鳩山邦夫総務相は２４日、公然わいせつの現行犯で逮捕されたＳＭＡＰの草なぎ剛（３４）を「最低の人間だ」と批判した前日の発言を撤回、「言い過ぎた。取り消して率直に反省する。人間は人間を評価できない」と陳謝した。

　鳩山氏は２３日、地上デジタル放送普及推進キャンペーンのメーンキャラクターをつとめていた草なぎの逮捕を受け、「めちゃくちゃな怒りを感じる。最低の人間としか思えない」などと非難。この発言に対し、同氏の事務所には抗議の電話やファクスが相次いだ。

　関係者によると、「（草なぎは）最低の人間ではない」「何を知っているのか」といった女性ファンのメッセージや無言電話、鳩山氏の外見を中傷するような「ブタ」「デブ」といった罵詈雑言もあったという。事務所の職員は、この対応に終日追われた。また、総務省にも「言い過ぎだ」といった抗議が寄せられていた。

　鳩山氏は２４日の会見で、「『最低、最悪の行為だ』と言い換える」とし、「（地デジキャンペーンへの）期待が大きかっただけに、失望もまた巨大だ。反省して出直してほしい」と語った。キャンペーンのメーンキャラクターについては「（降板は）やむを得ず、選び直すことになる」と述べた。

　一方、今回の逮捕に関係した警視庁や赤坂署、原宿署に「なぜ逮捕したのか」といった多数の抗議や問い合わせの電話が寄せられたことについて、佐藤勉国家公安委員長は２４日、「状況をまだ把握していない」としながらも「逮捕の必要性はケース・バイ・ケースで、各都道府県（警）で適切に判断して行われる」と強調した。

　草なぎが逮捕された２３日以降、警視庁などには電話が殺到。対応した警察官の説明に納得せず何度も電話をかけてくるファンや、「私はヤクザ」と名乗る女性からの不審な電話などが相次いでいる。