川崎市の人口が140万人を突破した。この5年間で10万人も増えたという。武蔵小杉駅周辺のマンション開発で人口が急増した中原区ほどではないが、支局と自宅のある川崎区でも人口が大きく増えた▼川崎に住んでいると、確かに便利だ。東京に近い割に、家賃は安い。川崎駅周辺には、歩いて10分もかからない距離に、三つのシネマコンプレックスがひしめく。私にはあまり縁はないが、競馬場、競輪場、堀之内の風俗街も徒歩圏内だ▼いいことずくめの街だが、地元の人たちと話していると「でも、市としての一体感がない」という不満によく行き着く。南東から北西に細長い地形で、市内の移動に時間がかかり、東京や横浜に出るほうがかえって早い、という事情が影響している▼「JR南武線に快速を復活させてほしい」「やはり地下鉄が必要」「市役所を中原区に移転するべきだ」。かくして川崎を愛する人たちの議論は尽きない。【佐藤千矢子】
毎日新聞 2009年4月23日 地方版