兵庫県加西市の元課長と神戸市消防局の元消防士長を、酒気帯び運転を理由に懲戒免職とした処分の適否が争われた2件の訴訟の控訴審判決で、大阪高裁は24日、いずれも「過酷だ」として1審神戸地裁に続いて、処分を取り消すとの判断を示し、両市の控訴を退けた。
判決理由で島田清次郎裁判長は「免職による損害は甚大で、公務員の半生を棒に振らせるに等しい」と指摘。「原則免職」とする指針や運用そのものは「過酷ではない」としたが、個別事情を総合的に考慮してバランスを欠くことがないよう、行政側には慎重な対応を求めた。
飲酒運転の厳罰化や社会的制裁が強まる中、この日の判決は論議に一石を投じそうだ。
判決によると、加西市の元課長は2007年5月の休日、昼食時に知人に勧められ飲酒。その後、呼気1リットル当たり0・15ミリグラムのアルコールを検出する酒気帯び運転で摘発された。