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山口県:進まぬ医師確保策 「県外招請」事業、昨年度応募ゼロ 魅力発信、PRに課題

 山口県が重点施策に掲げる医師確保対策の柱で、県外の医師を県職員として採用する「ドクタープール事業」の昨年度の応募がゼロだったことが分かった。5年の勤務を条件に、うち研修に充てる1年間の給与を県が支給する。昨年度から始めたが、全国的な医師不足に加え、PRのあり方も課題。現場の医師に山口で働く魅力をどう伝えるか。担当者は頭を悩ませている。【井上大作】

 県によると、医師免許の所得から5年を過ぎた60歳以下が対象。診療科を問わず、県内の市町立病院など公的医療機関に5年間勤務し、うち1年間は国内で自主研修を行うことができる。研修中に県が肩代わりする給与は1300万円前後と想定。昨年度は、年間を通じて5人を募集したが応募はなかった。今年度も今のところないという。

 04年度から始まった臨床研修で、新人医師は研修先の病院を原則自由に選べるようになった。このため都市部の一般病院に人気が集まり、地方の医師不足が進んだ。各自治体は医師確保に本腰を入れ、山口県も07年度に専門職員を配置。二井関成知事は昨夏の知事選で医師不足の解消を公約に掲げている。

 県のまとめでは、07年度までに同様の事業を導入したのは12道県で、その後も大都市圏以外で増えている。しかし採用状況は厳しく、07年度は5道県で応募がなかった。2年間で10人の募集に1人しか応じなかった秋田県では「医師不足は郡部で顕著だが、そういった地域は医師が勤務先に望まない」と互いのミスマッチを指摘する。

 山口県の調査では、同事業の対象となる25病院で、医師の不足数は麻酔科、産婦人科など計54人にのぼる。医師確保対策班は「地域間競争が激しくなっているが、今、手を打たなければ5、10年後にさらに状況は悪化する。しかし県外の医師に直接声を掛けるわけにいかず、有効なPR法を模索している」という。

毎日新聞 2009年4月23日 西部朝刊

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