2009年4月23日15時1分
民主党は23日、政治改革推進本部(岡田克也本部長)の総会を開き、国会議員の世襲について、同じ選挙区から親族が続けて立候補することを認めない方針を決めた。次の総選挙から適用し、マニフェストにも盛り込む。世襲が多い自民党との違いを強調し、小沢代表の秘書をめぐる違法献金事件で傷ついた党のイメージ回復を図りたい考えだ。
国会議員が子孫や娘婿ら親族に後援会など地盤を引き継ぐ世襲については、「政界への人材供給が限定される」と批判が強まっている。民主党は今年に入り、岡田氏を中心に制限を検討。世襲の衆院議員が党全体の約3分の1を占める自民党でも菅義偉選挙対策副委員長らを中心に検討が始まったことも踏まえ、政治改革に積極的な姿勢をアピールするため、結論を急いだ。
具体的には、現職議員の引退や死去などを受け、同じ選挙区で親族が立て続けに立候補することを認めない。制限期間などは今後詰める。岡田氏は「親族」について総会で「3親等以内」を提案した。選挙区を替えて立候補する場合は該当しない。民主党では次の総選挙の立候補予定者に該当者はいない見込みだ。
また、献金の受け皿として政治家個人が設ける資金管理団体や関係政治団体を引き継ぐことも、資金面で不平等を生む「世襲」と位置づけ、認めないことで合意した。
党政治改革推進本部は党所属の全国会議員にアンケートを実施済み。制限の対象について、子どもは全議員の8割強、配偶者は7割強、兄弟姉妹は6割弱で制限に賛成との回答を得たため、今回の方針を打ち出した。
岡田氏は22日付のメールマガジンで、次の総選挙で引退する自民党の小泉元首相の次男のケースについて、「典型的な世襲」と批判。「(世襲は)政治の活力をそぐ。幅広く候補者を募り最適な人を出すことが特に求められる」と強調した。「民主党は一歩先を行きます。自民党にもぜひ真剣に議論してもらいたい」と述べ、総選挙で争点にする考えを訴えている。