大阪市西淀川区千舟2の市立佃西小4年、松本聖香(せいか)さん(9)が行方不明になった事件で、大阪府警は23日、聖香さんの遺体を捨てたとして、母親の美奈(34)、内縁の夫の小林康浩(38)、2人の知人の杉本充弘(41)=同府枚方市=のいずれも無職の3容疑者を死体遺棄容疑で逮捕した。3人とも容疑を認めているという。小林容疑者の「遺体は奈良に埋めた」との供述に基づき、府警は奈良市内の山中を捜索、同日午後10時ごろ、聖香さんとみられる遺体を発見した。府警は、周辺住民らから虐待をうかがわせる証言も得ており、西淀川署に捜査本部を設置し、死亡の経緯についても3人を追及する。
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美奈容疑者の捜索願提出を受け、府警が公開捜査した事件は、家族の関与が明らかになり、公開約2週間で最悪の結末を迎えた。
逮捕容疑は、3人は4月6日ごろ、聖香さんの遺体を奈良市北東部の墓地に埋めたとしている。着衣はなかったという。小林容疑者は「6日朝、ベランダに放り出していた聖香を見ると動かず、死んでいるのが分かった。杉本容疑者の車に乗せ、夜に2人で運んだ」と供述。一方、美奈容疑者は「5日に部屋で死んでいたのを確認した。2人が運んで捨てたのは間違いない」と一部食い違う供述をしているという。杉本容疑者は「小林容疑者に頼まれて手伝った」と話したという。
府警によると、聖香さんは美奈容疑者、小林容疑者とその小学1年の長男との4人暮らし。3月11日以降、「体調不良」を理由に学校を欠席しており、始業式前日の7日夜、美奈容疑者が西淀川署に捜索願を出していた。
府警は聖香さんが事件や事故に巻き込まれた可能性があるとみて、10日から公開捜査。聖香さん宅から女児の叫び声がしたのを複数の近隣住民が聞いていたことがその後、分かった。持病を抱えていた聖香さんが3月中旬以降、かかりつけの病院に通院していないことも判明した。
さらに、3月中旬以降、聖香さんの目撃情報が全くなく、聖香さんの欠席に関して学校と府警に対する美奈容疑者らの説明が食い違うなど不自然な点があったため、府警は23日朝から保護責任者遺棄容疑で自宅の家宅捜索に踏み切り、3人から事情を聴いていた。また、家族が普段から使っていた杉本容疑者の乗用車を押収し、遺留物などを調べていた。
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