
取説マンガの欄外
皆の衆、久しぶりだな。
季節はすっかり春だが、みんな元気だったか?
暖かくなってきたからといって、
ついウッカリ人前で脱いだりせぬようにな。
さて、本日は『英雄激突編』の
コミックス最終巻が発売される日だ。
もちろんみんな予約済みだとは思うが、
まだの者は今すぐ本屋さんに走ろう。
そして矢野先生にファンレターを出すのだ。
(カタカタカタ……)
矢野先生の熱筆にむせび泣いたら、
明日はケロケロエース6月号を買うのだ。
津島先生の描く馬超のハードな生き様に震え、
もちろんアンケートも出しておこう。
(カタカタカタ……)
さらに! 皆の衆に朗報だ。
ついに私のキット化が決定したのだ。
発売は来月、なんとキットには偉大なる主、
曹操様のパワーアップパーツもつくとか。
私ごとき降将がこのような厚遇を受け、
本当に栄誉の極みだ。
また、6月に発売される曹丕様には…
(カタカタカタ……)
ええいっ!
さっきからカタカタうるさいぞ郭嘉ッ!
(傍でノートPCを開けている郭嘉さん)
郭嘉「>>1000なら郭嘉キット化…と」
徐晃「…貴様、熱心に何をしておるのだ?」
郭嘉「ま、一種の情報操作ですね」
徐晃「情報操作??」
郭嘉「今や僕はバーチャアイドルですから。
こうやって匿名掲示板に書き込みをして、
イメージの統制を図っているんですよ」
徐晃「フン!
貴様がアイドルなど、片腹痛いわッ!」
郭嘉「あれぇ? 嫉妬ですかそれは。
あなたに心配していただかなくても、
僕は全裸になったりしませんから。
セカンドシングル『せんせい』もよろしく」
徐晃「私はネットのことはよく知らんが、
貴様のやっておる自作自演やなりすましは
外道とされる行為であろう?
コトが露見すれば、大変な目に…」
郭嘉「うふふ…心配性なんですねぇ。
僕がそんなヘマをするとでも?
僕のIDを調べようなんてヤツには、
逆にサイバー攻撃をしてやりますよ」
徐晃「そ、そんな恐ろしいことを…」
郭嘉「あのねぇ、徐晃さん。
僕はかの孔明をも罠にハメた侠ですよ?
ことインターネットにおいては、
三璃紗で僕に勝てる侠なんていませんよ。
兵法でだって、いずれは孔明に…」
(とその時、郭嘉さんのPCに
お知らせを告げるサインが…)
郭嘉「おや、また何か情報ですね」
徐晃「今度は何だ」
郭嘉「ファイル共有ソフトですよ。
僕はこうやって毎日、新鮮な情報を
世界中から手に入れているんです」
徐晃「なになに…
バンダイの今期の販売スケジュール…
こ、これは…!?」
郭嘉「うふふ…
どうやら超極秘資料のようですね。
早速ダウンロードしてみましょう」
(と郭嘉さんが右クリックした瞬間、
突然PCからジャーンという音が!)
郭嘉「げええッ!
関羽のアイコラが画面全体に…!
あわわわ…お、音が止まらない…!」
徐晃「な、なんだ!?
一体何が起こっておるのだ…!?」
郭嘉「ま、まさかこの僕が…!
天才の僕がウイルスごときにぃ…!」
司馬懿「鳳翼斬ッ!」
(突然スタジオに入ってきて、
郭嘉さんのPCを叩き斬る司馬懿先生)
郭嘉「せ、先生…」
司馬懿「この愚か者がッ!
あれほどファイル共有ソフトは
使うなと言っておいたであろうッ!」
郭嘉「し、しかし…!」
司馬懿「まだわからんのかッ!
これは孔明の罠だ! 貴様は孔明に、
まんまと一杯食わされたのだッ!」
郭嘉「そ、そんな…バカなッ!?」
司馬懿「一体どれほどの個人情報が
インターネット上に流出したことか…
以後、貴様はネット活動を自粛し、
固く謹慎を命ずるものであるッ!」
郭嘉「う、うぅぅ…うわあぁぁ〜ん!」
(泣きながら走り去る郭嘉さん)
司馬懿「みんなも気をつけるのだ。
インターネットは大変便利だが、
良くない情報やウソもたくさんある。
特に出所のわからぬガセネタには、
充分に注意するようにな!
全て、孔明の罠である!」
徐晃「う〜む、恐ろしい…
今日はコミックスと部隊兵でも買って、
家でおとなしくすることにしよう…」