念願のりんご畑へ 青森に、木村秋則さんというスゴイりんご農家がいる。 私がナチュラルハーモニーに入社するきっかけとなった「芸術自然栽培研究会」で、はじめて木村さんにお会いしたときから、ずっと訪れたかった木村さんご自身の畑。「りんごは薬から作れ」と言われるほど病害虫に弱い。それを化学農薬も、有機肥料も使わずに作ってしまうなんて、一体どうやって?10月10日の台風22号の直後、願いかなっていよいよその機会を得た。 木村さんのりんご畑は、青森県中津軽郡の岩木町にある。青森空港から、車で約一時間。津軽平野のほぼ真ん中だ。空港からの道のり、どこを見てもりんご畑が続く。ピンク色のつがるりんごが、まるで作り物のようになっている。 涙が出るほど美しい木 そんな中、木村さんのりんご畑に到着した。一目見て、ふつうのりんごの木との違いに愕然とした。幹のどっしりとした存在感。自然な枝ぶりと、バランス。数えるほどしかついていないりんごの実が、枝に堂々としがみついている。あまりの美しさと力強さに思わず、「私もこうなりたい!」と叫んだ。 木村さんのりんごの木の、実の数が少ないのには理由がある。ひとつは「摘果」といって、剪定(せんてい)そして花摘み後の、いわゆる間引きのような作業によるもの。木村さんはりんごの木にとって、気持ちのよい数だけ実をつけるようにしている。「作物のことは、作物に聞け」、それが木村さんの口癖である。 あっと驚くりんごの力 りんごの実の数が少ないもうひとつの理由は、今回の台風である。台風で実が落ちてしまったのではない。では、なぜ?木村さんは少し小声になった。『台風が車江にさ、"木村のところは花が咲かねぇなーどうしたんだろう"って言われていたんですけどもね。りんごの木がな、台風がくるのを知っていたみたいなんです』。 つまり、木村さんの木だけが台風を予知し、花を咲かせるのを控えたらしい。ウソみたいな話しだが、10年近い年月を、畑の観察に費やした木村さんの言葉だけに重みがある。信じずにはいられない。 自然栽培だからできること 木村さんの自然に対する観察力は、長年の、人並みならない農業経験の賜物である。りんご栽培に化学的な農薬の使用を一切断ってから、9年かけてりんごの木の回復を待った。その間、無収穫による生活苦と闘いながらも、自然からの学びをただひたすらに続けた。 その経験の中で、栄養たっぷりのはずの畑よりも、空き地でのタンポポの方に元気があるのに気づき、無肥料・自然栽培にたどりついた。今ではりんごのみならず、野菜やほかの作物でも、自然栽培の技術を確立している。 日本古来の品種、本物の紅玉 いざ、木村さんの「紅玉」をひともぎ。実と枝が隙間なくしっかりとついているのが特徴。口に含むといっぱいに酸味が広がり、食べ出したら止まらない。なつかしさの代表格ともいえる紅玉だが、最近ではアメリカ産の品種が使われている。ジョナマックという品種で、「ジョナサン」と「マッキントッシュ」の掛け合わせ。アメリカ産の方が長期保存がきくからだという。 それにひきかえ木村さんの紅玉なら、日本古来の紅玉。しかも自然栽培なので、ぼけにくい。旬は短くても、最高の紅玉だ。木村さんのりんごの木は、人間の都合で繰り返される品種改良や、肥料漬けの栽培方法に、警鐘を鳴らしてくれている気がした。木村さんのりんごの木の下に、ミゾソバの赤い花が咲いていた。「この花が咲いてくるとさ、岩木山が紅葉してくるんですよ」と木村さん。今日も、自然と対話をしていることだろう。 ナチュラル・ハーモニー FARMERS 進士 真理子 果樹に関してのみ、防除として「醸造酢」のみの使用 を認めています。 果樹の自然栽培は極めて困難であるため、現状、使用を認めて います。極めて希少な自然栽培・果樹生産者を支えるためにはこ のような措置を採らざるを得ません。但し、「醸造酢」以外のいかな るものの使用を認めていません。 木村さんの講義録無料プレゼント お問い合わせ TEL 日〜土(10:00〜19:00) 043-440-8566 FAX 24時間受付 043-440-8577 申込フォームこちらをクリック 肥料を入れない野菜の宅配 ハーモニック・トラスト 木村秋則さんの紹介
更新コラムコーナー コンテンツ 1.ヒミコの国から 2.源平合戦を考える 3.肥料とサラダの関係性 パートT 4.肥料とサラダの関係性 パートU 5.インドヒマラヤの体験と自然栽培 6.「奇跡のりんご」木村さんを訪ねて 7.浪速節だよ♪農業は! 自然栽培の理想と現実 木村さんの紹介へ 戻る TOP 次へ
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