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夢見る掃除人 / 2009.04.22 11:51 / 推薦数 : 1
コントロールを失った鑑識
検察官:「この服に付いているシミが容疑者本人のものか確かめてくれ。」
鑑識課:「はいわかりました。」
?
本人のものかどうかって。。。「答え」言っちゃってますやん。
こういうのを「予見を挟む」といいます。
***
衣服などについた微量の体液の採取も難しい。
採取できても、DNA鑑定できるとは限りません。
DNAで鑑定できない???
?
そーなんです。検体の採取中に鑑識官のフケが落ちてもいけません。
慎重にやらないといけません。で。増幅したDNAを電気泳動にかける。出てくるバンドの位置で同定します。色も顔だちもよく似た日本人同士。特徴的なバンドがソーあるわけがない。
人間のDNA鑑定がこのような大雑把な方法で見分けられると誰が言い出したか。。。です。バクテリアとかウイルスのように個性的ではありません。
科学的に物を言うには、「ブラインド(二重盲検査法)」という手法を使わなければいけません。その検体が誰のものか分からないという設定でなければいけません。そして、検体の処理全行程を初めからブラインドでやらなければなりません。すなわち、他の人の検体もいくつか同時に、同じ処理方法と、同じ検査場所と、同じ試薬と、同じ機器と、検査官が行わなければなりません。どの検体が本人のもので、どの検体が別人のものかが、鑑識課にわからないようにしなければなりません。これを「コントロール(対照検体)」を置くといいます。
どのような検査もこの手法を取らなければなりません。
そもそも犯行現場から採取された検体は、微量だったり、不完全であることが多いはずです。検体に対する偏見があると検査官がダマサレます。そうしたコントロールの有無を明かさなくてもいいのが閉鎖された科学捜査です。
もう一度検査する。誰が?
出てくる鑑定が信用できないのは当たり前です。
鑑識は、まったく外部の人間がしなければいけません。しかもそれが犯罪に関係がある検体であることが分からないようにしなければ信用できません。誰が行うべきかという「コントロールを失って」いませんか?
**By ゆめみ***
--- Apr.22,2009 ---
DNA型鑑定「神話」揺らぐ 足利事件で不一致、精度に疑問符
2009年4月22日(水)8時0分配信
栃木県足利市で平成2年、4歳の女児が殺害された「足利事件」で殺人罪などに問われ、無期懲役が確定した元幼稚園バス運転手、菅家利和受刑者(62)の再審請求即時抗告審で、東京高裁が嘱託した再鑑定の結果、菅家受刑者のDNA型と女児の下着に付着した体液が一致しなかったことが判明した。今月末にも再鑑定結果の最終報告書が同高裁に提出される見込みで、DNA型が一致したとする捜査段階での鑑定結果を有力な証拠とした確定判決が覆り、再審開始の可能性も出てくる。
≪別事件に一抹の不安≫
DNA型鑑定をめぐる捜査手法に「疑問符」がついたことで、鑑定の精度について議論が高まり、鑑定の有り方や別の事件の再審請求にも影響が出てくることも予想されてきた。「DNA型鑑定の万能神話」が揺らぎ始めた。
東京高検の渡辺恵一次席検事は「鑑定書が裁判所に提出されたとは聞いておらず、コメントすべき状況にはない」とする。ただ、複数の法務・検察幹部は、「確定判決は重い」としながらも、鑑定の精度がいまと大きく異なることから、当時の精度で鑑定結果を立証の有力根拠とした事例がないか「調べる必要性もある」との認識を示した。
DNA型鑑定は、DNAの配列パターンの一致や不一致を判定するもので、日本では平成元年に科学警察研究所で実用化がスタートした。ただ「スタート当時の精度は低く、DNA型が判然としないものを『一致』とするなどおおざっぱで問題視する声も当時からあった」と九州大学法学部の田淵浩二教授は振り返る。
同じ型を持つ人が出現する確率も当時の最高レベルで「1100万人に1人」と、精度はまだ低かった。そんな中、科警研が初めて平成3年に本格的な鑑定を行ったのが足利事件だった。
その後、鑑定技術は向上。最近では検査キットも改良され、同じ型の出現確率は「4兆7000億人に1人」と、精度は飛躍的に高まった。東京歯科大学法医学講座の水口清教授は「一般論だが、当時の鑑定に比べ、今の鑑定の方が精度は高く信頼性がある」と話す。田淵教授は「(足利事件で証拠とするのは)やはり時期尚早だったのでは」とも指摘する。
≪「劣化なども考慮を」≫
しかし、精度が上がったとは言え、今回の再鑑定も盤石ではない。万人不同で終生不変の指紋や歯形の捜査手段よりも信頼性に欠けるとする声も根強くある。
鑑定は、パターンのごく一部の「型」を分析しているのに過ぎず、どういう資料がどのように一致したのかを確認しないと判断を誤る危険性もある。またDNAは湿気などに弱く、年代や保存環境によっては、鑑定しても汚れて見え、正確な鑑定結果が出せない場合もあるという。
水口教授は「再鑑定できないくらい資料が少ないケースは証拠能力が疑われるので鑑定しない」と話す。
血液が微量で衣服などから資料を抽出することが困難なケースも多く、技術が未熟だと増幅に失敗してしまうこともある。このため警視庁の捜査員は「(衣服に飛びついた)血痕などは何カ所も鑑定しなければ信用性に自信を持てない」と問題点を指摘する。
足利事件の鑑定が行われた当時、警察庁鑑識課長だった岡田薫・元刑事局長は「具体的な内容が不明な段階で、個別的なコメントはすべきではないが、一般論として」と断った上で、 「厳密には、今回の鑑定に使われた細胞は当時鑑定に使われたものとは別のものだということ。たとえば、犯罪現場から容疑者の指紋が見つかったあと、その近くから全く別の指紋が見つかったからといって最初に見つかった類似指紋の証明力に変わりない」としている。
法務省幹部も「DNA型が『明らかに違う』のか、『一致していると認められない』のかでもかなり違う。資料の劣化なども考慮しなければ」と話し、再鑑定結果を詳細に検討する必要を指摘している。
***以上。
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