2009年4月24日1時4分
松本聖香さん
逮捕された母親の松本美奈容疑者=15日、大阪市西淀川区、野上英文撮影
大阪府警本部に入る小林康浩容疑者=23日午前8時29分、大阪市中央区、山本裕之撮影
松本聖香ちゃんとみられる遺体が見つかった現場付近にはブルーシートが張られていた=24日午前0時46分、奈良市柳生町、諫山卓弥撮影
不明女児宅のベランダを調べる捜査員=23日午後2時56分、大阪市西淀川区千舟2丁目、小林裕幸撮影
大阪市西淀川区千舟2丁目の市立佃西小学校4年、松本聖香(せいか)さん(9)が行方不明になっていた事件で、大阪府警は23日夜、聖香さんの遺体を奈良市の山中に遺棄したとして、いずれも無職の母親の美奈(34)と内縁の夫の小林康浩(38)、その知人の杉本充弘(41)の3容疑者を死体遺棄容疑で逮捕した、と発表した。小林容疑者は「遺体の処理に困り、知人と2人で遺体を捨てに行った」と供述しているという。府警は聖香さんが死亡した経緯についてもさらに調べる。
捜査1課によると、小林容疑者らは6日ごろ、聖香さんの遺体を奈良市柳生下町の山中に遺棄した疑いが持たれている。
同課によると、小林容疑者は「4月6日の朝にベランダに放り出していた聖香が死んでいたので、知っている墓地に(杉本容疑者と)2人で行き、遺体を埋めた」と供述。杉本容疑者は「小林に頼まれ、私の車の後部座席に遺体を乗せて運んだ」と話しているという。美奈容疑者は同5日ごろに聖香さんが室内で死亡していたなどと供述し、「杉本が毛布で遺体をくるんで部屋から運び出した」と遺棄について説明しているという。
府警は小林容疑者らの供述に基づいて、23日夜から奈良市柳生下町の山中にある墓地を捜索。午後10時ごろ、深さ約70センチの土中から聖香さんとみられる女児の遺体を見つけた。着衣は身につけていなかったという。聖香さんの遺体を運ぶ際に使ったとみられる杉本容疑者の乗用車を押収し、運搬や遺棄方法の裏付けを進めている。
府警や近隣の住民によると、小林容疑者と美奈容疑者、聖香さんらは大阪市西淀川区のマンションに昨年9月ごろから同居するようになった。同12月ごろから、この部屋の付近の住民が聖香さんとみられる女児の泣き声や、小林容疑者とみられる男の怒声を聞いていた。こうした声は、今年3月中旬になって途絶えたという。これとほぼ同時期の3月11日から、聖香さんは風邪を理由に学校を休み始め、遺体を遺棄したとみられる4月6日の翌日の7日には美奈容疑者が西淀川署に家出人捜索願を出していた。
府警はマンションの住民らの証言から、聖香さんが小林容疑者に虐待されていた疑いがあるとみて捜査。23日朝から保護責任者遺棄容疑で自宅を家宅捜索し、3人の容疑者から事情聴取を進めたところ、夜になって遺体の遺棄を認める供述を始めたという。府警は、聖香さんが死亡したことを隠すために家出人捜索願を出したとみている。