川面を泡が流れていきます(撮影:林美幸) JR青梅線の拝島駅北口を出てすぐの、玉川上水沿いの緑道。すぐ脇にある桜並木は桜の名所としても知られ、季節ごとに通行人の目を楽しませてくれる場所でもあります。 現在の玉川上水は、羽村の堰(せき)から小平監視所までは多摩川の水が流れる導水路。小平監視所以降は清流復活事業として多摩川上流水再生センターで処理された下水道の高度処理水が送水されています。 上流で泳ぐカモたち(撮影:林美幸) 玉川上水はフェンスで囲まれているため、わざわざ放り投げない限りゴミは落ちにくいと思われますが、水中やフェンス内にもペットボトルや空き缶、コンビニの袋、中にはおむつ袋まで捨てられていました。 散歩中の初老の男性に泡のことをたずねると「ああ、水が少ないときはけっこうあるよ。枯れ葉などが腐って泡が出てくるみたいだよ。あとね、犬が散歩中にしたふんをビニールに入れるだろ。それを川に捨てちゃう人もいるんだよね」と言われました。その後通った女性にも話を聞いてみたところ、食べ終わったカップめんの空容器を、ポイっと捨てていく人を見かけたことがある、と話してくれました。 水面下で腐敗した枯れ葉や、動物の死骸(しがい)やふんなどは一定量であれば自然に浄化されていきます。しかし、その量が多ければ富栄養化がおこり、水質が悪化することは知られていますが、自然物以外にも富栄養価を進ませる要因があるようでした。 一時的なものか気になったため、その後3度ほど水の状態を確認に訪れました。量に変化はあるものの、やはり泡を確認できました。 そして3月12日、玉川上水を管理している東京都水道局に電話をかけて水質について伺ってみたところ、水質汚染などの報告は入っていないこと、水道水として使用されているものは、羽村の堰から取水したものを浄水場に送管しているため、泡の浮かんでいた場所の水は使われていないことがわかりました。 しかし、そうは言っても上水にすむ生物にとって、川に流れるビニールや水質悪化は問題ですし、せっかくの緑道からゴミが見えては残念です。 玉川上水は03年8月に国の史跡として指定を受けています。東京都でも07年4月に「史跡玉川上水保存管理計画」を策定するなど、江戸時代から続く上水の歴史的価値を認めて保存していこうという動きがあります。 せっかくの史跡をゴミだらけにしないためには、管理者側の環境保全と、ゴミや犬のふんは持ち帰って処理するなど、個人のモラル向上が求められているのかもしれません。 2月19日。玉川上水に洗剤の泡のようなものを発見(撮影:林美幸) 近くで見ると、やはり泡状です(撮影:林美幸) 2月22日。やはり泡がありました(撮影:林美幸) ゴミを捨てないで、と看板はあるけれど(撮影:林美幸) おむつの袋が捨てられています(撮影:林美幸) ペットボトルや靴まで捨てられています(撮影:林美幸) 桜並木が続く緑道なのに残念(撮影:林美幸)
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