「へき地」の妊婦を守れ!

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飛騨北部で支援体制開始 自治体や診療所が情報共有

へき地妊婦の情報を共有する自治体

 岐阜県飛騨地域北部(高山市、飛騨市、白川村)で5月から、分娩(ぶんべん)可能な医療機関から遠い「へき地」に住む妊婦を守る支援体制が始まる。自治体や地域の診療所などが妊婦の情報を共有し、緊急時の搬送に備える。同県飛騨保健所によると、同様の取り組みは全国でも極めて珍しいという。

 飛騨北部で分娩を取り扱う病院と診療所は3カ所だけ。いずれも高山市中心部にあり、常勤の産科医は5人しかいない。

 へき地の妊婦は、出産が近づくと医療機関に近い市街地に滞在して備えるが、早産などの場合には母体に危険が及ぶ可能性がある。同県が昨年2月に作った妊婦救急搬送マニュアルを補完する制度として検討を重ね、同保健所や地元医師会などでつくる協議会が21日、実施を決めた。

 母子健康手帳の交付時に自治体が妊婦に同意を得て、住所や出産予定日、出産経験などの個人情報を飛騨保健所に伝える。保健所が妊婦の居住地を地図上に示し、医療機関や消防などに提供。通常から緊急時の搬送などに備える。

 搬送時間短縮のための訓練を実施し、途中まで一般車両で運んで救急車に中継する方法を探っていく。

 飛騨北部での2007年度の分娩数は1014件だった。医療機関まで1時間以上かかるへき地妊婦の分娩は、年間30例以上と推定されているが、最近10年間で緊急搬送を必要とした事例はないという。

(2009年4月22日)