SMAP・草なぎ剛容疑者が23日、公然わいせつ容疑で逮捕されたことを受け、テレビ各局、スポンサーなどは急きょCMの放送中止を決めるなど対応に追われた。阪神優勝時の経済効果試算でおなじみの関西大学・宮本勝浩教授(64)は「大きな損害が見込まれる」と分析。損害額は3億円規模に上る可能性もあり、トップスターの逮捕に大きな波紋が広がった。
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現役アイドルのまさかの事件に衝撃が走った。
2006年7月から地上デジタル放送普及推進のテレビコマーシャルに起用している社団法人「デジタル放送推進協会」は、CM放送を中止するようNHKと民放各社に要請した。
トヨタ自動車は、トヨタレンタリースのCMや店頭ポスターなどをすべて打ち切ることを決定。P&Gも、衣料洗剤のCM放送を取りやめることを決めた。
夏と冬に放送を控えていたヤマサ醤油は「夏のCMは8割程度撮り終えているが、中止します。10年間、出演していただいた。事実を把握し、関係者と話し合って今年の契約を考えたい」と悔しさをにじませた。
続々と続く打ち切りに宮本教授は「経済波及効果は宣伝予算の2・1倍というのが基本。今回の場合、SMAPの人気、イメージというのもあり、もっと大きな損害が見込まれる」と推測した。
広告代理店の関係者によると、草なぎクラスのCM契約料は推定で1本約5000万円近くになり、不況の昨今においても3000万円は下らないとされる。4本打ち切られることで、計約1億2000万円となり、これを2・1倍すると約2億5000万円。「もっと大きな損害」(同教授)となると、3億円超に及ぶことも考えられる。
被害が少ないケースとしては公共広告機構(AC)のCM。昨年7月から放映していた韓国女優のチェ・ジウとの共演CM「日韓共同キャンペーン・エコライバルになろう」の中止を発表し、「遺憾な事態ととらえ中止しました」と話した。ただ、無償で広告を提供しており、被害はほぼないという。
4月末まで契約を残していたNTT東日本は、首都圏では3月中旬まで放送していたものの「今後流す予定はない」といい、こちらも事件の影響はないという。