東国原英夫知事ら宮崎県幹部と同県内の全28市町村長が行政課題を話し合う自治懇話会が23日、宮崎市で開かれた。日向市などでの救急搬送受け入れ拒否問題を受け、市町村側からは、地域医療体制の充実を求める声が次々に上がった。
懇話会では、東国原知事の意向で全市町村長に意見を述べる場が設けられた。首藤正治延岡市長が「医師の偏在、総数不足で地域医療体制は崩壊状態」と述べると、黒木健二日向市長も「市町村単位での対応には限界がある。県からも国に要望を」と連携強化を訴えた。
これに対し東国原知事は「受け入れ拒否のような問題が2度と起きないよう、救急医療体制の充実に努める」とし、県の医師派遣システムや修学資金貸与制度を活用していく考えを示した。
一方、道路整備問題では、国土交通省が一時凍結を決めた国道220号の改良事業(23.5キロ、宮崎市‐宮崎県日南市)について、市町村側が早期の凍結解除を求めた。東国原知事が「私の感触では2、3カ月内に解除されるのではないか」との見通しを示すと、出席者に安堵(あんど)の表情が広がった。
=2009/04/24付 西日本新聞朝刊=