」ってそんな話をしてみたかったですね。
これだと、リンゴの木に死なないでおくれといった木村さんがその木になってしまっていますね。胸が痛みます。
 リンゴの木に愛され、愛し、いとおしみ合え、自然にかえれる時間を木村さんが過ごせますように。自然にかえれる、自分がそこにいるけどいないのと同じ、自然と一体となれる幸せは何よりの宝ですもんね。そんな喜びをいつか木村さんと味わいたいなあ…。と思いますし、驚きました。
 技術と心が伴って一流 ですか。

技術があっても心がないから文明がなくなるんだと思う節があったのでお見事だなと、思わされました。私自身の生い立ちにそれとかかわる事があるので痛感します。

 馬鹿になればいい ですか。
余計なものそぎ落として、静かに充実した人生がいちばんなんでしょうね。やらないと(苦笑)
ぜひこんなまっとうな人生をいき、学んだ人と話しがしてみたいものです。口先だけじゃない人に本当のことを経験から語れる人。それが何よりの宝ですね。

何より木村さんに愛するリンゴさんたちと多くの語らいをしながら幸せな(大変な?)時間をすごして欲しいです。
中尾 | 2008/12/08 3:50 AM
中尾様、コメント返信が遅れましたことをお詫びいたします。というよりもどう返信すべきか逡巡していました。

木村氏の書籍を読まれ、リンゴを食べてみたい、木村氏に会いたいという思いは十分に理解できます。

>余計なものそぎ落として、静かに充実した人生がいちばんなんでしょうね。やらないと(苦笑)

>ぜひこんなまっとうな人生をいき、学んだ人と話しがしてみたいものです。口先だけじゃない人に本当のことを経験から語れる人。それが何よりの宝ですね。

ここらあたりが恐縮ですが矛盾しているように思えます。申し訳ありません。そして何よりも私がこのエントリで皆様にお伝えしたかった最大の目的は「静かに木村氏を見守ること」に尽きます。

今一度、その私なりのメッセージを読み取っていただければと存じます。

木村氏の半生はともかくも、彼の農園は観光農園ではありません。彼にあったところで、あるいは彼の農園に訪問したとしても、彼の助けにはなりません。

何卒、ご理解を賜りますようお願い申し上げます。

彼にとって、最も負担にならない、そして彼にとって、最も嬉しいことは何かという点について、お考えいただければと存じます。

私としては「そっとしていただく」ことが最短の近道と考えています。

その考えは、【関連エントリ】にも記載しております。今一度、ご一読下さい。
小島愛一郎 | 2008/12/12 12:28 AM
ご迷惑おかけし真に申し訳ございません。
 こちらの文章も読ませていただき、わがままながら余計によい方だなとおもいつい「お会いしたい」とかいてしまいました。

 本を読んだり、こちらでもっと多くのことを知ることで、あきらめていたことをやはりやらないといけないのだなと改めて実感させていただきました。親も友も捨ててもいいから本当の信頼が欲しいと思い、家をでたつもりで失敗して戻った自分が情けなかった。でも、やはり自分の進むべき方向はやはり、失敗はしても間違ってなかった、うれしく思えました。木村さんにも、小島さんにも大切な事を思い出させていただいて有難うございました。一人で生きるという事がとてもこわいのですがやはり明るい未来が欲しいならやるしかない、と気づかせていただいたことに感謝します。 
 ご迷惑おかけし申し訳ございません。そして有難うございました。
中尾 | 2008/12/16 10:21 AM
中尾様

もし差し支えなければ、私のアドレス
aikoji@sun-act.com
こちらにご連絡いただければと存じます。お互いの齟齬を解消させるためです。それ以外の意味はありません。もちろん、メール送信されなくとも構いません。

また、私の過去のエントリ、
http://sunact.jugem.cc/?eid=763
http://sunact.jugem.cc/?eid=318
http://sunact.jugem.cc/?eid=116
これらもご覧下さい。

木村氏との比較対象になるとは思えませんが、私も通常の方では経験できない紆余曲折の人生を歩んでおります。私も数年間、給与が無い状況が続きました。

私の経歴は、下記の通りです。
http://www.sun-act.com/shop/company3.html
しかし、まさか今の事業をするために、このような経歴を重ねる予定は当時、若かりし頃、毛頭ありませんでした。

いずれにせよ、自らの人生は自らが開拓していくものですが、どうしても、自分ではどうすることもできない場面に出会います。

そこで、いかに自分なりに対峙するか、与えられた「運命」として受け止めるかどうかとういうことです。

木村氏は、表面上は自ら新たな運命・生き方を選ばれたのかもしれません。彼の書籍でも、そう読み取れるかもしれません。
しかし、彼の生き様は既に彼に与えられた「運命」だったのかもしれません。

では、コメントかメールをお待ちしております。
小島愛一郎 | 2008/12/18 12:10 AM
お気軽にコメント下さい:動画・画像といった関連語句をコメント文章に入れないで下さい。コメント拒否設定となります。









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