「ＳＭＡＰ」の稲垣吾郎容疑者（27）が涙の謝罪会見。傷害と公務執行妨害、道交法違反容疑で24日に逮捕された稲垣容疑者が26日午前、警視庁渋谷署から東京地検に送検された。東京地検の拘置請求を東京地裁が退けたことから稲垣容疑者は午後４時15分ごろ、事件から約43時間ぶりに釈放。同日午後９時に都内で緊急記者会見を行い「未熟者だった」と涙を流して頭を下げた。

　普段はクールがトレードマークの稲垣容疑者だが、目を真っ赤にはらして大粒の涙を浮かべた。逮捕から丸48時間が経過した時点での記者会見。稲垣容疑者は会見場に入るなり７、８秒ほど深々と頭を下げた。

　「このたびは大変皆さまにご迷惑をおかけいたしまして、とにかく深く反省しております。申し訳ありませんでした」と謝罪したあともじっと立ち尽くし、しかられたときの子供のようにいつまでも座ろうとはしなかった。

　白いヨレヨレのワイシャツにジーンズ姿。ラフな着こなしも、寝癖をそのままにしたような頭髪も普段通りだが、顔は青ざめ、眼光にはまったく力が感じられない。

　「昨夜は一睡もできませんでした」と話し、拘置中は身の回りの人たちの顔を思い浮かべていたという。中でもＳＭＡＰの他の４人にかけた迷惑が最も心苦しかった様子。前夜のナゴヤドーム公演で稲垣容疑者の分まで謝罪した話を取材陣から聞いた瞬間からみるみるうちに涙声に変わり、うなだれるようにうつむいた。

　稲垣容疑者の身柄はこの日午前９時すぎに渋谷署から東京地検に送検。約６時間の取り調べ後、地検の拘置請求が退けられたため、午後４時15分ごろ、逮捕から約43時間でのスピード釈放となった。釈放決定と同時に道交法違反容疑については反則切符（減点２点）が切られ、後日罰金（１万５０００円）を支払うことが決定。今後の捜査は公務執行妨害と傷害容疑に絞られる。

　会見では「夢を売るＳＭＡＰのメンバーでありながら、容疑者の状態でい続けることは恥ずかしいと思わないか？」との厳しい質問も。これには「はい」と言いかけたが、結局は言葉にならず「は…」と言ったままただ頭を下げるしかなかった。

　▼事件の経過　稲垣容疑者は24日午後８時45分ごろ、東京都渋谷区道玄坂の路上で駐車違反をし、道交法違反、公務執行妨害の現行犯で逮捕された。反則切符を切ろうとした女性警察官３人の制止を振りきって乗用車を発進させた。うち１人に車体を接触させ、全治５日間の軽傷を負わせた疑い。女性警察官が車から降りるように命じてもなかなか応じなかったため、傷害容疑も加えた厳しい措置が取られた。

[ 2001年08月27日 ]