県立病院改革に関する県議会の健康福祉病院常任委員会の公聴会が22日開かれ、三重大の内田淳正学長ら5人の公述人が賛成、反対それぞれの立場で意見を述べた。
島根県隠岐広域連合立隠岐病院の前副院長、米田幸夫氏と、内田学長が最初に意見を述べた。米田氏は「運営形態の見直しで、医師不足などすべての問題が解決できるという考えは安易だ。改革の名の下に、行政の責任を放棄している」と批判した。内田学長は「三重大付属病院は法人化により院長や職員の意識が変わった。経営も改善した」と主張した。
県立一志病院(津市白山町)の民間移譲については、米田氏が「高齢化が進む地域のセーフティーネットとして、現行の運用形態を維持すべきだ」と主張。内田学長は「民間移譲で病院が無くなると思われては困る。高齢者のための一歩進んだ医療体制を組むには、自由度のある(民間)体制の方がよい」と、述べた。
その後、公募で選ばれた3人が公述。「人口の少ない地域にある一志病院が民間で運営できるのか」「民営化するにしても、県にも地域医療体制について責任を持ってほしい」などの意見が出た。
また、野呂昭彦知事は、公聴会に先立って行われた定例会見で、津市や指定管理者制度の導入が議論されている県立志摩病院のある志摩市で住民説明会を開く考えを示した。【岡大介】
〔三重版〕
毎日新聞 2009年4月23日 地方版