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東南アジア大津波についての本が何で今頃になって書籍化なのかよく分からんが、元はメルマ連載とのこと。別にあまりに冗長だから塩漬けになっていたということではないらしい。たしかに津波がテーマとなっている話なのだが、実際は津波特需で日本メディアの助手となったタイ在住の著者が、その身辺雑事を記録したもので、主人公はあくまで本人である。名前がないが大手メディア（というか雇用主であるH氏）に対する愚痴が多く、タイ人に対する日本の無意識を責めたりしているのだが、それでもおかげで日頃手にすることができない様な大金を得た満足感を否定することはできない。契約が終了し、自力で取材を続けることにした著者は結局、長老と酒を飲んだり、大麻を吸う若者たちの輪に入ったりとで、日本の大手メディアが日本人にしか興味がない様に、著者が興味あるのはタイ人だけである。共に津波はその背景に過ぎないのだから、タイ人の「心の水」を唱えたところで、それが津波被害の原因や希望を表すものではない。神戸が日本人のボランティア元年と呼ばれた様に、津波に「自分探し」を求めたタイ人、外国人は多かった様だ。
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